第2回:セットリストの楽しみ方
LiveFansインタビュー企画 「セットリストとLiveFansの魅力」セットリストの楽しみ方
--- セットリストの楽しみ方ってありますか?
渡辺:
セットリストを公開すると、「ライブを観る楽しみを奪う」とか、「セットリストはライブに来た人だけの楽しみ」という声も出たけれど、一方で、チケットを取れなかったり、会場やスケジュールの都合で思うようにライブに行けない人も多い。The Rolling Stonesなんてチケット競争率10倍(ゴールデンサークル席)ですよ(笑)。
行けなかった人がセットリストを見て、「あ、この曲順だったんだ。じゃあそのセットリスト順で聴いてみよう」という楽しみがあっても良いのではないのかな、と思うんです。
実際に、アーティスト側からも興味をもっていただいてますし。
--- 僕もライブ観た後に、自分でセットリスト順に曲並べてCD作ったりもしました。その気持ち、よく分かります。
渡辺:
例えば武道館3days公演があって、3日間同じセットリストじゃないことも多い。セットリストがあれば「何日目が良かった」なんて比較もできる。
斉藤和義も、一時はほぼ毎回セットリストが違う時期もあったし(笑)。
昨年行ったELVIS COSTELLOのライブはセットリストがなくて、ルーレットを回して当たった曲から3~4曲続けてやる。ルーレットはきっかけでしかない。お客さんもルーレットを回してすごく楽しそうだった。
でも、さすがにアンコールの曲は決まっていたようで、ある曲が当たるまで何度もルーレットを回し続けたという(笑)。
Charのセットリストも面白かったなぁ。3部構成のライブだったんだけど、1st、2nd、3rdアルバムを順に演奏していったんです。ファンは「あれ、もしかして……?」と途中で気付くわけですよ。でも大盛り上がり。
Charはなぜそんなセットリストにしたか? 理由はアルバム制作当時のドラマーと何十年ぶりにやれることになったから。それで現在ではなく、過去を演奏してやろうと思ったらしい。
--- 粋ですねぇ。
渡辺:
セットリストとしては2人は真逆。でも、それもまたセットリストだよね。セットリストの切り口はいっぱいあるんだ、と。セットリストは本当に奥が深い。
(第3回[LiveFansの今後]に続く)