過去があるから今がある…それが今年のツアーのメインテーマといえるでしょう。 近年のw-inds.は自分達の過去の歩みを否定しない活動姿勢をとっていて,それは15周年を迎えた2016年頃から現れてるように思います。 10代の頃はただただ歌って踊るのが楽しくて,がむしゃらに踊りまくってた時期でしょう。 今回のセトリ序盤はEDMメインでのっけから加速していきますが,特にEDM期以降のw-inds.はストイックで,今の自分達のスタイルで今のパフォーマンスをするという意識が強かったように思います。 そんなw-inds.の軌跡が今回のライブに反映されています。 ライブ初披露曲がむしろ今まで歌ってこなかったのが個人的に少し意外だったのですが,久しぶりに披露された楽曲共々,成熟した今だからこそ表現に味わいがあり,今後も探せばまだ出てきそうな長いことライブで歌ってない楽曲を今のw-inds.が表現したらどうなるか興味深いところです。

w-inds.にとって3年半ぶりの武道館公演。 私にとっては人生初の武道館でしたが,そこはやはり特別な空間。 三角形モチーフに組まれたユニークなステージセットに,武道館ではレーザーが加わり,より迫力のある演出に。 New WorldのRemixは激しい照明演出に浮かぶ激しいダンスが圧巻すぎました…あれはヤバすぎる!!! Time Has Goneのみ撮影許可され,SNS時代に即した取り組みも。 何より30代グループにして17年というキャリアからくる成熟感,メンバー間の信頼関係が垣間見えるライブでした。 ファン層はほぼ女性ですが,例年になく男性をかなり目にするようになりました。 今年セルフプロデュースに本格突入以降音楽ガチ勢なファンが急増しているようです。

キーワードで表すなら「ヒストリー」と「リバイバル」。 この言葉に集約されるのではないかと思います。 「100」のアルバムコンセプトである「POPSという名のノンジャンル」に因んでか,これまでのw-inds.のPOPSの歴史を盛り込んだ選曲だったり,過去のライブで披露された楽曲パフォーマンスをリバイバルしたような演出だったり,古参も新規も幅広く楽しめるセットリストになっていました。 モンスター級にレンジの広いボーカルパフォーマンスはもはや言うまでもなく。 今回はバンドサウンドに重点を置いてるためかサポートダンサーをつけずダンスも控えめ。 福岡市民会館は比較的音響が良いホールなのでその効果もあってか,アルバムで特に拘っている奥行きのあるサウンドが生バンドで見事に再現されていた楽曲もあり,一方では大胆なFUNK風味にアレンジされた楽曲もあったり,非常に心地よいサウンドを全身で体感できるライブでした。 ファンの年齢層は今や30代が中心になってるようで,親子連れも増えてきました。 未だ男女比としては少数とはいえ昨年から男性ファンが急増しており,w-inds.の客層もずいぶん大きく変化したなと実感しています。

まさにw-inds.のリアルな音楽人生を描いた楽曲が多いセットリストだったと思います。 意外と?ライブ初披露だった曲もあって。 代々木でのストリートライブから始まり約18年の歩みが詰まった歌たちにぐっときましたね。 w-inds.のライブではちょっと久しぶりにフルバンド編成で,最近の打ち込み系楽曲も初めてバンドアレンジを試みるなど,ライブならではのニュアンスの変化も再び楽しめました。 因みにこの日は4/1ということもあり,序盤3曲で本編終了!?なんて手の込んだジョークもありました。www

マニアックな選曲ができるのはファンクラブ限定ライブだからこそ。 今回はほとんどの楽曲がシングルのc/w曲で構成されていました。 ライブ初披露の楽曲も幾つかあり,改めてw-inds.のc/w曲の隠れ名曲の多さに唸りました。 新曲を交えた後半のダンスパフォーマンスはクールで圧巻。

先の両国国技館での15周年ライブの流れからのツアーとまさに呼べる内容でした。 序盤は活動初期の楽曲メイン,そこからFUNK/SOUL期→EDM期→終盤で再び初期楽曲と,多彩な音楽性を誇るw-inds.だからこそなしえるカテゴライズされたセトリで,選曲もw-inds.聴くならとりあえずこれ押さえとけ的なマスターピース揃い。 初期からのファンと思い出を網羅しつつも近年じわじわ音楽マニアからの評価が上昇しつつあることもあり新たなリスナーへ向けた入門編的なライブだったと思います。

w-inds.としては初めての両国国技館で(それを記念して湯飲みや座布団など国技をイメージしたライブグッズが登場したり物販に幟が立ち並ぶ等遊び心も満載だった),全方位型のセンターステージ。 360度ファンに囲まれ,その一体感がスゴい。 「音楽のタイムトリップ」と銘打ち,セットリスト全楽曲がシングル曲で構成され,まさに生のオールシングルコレクションアルバムと言えよう。 常に変化を求め続けるw-inds.なだけに近年は昔の楽曲をキーやアレンジを変えて歌うことが多いのだが,今回は振付をほぼ当時のままに,すべての楽曲をオリジナルキーで披露するという,それもある意味チャレンジャーな。(変声期前の楽曲まで…!!!) それにしても,昔の振付を今のw-inds.が再現すれば,所作の実に美しいこと!(例えて言うならヒラヒラと舞う桜吹雪のよう。) 今なお現役ファンも,かつてファンだった人も,各々が楽曲に自身の当時の思い出を重ね合わせたであろう。 随所でメンバーがお互い笑顔で肩組み合ったりする場面もあり,15年間築き上げてきた絆の深さが垣間見れた。 3月14日という記念日をファンと共に迎えることのできた喜びにも溢れていたと思う。 (それは5年前の10周年記念ライブが震災の影響で記念日当日に行えなかったのも大きいかもしれない。) 昨年夏ツアーの時はどういうわけか15周年を迎えることに対する不安を溢してたw-inds.であったが,ここにきて次の20周年に向けて余裕を見せていた。 一体この数ヵ月の変化は何だろう。

10周年記念ツアーではw-inds.の10年間を全て出しきるのがテーマ。 これまでのw-inds.の歴史を網羅しつつも,昔のヒット曲を今のw-inds.のパフォーマンススタイルで解釈していた。 見た目からそうだが大人になった今ではデビュー初期の初々しさや中性的な魅力なんて過去のものでしかないし,今には今出せる自分達のスタイルがある,という自覚でもある。 多くの楽曲で涼平,龍一がメインボーカルパートを担当していたのも新たな試み。 アンコールステージは近年のEDMナンバーで構成され,w-inds.の次なるステージへの序章。 エンドロールは実に感動的なメッセージだったなぁ。

w-inds.のライブでは異例のアコースティックライブ。 しかしこの選曲がなかなか意外性あった。 「CAN'T GET BACK」などアコースティックでやるという発想はなかったもの。 「Best of My Love」は実に10年前の楽曲であるが,その長い時を経てこのライブで完成形を見た気がした。 慶太によるカバー曲のコーナーは公演毎に異なるが福岡では久保田利伸「Missing」を選曲。 この曲は慶太の十八番らしくリクエストが多かった楽曲で,聴けてラッキーだったな。

The EDMな巨大ダンスフロア。 タイトルからしてそうだが序盤からひたすら踊って踊って踊りまくれ!! 選曲も近年の作品に専ら徹底。 3人の個性を遺憾なく発揮したダンスブリッジも魅力的。(慶太が赤い薔薇とか鬼に金棒だろう≧▽≦) w-inds.のライブと言えば例年生バンドの導入に拘っているが,今回はバンドを廃し全編オケという実験的な試みがなされていた。 (「Listen to the Rain」はバンドで聴きたい気がするけど。) 前作「Another World」からの選曲もあったが振付がちょいちょい変わったりしてて,個人的にはオリジナルの振りが好きなんだけどなぁー,と思う部分はあったが。 先のFCLTはアコースティックライブだったので,それと併せて両極端なw-inds.の魅力が味わえるライブであった。

バンドアレンジに重点置いた今回のツアーはいつもと異なる精鋭バンドメンバーを起用。 生ライブだからこその魅力を引き出す試みがなされていたが,「Don't remind me」等のアレンジが生ならではの絶妙なニュアンスを持たせてて実に秀逸。 ソロワークスの年となった2013年,公私共に大きな転換点を経た先には何が!?という問いの答えがこのライブにあるとすれば,その答えは,強化されたパーソナリティーだと思う。 特にダンス舞台活動を行ってた涼平のパーソナリティー力の成長は顕著に表れていた。 そしてKEITAツアーでも披露されてた慶太による「Sometimes I Cry」カバーはやっぱり驚愕で開いた口塞がらなかった。

久しぶりのFCLTでは遊びゴコロ満載でいく,ということで中盤でクイズコーナーが設けられる等お楽しみの要素が取り入れられていたが,メインのパフォーマンスにも抜かりがない。 セットリストはまさに今のレトロモダンなw-inds.スタイルの代表どころを網羅した内容で,むしろフェスとかでやりそうな選曲。 随所に3人の個性が光るパフォーマンスで,目が離せない。 それにしても3人とも年相応に格好良かったなぁー。 常にリアルタイムを追求し続けてきた成果だ。 まさにFANTASYなひと時だった。

Blue Blood=高貴な音楽性にこれでもかと徹底した内容。 80sルーツのファンクソウルナンバー揃いのアルバムに合わせ,過去楽曲もw-inds.流ソウルミュージックのヒストリーを徹底網羅したセットリスト。 今回のライブでは初めてホーンセクションが導入されているが,折角入れるならこの曲を!!と希望してた楽曲もセトリに組まれて嬉しい限り。(「ブギウギ66」を生ホーンでやらなきゃ勿体ないでしょう!!) 大人の品格を重視したライブだから,所謂暴れまわる系は無し,ひたすらお洒落。 前回のツアーはシングル曲が1曲しかなく選曲がマニアックすぎたが,今回はシングル曲も多数含まれてるのが良し。 かつてダンスクラシックで踊り倒した熟年世代にウケが良さそう。 そろそろブルーノートみたいなハコでジャズバーみたいなライブやっても良いと思うんだ。

脱EDM,レトロモダンサウンドへの舵取りとなったTimeless。 レトロな世界観を表現すべく,映像効果を廃し,60sのショーのような舞台演出。 「Make you mine」のギラギラした大階段でのパフォーマンスはさながら宝塚のレビューショーでも見ているかのようだった。 ただ,選曲がちょっとマニアックすぎたかな…裏楽曲ばかりだとw-inds.初心者には付いて行くのが大変かも。