« 前へ| レビュー一覧へ (1/4) |次へ »
Space_babyさんのレビュー
B’z LIVE-GYM 2025 -FYOP- に参加して、今回は特に音楽的な完成度の高さが強く印象に残りました。開演して最初に感じたのは、バンド全体のアンサンブルの密度です。リズムセクションの立ち上がりが非常にタイトで、1曲目からグルーヴが安定していて、音の芯がぶれない感覚がありました。その土台があるからこそ、ギターやボーカルが思い切り前に出てこられるのだと実感しました。
FYOPの楽曲は、スタジオ音源では構築的でクールな印象を受けていましたが、ライブではダイナミックで振れ幅が大きく、どの楽曲も展開が非常にドラマチックに感じられました。バンドの間の使い方が巧みで、音数を減らした瞬間の緊張感と、フルバンドで一気に押し出すサビとのコントラストが明確でした。結果として、楽曲の構造そのものがより立体的に浮かび上がってきたように思います。
稲葉さんのボーカルは、単純な声量や高音の凄さ以上に、ピッチの安定感とフレージングの巧みさが際立っていました。ロングトーンでも音程がほとんど揺れず、言葉のニュアンスがはっきり伝わってきます。リズム感もロックミュージシャンの最高峰であり常に正確で、少し前ノリになる部分や、あえてタメを作る箇所がクリアーで、バンドのグルーヴをさらに引き締めていました。
松本さんのギターは、相変わらず音色の説得力が抜群でした。歪みの質感は太いのに輪郭がはっきりしていて、ミックスされても埋もれない存在感があります。リフでは楽曲の推進力を担い、ソロではスケールアウトを抑えつつも、チョーキングやビブラートで強烈な感情表現を加えてくる。その結果、テクニカルでありながら歌心を失わない、非常にB’zらしいギタープレイだと改めて感じました。
サポートメンバーも含めたバンド全体のバランスは非常に良く、特に新曲に多かったリズムチェンジやテンポ感の切り替えが多い曲でも、アンサンブルが崩れる瞬間はほとんどありませんでした。うねりのようなグルーヴがありながら、全体としては驚くほど精度が高く、メンバーの長年のライブ経験がそのまま音に表れている印象でした。
音響面では座席によっては東京ドーム特有の音のこもりや残響があったのは事実ですが、低域から高域までレンジのバランスは比較的良く、特に中域がしっかり出ていたため、ボーカルとギターの存在感が明確でした。そのおかげで、単なる大音量ではなく、音楽としての輪郭を保ったまま楽しめたのは大きな発見でした。
また、見たこともない巨大なLEDスクリーンは新機軸でした。その性能を存分に生かした演出は語り継がれると思います。大会場ならではのさまざまな特効やギミックもとても印象に残りました。
ライブを通して感じたのは、B’zが演出に頼ってただ勢いで押し切るロックバンドではなく、楽曲構成、アレンジ、演奏技術のすべてを高いレベルで非常に高い水準をコントロールしているという事実を改めて思い知りました。B’z LIVE-GYM 2025 -FYOP- は、感情だけでなく、音楽そのものを深く味わえるライブで、演奏を「聴きに行く」価値を改めて実感させてくれる公演だったと思います。
- いいね! 5
- コメント 0
- 2025/12/21 (日) 21:56
« 前へ| レビュー一覧へ (1/4) |次へ »
















