May'nは音楽で自宅をライブ会場に変化させる魔法使いだ 5ヶ月連続配信ライブ「1 to 5 -DANCE-」レポート

2021/02/26

2021.02.23.(Tue)May’n 15th Anniversary Monthly Concert「1 to 5 -DANCE-」for Streaming+

「お家で見てくれている人も電車で揺られている人もあなたのところに魔法が届きますように!」

曲入り前に叫んだMay'nの言葉通り、音楽の魔法にかけられた約90分のステージだった。どんな場所にいても、どんな風に過ごしていても、歌声ひとつでその場をライブ会場に変化させてしまう魔法だ。彼女の歌声は次元を超えて胸の中に響いてきて、その音がずっと鳴り止まない。そんな力を歌声に秘めているアーティストだ。

アーティストデビュー15周年を記念したライブ『May’n 15th Anniversary Monthly Concert「1 to 5 -DANCE-」』が2月23日に開催された。本公演は5ヶ月連続で開催され、「POP」「DANCE」「ROCK」「ACOUSTIC」「MUSIC」と毎月異なるコンセプトを立て、May’nの様々な歌声を楽しめるのが魅力のライブとなっている。今回は「DANCE」がコンセプトとなる。


撮影:平野哲郎

撮影:平野哲郎

定刻となるとダンサーのもみとMITSUと共に今回のライブのテーマカラーであるオレンジ色の衣装に身を包みMay’nが登場。軽快なディスコナンバー「Disco☆Galaxxxy」からライブがスタート。「みんなおうちでも一緒にダンスしてね!」というMay’nの呼びかけと歌唱中にカメラへ向かって無邪気に笑顔を送ってくれる姿からライブが出来ること自体が楽しくてしょうがないという気持ちが画面越しにひしひしと伝わり、こちらも一緒に嬉しくなってしまう。

そんな気持ちが高まったまま「MOONWALKER」、「Get Ready!」と”DANCE”というコンセプトにぴったりなアップテンポなクラブナンバーが続いていく。どの楽曲も歌うことが久々だったため、「(踊っていて)コメント打つ暇がない!」という書き込みで溢れるという不思議な盛り上がりを見せていた。どちらの楽曲も一緒に踊れるような振り付けが多く、思わず画面前で踊ってしまった人も多いのではないだろうか。

撮影:平野哲郎

撮影:平野哲郎

オンラインだから引きの画でも楽しめること。広いステージでは中々引き出せない個の良さを引き出すこと。これを意識したステージ演出を組んだことを明かしたMay’n。その言葉通り、「MOONWALKER」ではダンサーと共にぴったりと息の合ったパフォーマンスを披露したかと思いきや、「Get Ready!」でダンサーだけが敢えて抜かれる画や、小芝居などを挟んで楽しませてくれるなど様々な構成で私たちを楽しませてくれた。また、カメラワークを意識して曲のキメで様々な表情を魅せてくれることも忘れない。彼女と目線が合うたび、現場さながら「目があってしまった!」と思わず気分が高揚してしまった。

MCを挟んで「pink monsoon」で先ほどの陽気なノリとは一変したセクシーな表情で空気を変化させる。アニメ『マクロスF』のシェリル・ノームを彷彿とさせるピンク色の光るステッキを使用したもみとMITSUのクールなダンスがさらにステージへと意識を引き込む。その真ん中でマイクを妖艶に掴み、指の先まで神経を行き届かせた丁寧な表現でセクシーな大人の魅力を魅せつけ、見る人を虜にしてしまった。

撮影:平野哲郎

撮影:平野哲郎

その勢いを止めないまま「Dear YES><NO」へと突入。こちらはクールな大人の魅力で虜にしてくれた楽曲だ。力強く歌うパートと優しく歌うパートの切替、そして目線の使い方に何度もハッとさせられる。このままダンスナンバーが続くのかと思いきや「妖精」へ。「DANCE」といってもただアップテンポな曲だけではない。様々な形や幅があることを提示してくれ、観客を楽しませてくれる。

MCで語ったのは「DANCE」は踊りたくなる曲という意味でもあるが、シンセサイザーをメインで使用した楽曲を中心に構成したということだ。いつもはバンドセットのライブが多いため、歌唱する機会が減っていた楽曲を配信とテーマで括れたからこそ披露したいと思ったと明かしてくれた。

ライブ中盤では、配信である強みを生かした演出で楽しませてくれるステージが続いていった。愛猫・むぅちゃんのおもちゃを探しにホームセンターに行った時に見つけたというオレンジ色のステッキを取り出して私たちに魔法をかけ始まったのは「M-Revolution」。カラフルな照明の中、ステッキを楽しそうにクルクルと回しながら歌う姿を見ていると思わず気分が晴れてくる。

そんな和やかなムードの中続いた「Happiness」ではソファーが登場。ソファーへ寄りかかりながら歌う姿は、カメラワークも相まってまるで私たちの隣にMay’nが座り、優しくエールを送ってくれているかのようだ。自分一人だけに語りかけてくるように歌う姿を見ているこの瞬間はとても特別な時間となった。そんな心癒される演出もあれば、次曲の中林芽依のカバー楽曲「Fallin' in or Not -May'n ver.-」では、スタッフブースをMay’nが練り歩き、ステージから見ている景色を私たちに共有しながら共にライブを創り上げている仲間を無邪気に紹介してくれる。

ライブ後半には、タオル曲「XYZ」の振り付けを紹介し「簡単だからいけるでしょう!」とすぐに楽曲へ突入。きっと視聴者もそれぞれの場所でタオルを回しながら楽しんだはずだ。そんなアップテンポの楽曲から雰囲気がガラッと変わり、スモークに包まれながら歌い始めたのは「禁断のエリクシア」だ。床位置での妖艶なダンス、曲の節目で画面を鋭い視線におもわず息を呑む。配信だからできたカメラワークを駆使してダンサーと共に3人で楽曲の世界観を表現した。「Scarlet Ballet」では、スカーレット色の照明に照らされ身体全体を使い力強く楽曲を歌い切り、そのまま加速して「Chase the world」と繋げて一気に畳み掛けた。

撮影:平野哲郎

撮影:平野哲郎

「オンラインライブをやればやるほどみんなが恋しくなる」

歌っていく中でこれまでのライブの思い出が蘇り、私たちに会いたい気持ちが高まってくると語ったMay’n。だが、オンラインライブを毎月やっていく中で、こんな状況でも毎月歌声を届けていける環境があること自体が特別だと感じるようになったと明かす。

彼女にとってライブはとても特別なものだ。「ライブをメインにやってきたのにできないなんて……」とネガティブな気持ちになったと正直な思いを打ち明ける。だが、コロナ禍となり、日常の在り方がガラッと変わってしまってから約1年が経った今だからこそ思うという「音楽に生かされている」という素直な想いを感じながら、逆に新しい出会いが増えるチャンスだと捉えて、オンラインでしか出来ないことを考えていこうとポジティブな気持ちに切り替えれたことを「音楽のおかげ」だと語る。「どんな明日も未来も変えていけます、自分たちの手で掴んで行きましょう!」と呼びかけ「Shine A Light」を歌い上げる。<私はここにいるわ あなたの道を照らすの>という歌詞の通り、私たちの暗くなった心を音楽という魔法をかけて晴れやかにしてくれるMay’n。

撮影:平野哲郎

撮影:平野哲郎

その後は本ライブで恒例となりつつある本番前に録音した自作自演の「部長コール」のアンコールが始まる。今回のライブ「DANCE」はこれで終わりとなるが、アーカイブも残され、『1 to 5』は来月も開催されるため、まだまだ続いていくという想いを込めて「CAN NOT STOP」でライブを締め括った。こんな時だからこそ希望を持って挑戦したいというMay’nの想いが詰まったステージだった。

レポート・文:波多野彩花 撮影:平野哲郎

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