SUPER BEAVER キャリア最大のアリーナ公演、国立代々木競技場第一体育館でまたも更新した「美しい日」――「最高の1日をあなたと作りに来ました」

2020/01/14
SUPER BEAVER

『都会のラクダ “ホール&ライブハウス+アリーナ” TOUR 2019-2020 ~スーパー立ちと座りと、ラクダ放題~』2019.1.12(SUN)東京・国立代々木競技場第一体育館                      

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開演前のBGMから、もうエモい。山下達郎、大澤誉志幸らの昭和の名ポップスから、SPANK PAGEら戦友たちの楽曲まで、SUPER BEAVERを構成するタイムレスでジャンルレスなアーティストが国立代々木競技場第一体育館に響きわたる。まさに壮観としか言いようがない大観衆に埋め尽くされた会場は、SUPER BEAVERがついにここまで来た、いや、ここまで愛されてきたのかと知る幸福と、そこにいるだけで同志とすら思える得も言われぬ連帯感に満ちている。オレンジの照明に照らされながら、いつものように、過去最大のステージに、4人が集まっていく……。

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ひときわ大きな歓声で迎えられた渋谷龍太(Vo)が暗闇の中、1人白い閃光を浴び、ひと節歌い上げたのは、「それでも世界が目を覚ますのなら」。「SUPER BEAVER、よろしくお願いします」(渋谷、以下同)と声を上げ、1つ1つの言葉を噛みしめるように放っていく渋谷。ライブハウスで100人にも満たないようなワンマンライブをやっていたあの頃も、アリーナでこうして1万2000人を前に歌っている今も、まるで変わらずにいられる凄みがSUPER BEAVERにはある。

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「一発目から本気でいくんで、本気でかかってきてください。さぁ始めようか東京!」と幕を切った「青い春」で周りを見渡せば、そこに集まった1万2000の拳の先に、青春時代から15年をかけてここに立っている4人がいることにグッとくる。「15年、いつでもこの場所からスタートという気持ちで、いつだって1対1で。それがSUPER BEAVERです。気合いはバッチリ入ってますので、何卒よろしくお願いします!」と突入した「閃光」でも、誰にでも分かる言葉で、誰1人取りこぼさないメッセージの数々が胸に突き刺さる。

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「最高の1日をあなたと作りに来ました。代々木第一体育館、満員御礼ありがとうございます! 俺は自分のバンドをあんまり褒めたりはしないんだけど、今日この場所にあなたを連れてこれたというその一点においては、SUPER BEAVERを褒めてやりたいと思ってます。野暮なことをこれから聞きますけど……、俺らよりも楽しみにしてきたよっていう人はどれだけいますか!?」との渋谷の問いかけに、食い気味の大歓声で応えるオーディエンスとの良い関係。その頼もしい波動を受けた「ラヴソング」では、ステージを横断しながらその指先の表情1つまで、全身全霊で音楽を届けていく渋谷が、上杉研太(Ba)のハネるベースラインに誘われるかのように花道へ。

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そこで、「ここをダンスホールに変えたいんですけどいいです!? さぁギターヒーロー、踊らせちゃってください!」とコールし始まった「irony」では、柳沢亮太(Gt)の軽快なカッティングがグルーヴを先導。このセクションでの4人はライブが心底楽しいという表情で、「俺たちには、コネもお金もなかったけど、幸いなことに仲間がいました。そんなバンドがどうやって対峙するか、この場所でしっかり教えてやる!」と一気になだれ込んだライブアンセム「正攻法」では、ド派手な照明×スクリーンがシンクロした音と光の総力戦! 藤原"31才"広明(Dr)の変幻自在のビートに乗って、音の弾丸をオーディエンスにブチ込んでいく光景が壮絶にして痛快極まりない。

「ポップミュージック、愛の形。ポップミュージック、俺たちとあなたの意志。本日はこの場を借りて、本当のコール&レスポンスをやりたいと思ってます。直訳すると「本気VS本気」という意味です。俺たちが120%であなたにぶつかるから、あなたは121%できてください。あなたたちに歌ってるわけじゃねーぞ、あなたに歌ってるんだ。俺たちに束になってかかってくんじゃねーぞ、お前が1人でかかってこい!」

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スタンドだろうが、アリーナだろうが、全方位でみんなの声が聴こえる。最前だろうが、最果てだろうが、同じ熱量を感じる。そう、SUPER BEAVERのライブは、そんなあなたにも感動させられるのだ。あなたのキラキラした瞳(これ本当)に映るSUPER BEAVER、あなたの声に包まれる最高の景色。渋谷の「最高の声を聴かせてくれてありがとうございます!」という言葉には大いに頷かざるを得ない。そんなオーディエンスとSUPER BEAVERの信頼関係との結晶とも言える「秘密」に、ブチのめされながら突き動かされるような感覚。これがSUPER BEAVERの「現場」なんだと、今日もまた思い知らされる。

「チケットが売り切れまして、注釈付指定席という、うちの一番かわいい藤原さんが観えない席を開放して(笑)、ギリギリ、ガツガツの満員御礼、本当に本当にすごく嬉しいです。努力は人を裏切らないとか、夢は信じていれば必ず叶うとか、本当かなって思ってる。努力が報われるなら、何で音楽を辞めていった仲間がいるんだよ。夢が叶うなら、何で自ら命を断つようなヤツが周りにいたんだよって思っちゃう。そういうヤツらと一緒に音楽をやってると、一概にそういうことって言いたくないなと思うようになりました。でも、1対1の対峙をあなたがしてくれたがゆえ、どうしても叶えたい夢があるなら、続けてないことには、やっぱり意味をなさないなと思うようになりました。俺たちの15年は、そういうことを思うには十分な年月だったと思います。目の前に1万2000人じゃなくて、あなたがいてくれるこの事実は、俺たちにとっては欠けがえのない宝物です。拝啓、数年前の僕は何をしてますか。拝啓、数年先の僕はどこで何を見てますか。目の前にあなたがいてくれることを願って」

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彼らがメジャー時代に生んだ「まわる、まわる」。当時はここまで多くの人に聴かれることのなかった名曲が、歌い続けることで今、これだけの人の心を動かすことができている。歌は世に出て1週間でその価値をはかられるものなのか? 10年もの時を超えて、今こうして胸を震わせる曲に出会わせてくれたこと、そのためにSUPER BEAVERが歌い続けてくれたこと。そして、あなたがSUPER BEAVERに気付いてくれたこと。その幸福な軌道が今日という日に集約されているかのよう。歌い終わって深く、深く頭を下げるメンバー。

「10年前の歌です。今ならもっとあなたに伝えられるかなと、そんな気持ちがしたんで、歌わせていただきました。せっかくのアリーナというところでオンステージしております。なので……座ってみませんか?」との呼びかけから聴かせた、「your song」の優しいメロディが胸に沁みわたる。そして、混迷する現代社会に、今一番必要なメッセージが詰まったかのような「人として」に、問答無用で心を揺さぶられる。「まわる、まわる」といい、この曲といい、時とともに消費されるのではなく、いつの時代にも真理のボディブロウのように効いてくる、SUPER BEAVERの楽曲群。それが年々増えていくのだから恐れ入る。

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ここでメンバーにマイクが渡り、まずは柳沢が「今日は始まってからずっと楽しいです。もちろんここが終着点じゃないですし、何なら2020年一発目のライブですから。それが12000人だよ!? こんな素晴らしい日を迎えられて、SUPER BEAVERをやっててよかったなって思いました。ホントにありがとうございます!」と語ったのに対し、「ちょっと俺キテるわ、ヤバいことになってる」と動揺を隠せない上杉。それもそのはず、「俺、ここが地元なんですよ。代々木公園で小学校のときに遊んでましたから。この会場にもバスケの試合とかを観て来てましたよ。だから、こんなところでSUPER BEAVERがやるなんて誰が想像したでしょうっていう。ジーンときてます、ありがとうございます!」と感謝を語る。そして、藤原が、「ヤナギ(=柳沢)と昔ライブを観に来たりしたし、まさかここに立つとは思いませんでした」と語ると、「お前は座ってるけどな」という渋谷からの身もふたもないツッコミに会場は大爆笑。そこで改めて渋谷が、「上杉と俺が高校3年生、柳沢と藤原が高校2年生のときに組んだバンドが、まさか15年も続くとは、こんな場所でできるとは思わなかったです。改めてホントにありがとうございます!」とその想いをつないでいく。

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MCを受けたオーディエンスからの長い拍手と、渋谷が思わず「着信音にしたい(笑)」と言うほどの大歓声に後押しされ始まった後半戦は、「歓びの明日に」から一気に熱量が駆け上がっていく。ここからのMCと楽曲の相乗効果は凄まじく、「そんなの誰かが無理だって言うだろう、そんなのセンスがないって言うだろう。でも、なりたいあなたには、間違いなくあなたしか会いに行けないから。俺たちがこの2時間を使って、そのなりたいあなたに少しでも近づけるように」と届けた「予感」といい、「俺たちの音楽は誰かの病気は治せない、どこかで起きてる争いはすぐに止められない、腹の足しにならない。でも、あなたが目の前にいてくれたら、俺たちの歌う理由としては十分だ。そういうド真ん中の音楽がぶっ刺さりますように」と鳴らした「27」といい、イントロに乗せ渋谷が語る時点ですでに勝負がついていると言っていいほど、オーディエンスの感情はピークに引き上げられ、サビではさらにそれを超えていくという強烈さ。

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その極めつけとも言えたのが、「知らねぇ誰かが線を引くんだよ、壁を作るんだよ。俺たちとあなたで、その壁を叩き壊そうと思って、俺は今日ここに立ってる」とブチ上げた、「東京流星群」。東京生まれの4人と、その共犯者は1万2000人。スクリーンに映る流星群をバックに歌い上げるドラマティックな光景と、みんなが声を上げるエモーショナルな4分間に、声の力を、形のない音楽の力を、これでもかと突き付けられる。「嬉しい涙」でも、そこに在る全ての言葉と目に映る景色が、立て続けに感情に訴えかけてくる。

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「運命とかいうチープな言葉は俺は好きじゃないです。俺たちは自分たちの足であなたに会いに行きました。あなたは自分たちの足で俺たちに会いに来てくれました。今日みたいな日のために生きてるって言っても罰は当たらないんじゃないかって、そんなことを思えた1日でした。「生きててよかった」と思わせてくれたあなたの、「生きててよかった」になりたいです。そうやってつながれてることが俺たちのとって何よりの宝物です。何よりの財産です。というか、俺たちはそれしか持ってません。なので、地に足つけて精進して、バチバチにカッコいいバンドマンをこれからもやっていくんで、安心してついてきてください!」

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ここにいるみんなの気持ちを受け止めるような「全部」を経て、最後は2万4000本の手が奏でる手拍子に促されるという、最高に幸福な「美しい日」。武道館だって、神戸ワールド記念ホールだって、「美しい日」はこの日のために書かれた曲だったと終演後に思った。それでもまた、SUPER BEAVERは自らの、そしてオーディエンスの美しい日を、ここで見事に更新してみせた。

本編終了後、スクリーンには今年の後半のスケジュールが一気に発表され、『SUPER BEAVER 15th Anniversary 続・都会のラクダ TOUR 2020 ~ラクダの前進、イッポーニーホー~』と銘打たれたツアーでは、大キャパのライブハウス公演に加え、大阪城ホール、日本ガイシホール、横浜アリーナと、さらにスケールアップしたアリーナ公演が決定。大盛り上がりのオーディエンスを横目に「見た? いろんな会場がたくさんありますけど、少しもゴールじゃないので。ライブハウスでもやります、ホールでもやります、喜んでくれるならアリーナでもやります。そういうバンドになるんで」と語る渋谷。そんな高揚感の中、いきなりスクリーンに表情を抜かれた藤原に、さらに会場がドッと沸く。いやはやホントに、良いチームです(笑)。

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「俺たちは、自分たちの歌に何とか生かされてきました。漠然とした未来の中に立って、それでも目の前に差し伸べてくれたその手を掴んで離さないようにして、何とかこの場所に、這うようにしてやって来ました。今なら自分たちが生かされていた歌を、あなたに歌える気がしてなりません。これからもよろしくお願いします、という意味を込めて。最後に1曲」

今から11年前、ビーバーが何もかも失いそうなその時期に、すがるような想いで形にした「シアワセ」が今、目の前にいる1万2000人を、この会場の外にいる全国の何万何十万というあなたを支える曲として響きわたる。

SUPER BEAVERの過去最高に美しい日が、こうして幕を閉じた。

そして、それはきっと、また近いうちにやってくる。

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取材・文=奥“ボウイ”昌史 撮影=日吉“JP”純平

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