BIGMAMA、一夜限りの“ロック×クラシック×クリスマス”なロックパーティーでBLITZを揺るがす

2019/12/27
BIGMAMA 撮影=高田梓

Roclassichristmas   2019.12.25   マイナビBLITZ赤坂

クリスマスの夜、BIGMAMAが赤坂にやってきた。2019年11月25日、マイナビBLITZ赤坂、名付けて『Roclassichristmas』。記憶が正しければ、BIGMAMAのクリスマス・ライブは今年でちょうど10年目。そして10年前も今年も、くしくも『Roclassick』シリーズのリリース直後だ。偶然か必然か、何かが起きる予感がする聖なる夜。

ステージにはクリスマスリースと、電飾の灯ったクリスマスツリー。ベートーヴェン「歓喜の歌」に乗って現れたメンバーは、お揃いのブラック・スーツとタイでばっちり決めてる。金井政人がギターにキスをする。東出真緒が弾くヴィヴァルディ「春」の旋律を、リアド偉武のドラムが急加速させる。1曲目は「走れエロス」だ。厳かなムードからカオスのロック・パーティーへ、ぎゅうぎゅう詰めのフロアは、源泉のように人が沸騰している。誰もがこの夜を楽しむ気満々だ。

BIGMAMA 撮影=高田梓

BIGMAMA 撮影=高田梓

「BIGMAMAです。よろしくお願いします」

金井の挨拶もそこそこに、クリスマス・ライブには欠かせない「My Greatest Treasure」から「LEMONADE」へ。原曲で金井とデュエットした長屋晴子(緑黄色社会)は最高だったが、ライブ・バージョンを任された真緒だって負けちゃいない。歌にヴァイオリンにキーボード、近年のライブでの彼女の存在感は本当に素晴らしい。さらに、『Roclassick』シリーズの代名詞とも言える「荒狂曲“シンセカイ”」から、「ワルキューレの非行」へと、荒ぶるラウド・チューン二連発。柿沼広也のギターが、笑っちゃうほど常軌を逸して歪んでる。バンドの気合も満点だ。

「Perfect Gray」「the cookie crumbles」と、スピード・チューンのあとに置かれたミニマルでクールな「高嶺の花のワルツ」の、じわじわ効いてくる温熱効果がいい感じ。一転して、「Animanimus」では金井がハンドマイクを握り、まがまがしいほどのヘヴィなサウンドに乗ってステージを右から左へ。からの、メタリックなダンス・チューン「mummy mummy」に繋ぐ流れが実にスムーズ。痛快だ。

BIGMAMA 撮影=高田梓

BIGMAMA 撮影=高田梓

それまで黙々と弾いていた安井英人が、突如猛烈なスラップの鬼と化す、カオスでワイルドな「Swan Song」。猛烈ラウドな超絶変拍子が、不思議な浮遊感覚を生みだす「Royalize」。どちらも鬼気迫る演奏で圧倒するが、その興奮を上回って見せたのが「the Last Song」だった。最新アルバム『Roclassick-the last-』のラストに置かれた、ショパン「別れの曲」をモチーフにした1曲。金井がピアノを弾きながら声を振り絞り、カッキーがギターをかきむしり、リアドが地鳴りのようなドラムを響かせる。静と動が鮮烈に入れ替わる、荘厳なほどにエモーショナルなロック・バラード。一言、凄い。

BIGMAMA 撮影=高田梓

BIGMAMA 撮影=高田梓

独りステージに残った金井が、ピアノ弾き語りで「春は風のように」を歌う。カッキー&真緒と3人で、「最後の一口」を奏でる。かつて見たことのない珍しいシーン、それはBIGMAMAからの、感動という名のクリスマス・プレゼント。続けて「叫びましょうか、愛を」と金井が紹介し、歌いだしたのはDREAMS COME TRUE「LOVE LOVE LOVE」だった。オーディエンス全員参加、後半のゴスペル風のコーラスが美しく響き渡り、その余韻の中で「Sweet Dreams」へと繋ぐ。今日のセトリは本当に流れがいい。さらに続けて、まだレコーディングもしていない新曲「St.Light」の初披露という、またも嬉しいクリスマス・プレゼント。良い意味で、キャリア12年の重さを感じない、伸び伸びと躍動するロック・チューン。BIGMAMAの辞書には、安定や停滞の文字はない。

BIGMAMA 撮影=高田梓

BIGMAMA 撮影=高田梓

「お互い、出し惜しみのないように行きましょう。喜びの歌です」

金井が紹介する、曲はもちろん「No.9」。金井のアコースティック・ギター、リアドがマレットで叩くドラムの優美な響き、そして誰もが知るヴェートーヴェン「歓喜の歌」のあのコーラス。素晴らしい一体感の中、「We Wish You a Merry Christmas」の陽気なメロディを、カッキー、真緒、金井がリレーして、ノンストップで「MUTOPIA」へなだれ込む。ミラーボールが光の雨を降らせる中、ハッピーな高揚感たっぷりの見事な演奏だ。

ここからはもう止まらない。明るい解放感とコーラスで一つになった「あなたの声で僕の名を呼んで」から「秘密」へ、スピード感あふれる展開に、終幕が近いことを察したオーディエンスが一気に盛り上がる。『Roclassick』シリーズの始まりの1曲と言える「計算高いシンデレラ」は、明るいタテノリの曲調に合わせ、フロアいっぱいのコーラス大合唱になった。『Roclassick』シリーズは、オーディエンスが歌って騒いで参加できるパートが多い、ライブで映える曲が多いことをあらためて実感する。

BIGMAMA 撮影=高田梓

BIGMAMA 撮影=高田梓

「『Roclassichristmas』、ありがとう。続きは『Roclassick tour 2020』でお会いしましょう」

一期一会、特別な夜を締めくくる1曲は、「誰が為のレクイエム」だった。恐れることなく鐘を鳴らせ――全ての終わりは未来への始まりに通ずる、熱いメッセージとドラマチックを極めた劇的な演奏、これがBIGMAMAの今の頂点だ。最後の挨拶は金井からの一言「メリー・クリスマス!」。アンコールはなし、24曲をおよそ100分で駆け抜ける、後味は爽快。2019年のBIGMAMAはここに終わり、2020年の新しいBIGMAMAがここから始まる。

追記。12月26日午後2時、ドラムのリアド偉武が、『Roclassick tour 2020』のファイナル、5月10日Zepp Tokyo公演をもってバンドを脱退することが発表された。リアドとメンバーからのメッセージは、オフィシャルHPをチェックしてほしい。そして、残り半年となった5人のBIGMAMAをサポートしてほしい。終わりは始まり。それはレクイエムではない、生きてゆく者のための歌だ。


取材・文=宮本英夫  撮影=高田梓

セットリスト

Roclassichristmas   2019.12.25   マイナビBLITZ赤坂
1. 走れエロス
2. My Greatest Treasure
3. LEMONADE
4. 荒狂曲“シンセカイ”
5. ワルキューレの非行
6. Perfect Gray
7. the cookie crumbles
8. 高嶺の花のワルツ
9. Animanimus
10. mummy mummy
11. Swan Song
12. Royalize
13. the Last Song
14. 春は風のように
15. 最後の一口
16. LOVE LOVE LOVE(DREAMS COME TRUEカバー)
17. Sweet Dreams
18. St. Light
19. No.9
20. MUTOPIA
21. あなたの声で僕の名を呼んで
22. 秘密
23. 計算高いシンデレラ
24. 誰が為のレクイエム

ツアー情報

『Roclassick Tour 2020』
1/30(木) 千葉 LOOK
1/31(金) 水戸 LIGHT HOUSE
2/02(日) 栃木 HEAVEN'S ROCK 宇都宮 VJ-2
2/11(火祝) 仙台 Rensa
2/15(土) 高松 MONSTER
2/16(日) 高知 X-Pt.
2/18(火) 京都 KYOTO MUSE
2/20(木) 神戸 VARIT.
2/22(土) 福岡 DRUM Be-1
2/23(日) 広島 CLUB QUATTRO
3/1(日) 札幌 PENNY LANE24
3/7(土) 盛岡 CLUB CHANGE WAVE
3/8(日) 郡山 HIPSHOT JAPAN
3/14(土) 新潟 LOTS
3/15(日) 金沢 EIGHT HALL
3/20(金・祝) 長崎 DRUM Be-7
3/21(土) 熊本 B.9 V1
3/28(土) 長野 CLUB JUNK BOX
3/29(日) 富山 MAIRO
4/4(土) 滋賀 U☆STONE
4/5(日) 奈良 NEVER LAND
4/11(土) なんば Hatch 
4/16(木) LiveHouse 浜松窓枠
4/18(土) 岡山 CRAZY MAMA KINGDOM
4/19(日) 周南 RISING HALL
4/29(水祝) Zepp Nagoya 
 
『Roclassick Tour 2020 -the Last of the Last-』
5/10(日) Zepp Tokyo *母の日 

リリース情報

アルバム『Roclassick ~the Last~』
発売中
【初回限定盤】 UPCH-7551/2 ¥3,500 (税込) 
【通常盤】 UPCH-2202 ¥2,500 (税込) 
<DISC1> Roclassick ~the Must~(初回盤のみ) 
1.No.9 (ベートーヴェン『交響曲第 9 番「歓喜の歌」』) 
2.荒狂曲"シンセカイ" (ドヴォルザーク『交響曲第 9 番"新世界より"』) 
3.Swan Song (チャイコフスキー『白鳥の湖』) 
4.走れエロス (ヴィヴァルディ『春』) 
5.Royalize (サティ『ジムノペディ』) 
6.虹を食べたアイリス (ベートーヴェン『運命』) 
7.計算高いシンデレラ (パッヘルベル『カノン』) 
 
<DISC2>Roclassick ~the Last~
1.誰が為のレクイエム (ヴェルディ『レクイエム「怒りの日」』) 
2.高嶺の花のワルツ (チャイコフスキー『くるみ割り人形より「花のワルツ」』)
3.LEMONADE feat. Haruko Nagaya (緑黄色社会)  (モーツァルト『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』)
4.ワルキューレの非行 (ワーグナー『ワルキューレの騎行』) 
5.TURKEY OUTSIDER (モーツァルト『トルコ行進曲』) 
6.あなたの声で僕の名を呼んで (クリスティアン・ペツォールト『メヌエット』) 
7.the Last Song (ショパン『別れの曲』) 
 
■通常盤は「Roclassick ~the Last~」盤のみ収録

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