あらき、“初めて”が詰まった無観客配信ライブで示したシンガーとしての心意気

2020/07/31
あらき

【Streaming+】ARAKI LIVE ARK -iki ni kanzu-
2020.7.25 Streaming+

6月から7月にかけて開催するはずだったシンガー・あらきの全国ワンマンツアー『ARAKI LIVE ARK -iki ni kanzu-』がコロナ禍のため中止となってしまったが、ツアーのファイナル公演として渋谷O-EASTのステージに立つ予定だった7月25日に無観客配信ライブを開催した。ライブ本編は1時間弱とコンパクトなサイズではあったが、無観客でもとことんエモーショナルなライブができる、ということを力強く証明してくれたように思う。

まず映し出されたのは、ライブハウスの楽屋映像だ。円陣を組み、気合い入れをするあらきとバンドメンバー。距離を保つため手は重ねていないが、心はしっかりと重なっている。

あらき

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バンドメンバーに続いてステージに向かうあらきを追う映像に期待感が高まる中、あらきが高らかにタイトルコールしたのは「テオ」。ステージではなくあえてフロアを使って、あらきとバンドメンバーが円形になり向き合って歌い、演奏するという斬新なスタイルは、無観客ライブだからこそ成し得るもの。多くのカメラを使ってのカメラワークも躍動感たっぷりで、突破力に満ちたあらきの歌声にしても、<僕らまた逢える>というフレーズにしても、気持ちを高まらせてくれる。続く「スーサイドパレヱド」では、お立ち台に足をかけて歌う姿も。ダークな世界観に似合う色でもあり、彼のイメージカラーでもある赤をメインにしたライトに照らされながら、カオスを貫いていくそのパワフルな歌声は決してブレない。

あらき

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「記念すべき第1回目の配信ライブとなりましたが、最後までお付き合いいただけるとありがたいです。配信ライブのためにセットリストを組みましたので、楽しんでいってください!」

レーザーライトが賑やかに乱れ飛んだ「シニカルナイトプラン」は、裏打ちリズムに身体を揺らしたくなる、オシャレでいてところどころに狂気が垣間見えてしまうナンバー。先ほどまでの熱量高い歌唱とはまた違った、しなやかな歌声と流暢なラップは、耳に心地いい。ギターのアルペジオのみを伴奏に、息づかいまでも伝わる歌から始まったのは「しわ」。バンドイン後、アンバーな光に包まれる、あらきとバンドメンバー。歌声もバンドサウンドも柔らかく温かで、一際感情のこもった<「僕は幸せだ。」 そう言って目を閉じた>というラストのフレーズにも泣きそうになる。

「このライブをするにあたって、聴きたい曲をみなさんからリクエストしてもらいましたが、今回はランキング上位の曲を全部やるわけではなく、また通常のライブができるようになったら、全部披露したいと思います。ちなみに、先ほどの「テオ」はライブでやったことないけど、第2位でした。そして、これから第1位の曲をやらせてもらいます!」

あらき

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栄えある第1位の曲は、ほぼ英語詞の「About me」。メロディアスでセンチメンタルなナンバーにもあらきの歌声はよく映える。喪失感に胸が締めつけられる日本語詞部分のファルセットも、ハっとするほどきれいだ。ボカロP・Crusher-Pによる「ECHO」は、リアレンジバージョンを披露。グリーンのライトに放射城のレーザーライト、大胆なエフェクトボイスと、だいぶトリップ感がある。そして、洋楽育ちだからなのだろうか、あらきは英語詞がサマになるシンガーだな、とあらためて思う。ギターノイズからなだれ込んだ「ヒバナ」では、「ぶっとばしていきましょう!」と煽るあらき。間奏では、お立ち台に足をかけ、身体を折りたたむように揺らす。

「初めての配信ライブ、初めての無観客ライブ。今日は初めてだらけなんですよ。絶対にどう考えてもめでたい日ですから、初めてを追求していきましょう!」とポジティブ全開なあらきが熱視線を送ったのは、ギタリストでありマニピュレーターでもあるKung-fu-jumperのギターだ。「ライブで初めてギター&ボーカルやってみましょうか。曲も初めての曲ですよ!」とワクワクさせて、国内外で幅広いアーティストにカバーされている「はじめてのチュウ」へ。バンドメンバーとアイコンタクトもしつつ、ギターを弾きながら歌う姿は初めてとは思えないほど板についている。

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「ギター&ボーカル楽しいね! 12、3年ぶりにやりましたよ」と、少年のような笑顔を見せたあらき。「このご時世、先行きが見えなかったりもするけど、今この瞬間だけはなんでもいいや」という言葉に続いたのは、明るい曲調の中に病み気味な歌詞をしのばせた「い~やい~やい~や」だ。リズミカルに歌いながら、<い~やい~やい~や>というキラーフレーズを繰り返して、軽いステップを踏んだり、跳ねたり。あらきのズバ抜けた歌力は、多彩な表情を持ってもいるのだ。

「みなさん、早いもので次が最後の曲になりました。本来であれば「えー!」という声が上がるんだろうけど、それがないのも配信ライブならではということで(笑)。次の曲は、このツアーのために作った、本日唯一のオリジナル曲です。画面の向こうのみなさんも、よければ一緒に歌ってください」

ラストナンバーは、2020年6月17日に動画投稿もされた、あらき作詞・作曲の「Ark」。過去と未来を、あらきとファンをしっかりと繋ぐドラマティックなナンバーだ。あらきとバンドメンバーだけでなく、画面の向こうでもひとりひとりが声を重ねたであろう、とてもとても美しいコーラスパート。同じ場所に集まり、この楽曲をみんなで歌える日がまた来ますように。そう願わずにはいられなかった。

フリートークの様子

フリートークの様子

あらき

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ライブ後には、あらきとバンドメンバーがしっかり距離を開け、マスク姿で楽しくフリートーク。「自粛期間のおすすめの過ごし方」「コロナの心配がなくなったらなにをしたいですか?」「あらきさんとの出会い、第一印象と今の違いは?」など、様々なトークテーマで和やかに言葉をかけ合う5人の姿も、ファンにとってはうれしいプレゼントとなったはずだ。最後に届けられたあらきからのメッセージは、以下に記しておこう。

「今回のライブのサブタイトル“iki ni kanzu”は、“人生意気に感ず”という故事成語からとったもので、利害や損得ではなく相手の心意気に打たれて行動するものだ、という意味。僕たちなりの心意気がちょっとでもみなさんに伝わっていればうれしいです。それでは、必ずまた会いましょう!」


文=杉江優花 撮影=小松陽祐(ODD JOB)

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