“最強の一般人”を目指す天才凡人の体を張った挑戦は続く!

シンガーのMiNE(ミネ)、盛り上げの天才のHyonn(ヒョン)、そしてDJのSHIMADA(シマダ)からなるJ-POPグループ、天才凡人。11年の結成以来、バラードからパーティー・ソングまで、多彩な要素を取り込んだキャッチーな楽曲と、笑いながらも泣けるエンターテイメント性の高いライブパフォーマンスが注目され、じわじわと人気を伸ばしつづけている。

5月29日にリリースした2ndフルアルバム『二枚目』をひっさげたワンマンツアーを大きな手応えともに完走した彼らが満を持してLiveFansに初登場。今回のインタビューでは10月6日、渋谷WWW Xで開催する『天才凡人 大感謝祭2019』と題した周年記念ワンマンライブの意気込みに加え、彼らの魅力に迫りながら、“最強の一般人”を目指すその思いを聞かせてもらった。


たとえ見た目はかっこ悪くても、生き様がかっこ良ければ、二枚目だろ

2ndフルアルバム『二枚目』をリリースして約4か月。アルバムをひっさげたワンマンツアーを経て、『二枚目』という作品がどんなふうにファンに届いたという手応えがありますか?

MiNE:天才凡人の、いい意味での二面性――お笑いの部分とバラードを含め、しっかりと曲を聴かせる部分の絶妙なバランスのアルバムができたんじゃないかと思っていて。リリース後のワンマンツアーもしっかり笑かして、しっかり聴いてもらってというふうに、まさにアルバムの良さを詰め込めたのかな。

SHIMADA:ツアーも含め、歌を届けることを一番前に出したんですけど、ライブ中、バラードになると、目をつむっているお客さんがいたんですよ。それを見たとき、届いているんだなって感じました。

Hyonn:めっちゃ良かったですよ。天才凡人の見え方もちょっと変わったんじゃないですか。

いい意味で二面性が出たとおっしゃったように天才凡人の信念を、『二枚目』というタイトルに託しながら、笑いながら泣ける、泣きながら笑えるアルバムになったと思うのですが、そういう二面性をアピールするっていうのは、作る前からテーマとしてあったんですか?

MiNE:どの楽曲を作る時も、音を楽しむから音楽という言葉通り、いい意味で、音をおもちゃにして、というところはあるんですけど、『二枚目』に関しては、SHIMADAも言ったとおり、歌を届けられるアルバムにしたかったんです。ただ、その中でも“天才凡人ってアホやな”とか、“やっぱ、こういう遊びを入れてくるよな”とか、そういうことはマストでやりたいと思って、おっしゃっていただいたように笑いながら泣けるようにしっかりと作っていきましたね。

SHIMADA:曲は『二枚目』ってタイトルを考えてから作ったんですよ。そんなふうにコンセプトに従って、曲を作ったのは初めてでしたね。

MiNE:たとえ見た目はかっこ悪くても、挑戦する姿勢をはじめ、生き様がかっこ良ければ、二枚目だろというテーマで作ったんです。すごく人間らしいものにしたかったんですよ。細かい話ですけど、だから歌のピッチも曲によっては直さずに録ったまま収録したものもあります。完璧さを求めるあまり、人間らしさが失われてしまうなら、多少ピッチがずれていてもいいだろう。人間は完璧じゃないんだからって。

『二枚目』の特典DVDやYouTubeにアップされた動画も見せてもらったんですけど、額に汗して、物事に懸命に取り組むことを尊いと考えている人たちなんだということが伝わってきました。

SHIMADA:そんなふうに思ってくれたんですね!(笑)

MiNEさんがおっしゃった“二枚目”というテーマは、ひょっとしたら天才凡人を結成した時からあったんじゃないでしょうか?

MiNE:そうですね。結成した時はHyonnと僕の2人だったんですけど、僕はそれ以前にソロでやっていた時は、サングラスをかけて歌っていたんですよ。もうトガりにトガっていて(笑)。ステージに立つ以上はかっこつけてあたりまえと言うか、かっこ良く見られたいという気持ちがあってやっていたんですけど、そこにサラリーマンをやりながら音楽活動を始めたHyonnを、最初はゲストとして呼ぶようになったら、彼は全然、かっこつけないんですよ。ほんとにお父さんの休日みたいな服装で、そのままステージに上がってきて(笑)。でも、Hyonnのほうがお客さんは、“かっこ良かった”“楽しかった”って言うんです。僕は最初、なんでやねんって思ったんですよ。かっこつけてるほうがええやんって。そしたら、Hyonnが“いやいや、かっこ悪いところがかっこええんや”って。意外に芯を食うようなことをたまに言うんですよ。4年に1度ぐらい(笑)。

オリンピックみたいに(笑)。

MiNE:だから、来年、たぶん出ると思うんですけど、2020で。

Hyonn:名言出ると思います(笑)。

MiNE:その言葉がずっと残っていて、天才凡人を組む時に、かっこつけすぎるんじゃなくて、アホなこともやりながら何か一生懸命やることが一番かっこいいんじゃないかなって。だから、結成当時から僕は、そういうふうに思っていましたけど、Hyonnは天才肌なので、“こういうテーマでやってんねんで”って言うと、急にガチガチになると思うから。

Hyonn:そうですね、ガチガチになりますね。

MiNE:だから言うてなかったですけど(笑)。そこにSHIMADAが後から入ってきて、音で遊びながらも、メロディはかっこ良くってことは基本にしながらやってますね。思いっきり遊ぶような曲はメロディがしっかりしているとか、歌詞が意外にいいことを言っているとか。そういうコントラストは大事にしてます。

この3人が集まったのが11年でしたっけ?

MiNE:いや、2人で始めたのが11年です。その2年後ぐらいにSHIMADAがするっと、新加入発表みたいなこともなく。アー写が急に3人になっても、ファンも何も言わないという(笑)。

3人は元々、どんなふうに知り合ったんですか?

MiNE:元々、ソロでやっているとき、SHIMADAに曲を作ってもらってたんです。Hyonnとは、彼の弟も音楽活動をしていて、その弟が“うちのお兄ちゃんサラリーマンやってるけど、歌声もめっちゃいいし、おもろいから、MiNEと合うと思う。でも、自分では何もできんから、一緒に組んでやったってくれ”と言われて、僕、食い気味で断ったんですよ(笑)。“何もできないって言われて、誰がやんねん”って。でも、“会うだけ会ってみてくれ”って言われて、3人で飲みに行ったらおもしろかったんですよ。

天才凡人ってグループ名は、どんなところから? さっきHyonnさんのことを天才肌とおっしゃっていましたけど、『二枚目』の歌詞カードでは、「詞の天才by MiNE」「編曲の天才 by SHIMADA」「盛り上げの天才by Hyonn」と、自分たちのことを天才と謳っている。だったら、もう天才だけでもいいと思うんですけど(笑)、なぜ、そこに凡人を加えたんですか?

MiNE:「詞の天才」って書いてますけど、僕、自分のことを超凡人だと思っているんです。でも、SHIMADAとHyonnは僕からしたらマジで天才肌なんですよ。超マイペースで、超才能にあふれているんです。最初組んだ時は、ほんとそう思ってました。今でもそう思ってますけどね。僕はHyonnほど笑いを取れないし、SHIMADAみたいな曲も作れないし。ただ、2人とも天才ゆえ、私生活のダメっぷりは凡人ですけどね(笑)。それこそ二面性がそれぞれにあるなと思うんです。

SHIMADA:僕は、自分はすげえ天才だって思いこみで作るようにしているんですよ。じゃないと、いい曲ができない。たまに歌うこともあって、ぶっちゃけ、歌はめっちゃヘタクソなんですけど(笑)、その時は、全力でやる凡人感を出すように意識しています。

MiNE:結成した時から個人的に思ってるのは、最強の一般人になれたら最高だなって。

最強の一般人?

MiNE:“あんなことは絶対できない。無理だ”と思ってもらうよりも、“あいつらぐらいだったらなれそう”って思ってもらえたら、僕らなりの角度で夢を見せられるんじゃないかな。でも、それぞれに自分の得意分野の時は天才だし、そうじゃない時は凡人だし。

Hyonn:僕も全然、普通やなと思ってるんですけど、天才肌みたいに言ってもらえるとうれしいなっていつも思ってます、ありがとうございます(笑)。

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