山田孝之、綾野剛、内田朝陽のバンド・THE XXXXXX、オルタナかつ刺激的な内容で圧倒した初ライブを目撃

2019/05/08
THE XXXXXX

MUSIC EXISTENCE  2019.4.24  EX THEATER ROPPONGI

山田孝之、綾野剛、内田朝陽という実力派俳優によるバンド・THE XXXXXX(ザ・シックス)の初のライブ『MUSIC EXISTENCE』がEX THEATER ROPPONGIでおこなわれた。

「ライブをやりたくない?」「バンドやろーぜ!」。そんなシンプルな衝動に端を発して、6年前から水面下で動き始めていたという3人のバンドプロジェクト。昨年11月の始動から、2枚のシングルを経て、4月5日にファーストアルバム『THE XXXXXX』をリリースした。言わずもがな本業である役者としての活動で引っ張りだこの各メンバーであり、また、職業作家を迎えるかたちの“お膳立てデビュー”ではなく、あくまで自分たちで楽曲制作から手がけたいという想いも相まってだろう、発足からの時間はかかったが、遂に実現した彼ら念願の初ライブは、自分たちが心から表現したい世界観を突き詰めた刺激的な内容だった。

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以下のテキストでは、4月24、25日の2日間にわたり、昼夜全4公演がおこなわれた記念すべき初ライブのなかから、初回を飾った24日昼公演の模様をレポートする。なお、バンドとしてのメンバー名はアルファベット表記となる。

開演時間、雪がちらつく森にたたずむひとりの女性の姿がスクリーンに映し出された。この日のライブは映像とシンクロしながら進んでゆくストーリー性のあるライブだ。ステージにTAKAYUKI、GO、ASAHIの3人が登場。悲鳴のような大歓声が会場を包み込むと、GOが「EX THEATER!! Are you ready!?」と力強く叫んで、その熱狂をさらに加速させる。オープニングナンバーは野性味溢れるビートにのせて、TAKAYUKIの抑制の効いた低音ボイスが妖しいメロディを紡ぐ「Seeeds」。あえて微動だにせず歌うTAKAYUKIの隣で、ギターのGOは激しく体を揺り動かして演奏にのめり込んでいた。間髪入れずに、キーボードのASAHIがアコースティックギターを弾き、複雑に折り重なるコーラスワークが圧倒的な高揚感を生んだグラムロック「horizon bloom」へ。ライブは4月5日にリリースされたアルバム『THE XXXXXX』の楽曲が収録曲順どおりに披露されていった。

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2曲を終えたところで、「緊張が飛んだな、みんなのおかげで」と伝えたGO。一方、TAKAYUKI は「飛んだ? 俺、緊張して全然声が出ないんだけど(笑)」と、初ライブらしい初々しいコメントで会場を和ませた。ダンサブルに疾走する「second hand」のあと、スクリーンに美しい月を映し出した幻想的な「zealot」では、激しく明滅する光のなかでGOとASAHIは体を大きくのけぞるエモーショナルなパフォーマンスでも魅了する。バンド経験を持つGOをはじめ、フジファブリックとのコラボワークが話題になったTAKAYUKI、ASAHIは下積み時代に楽曲制作で生計を立てていた時期もあるなど、それぞれに熱心な音楽ファンとしても知られている彼ら。フェイバリットの共通項には、THE YELLOW MONKEYやミューズ、マリリン・マンソンといった名前が挙がるが、それぞれにノイズミュージックからシューゲイザー、ヘヴィメタル、グラムロック、ニューウェイヴまで、オルタナティブな音楽に魅せられた嗜好性が、THE XXXXXXのサウンドには全面に発揮されていた。

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中盤、再びスクリーンの映像が挟み込まれた。舞台は緑が生い茂る森から、都会へ。ここからサウンドの雰囲気も変わり、GOがギターを思いきり歪ませたインダストリアルな「チート」やスペイシーな陶酔感を生んだEDMナンバー「amber 1800」、無機質なカメラのシャッター音をフィーチャーした「tut-tut」という、電子音を強く打ち出した楽曲を立て続けに披露された。そして、スクリーンに主人公の女性が目まぐるしい都会の喧騒に苦悩するような姿が映し出されると、スケール感のある雄大な音にのせて“死”へのカウントダウンを告げるように昇り詰めてゆく「冷静に暴れていこうか」で、会場のボルテージは最高潮に達した。

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アルバムの曲順では、次がラストソング「end starter」だったが、ここであえて配信アルバムには収録しなかったという「deep breath」を披露。「思い入れがある曲だから、ライブ会場に来た人に最初に聴かせたかった」と伝えてから届けたその曲は、生命力に満ち溢れた美しいサウンドスケープが印象的だった。続けて、「end starter」。工場の煙が吐き出され、大量のゴミが山積したショッキングな映像を映し出しおながら、紡がれるのは<私は風を起こすことができる><私は絶えぬ争いを止めるの><私は人々を導くことができる>、そして、<愚かに生きよ>というメッセージだ。すべての演奏を終えたあと、ステージの照明が落ち、会場に風の音が響き渡るなか、メンバーは無言でステージをあとにした。最後にスクリーンに映ったのは、主人公の女性が荒涼とした砂漠で呆然とたたずむ姿だった。

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アンコールはなし。だが、鳴りやまない拍手に改めてステージに登場したメンバーは、「先に言います。歌えないです(笑)。でも、これで終わるのは乱暴すぎるから、挨拶ぐらいしないと」(TAKAYUKI)と、それぞれ集まったお客さんへの感謝を伝えて、ライブを締めくくった。

この日、THE XXXXXXが見せたものは、「人気俳優がバンドを組んで、初めてライブをする」と言われたときに、一般的に想像するレベルを遥かに超えるアンダーグラウンドなライブだった。視覚的な演出を取り入れながら、“人間の愚かさ”を突きつけ、それでも現状を打破するような希望を孕んだメッセージは、受け手に圧倒的な余韻を残すものだった。「毎日進化していくので。みなさんに、“THE XXXXXXまだまだだな”って思われながら頑張りますので応援してください」とGO。それぞれに役者という基盤があるからこそ、音楽では徹底的に自分たちがやりたいことだけを追求できる。そんな特異なバンドTHE XXXXXXが、ここから音楽シーンでいかに攻め続けていくか。ぜひ、「この先」も見てみたい。


取材・文=秦理絵

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