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石田洋介

MOSAIQUEリリースツアー

2017/06/24 (土) 19:00 開演 @Live Bar DUTCH (大阪府)

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うのじ。さんのレビュー

昨夏以来のDutch。ハコもjunさんも変わらず、愉快であった。
Ducthは二度目。ハコの空気は熱いし、それでいていいゆるやかさがあるし、メシもの旨いし(こいもの唐揚げが美味しくて、思わずおかわりした)、実に居心地がいい。
大阪・名古屋では石田さんへの歓迎ぶりがすごい。東京にはない独特の熱さだ。
待ってたんだ!!って客席全体が大きく揺れている。その空気も含めての居心地の良さなのだろうと思う。

石田さんとあんなちゃんはもう10年以上の、あんなちゃんがまだ10代のころからのお付き合い。
いいな、と思うのは、そこに馴れ合いがなく、あんなちゃんに石田さんへの信頼と尊敬、リスペクトの精神が溢れているのが伝わること。なんでも石田さんとのライブのときは下着を上下揃えてくるそうで(普段は揃ってないこともあるのに・笑…そして、このネタは昨夏も話してたなあ…)、それはまあ冗談だとしても、そんなことをフランクに話せるくらいふたりの関係性がいいものだ、ということだ。

そのことは、音でもわかる。

ふたりで開演前にご飯を食べに行って「サングリアとビールをもう飲んできた」というご機嫌な石田洋介氏。
前日のSHOJIMARUはキープロも含めメンバーは全て男性、キープロの音がハードで厚かった分、客席もそういう音を求める空気があって、野郎感とラフさとワイルドさと、いくばくかの緊迫感があったライブだったが、この夜は、あんなちゃんというかわいい女性と一緒、客席はほとんどが石田さんもよく知っている顔、客席の空気そのものがまるで違って、石田さんはフランクでフラットでフリーだった。

まるで自分の家にいるみたいに。自由に息をしていた。

セットリストもMOSAIQUEの宣伝しなくちゃと言いつつも、つきあいの長いあんなちゃんと一緒とあってか、古い曲も多めであった。
前日のSHOJIMARUでの3ピースと異なり、この夜は、カホンあるいはタンバリンと、石田さんのギターのみ。
しかし、だからといって音が薄いなんてことはない。
あんなちゃんがカホンで、頭の拍を強めに叩く。そのカーンと抜けた音で、曲の拍子をグッツと掴んで、アグレッシブに曲をリードしていく。
気持ちのいい音。
石田さんも気持ちよさそうだった。

コーラスも時折やらされていて「ひーっ!」って顔していたけれど、「なんでもできるんですよ、うちのあんな隊員は」と石田さん、笑ってた。鬼だ。(ところで、あんなちゃんはアンヌ隊員を知っているのだろうか)

「ライブハウス」ではあんなちゃんのカホンが冴え渡っていた。
この曲はサビの「ライブハウスで知ったのさ」のシンコペーションで入ってくるビートが強く心をせり立てるようなところがある。パーカッション、重要で、あんなちゃんの突き抜けるような音が身体に響いた。
おいしいものを食べよう」ではタンバリンに持ち替えて、これもご機嫌に。実にシャープだな、と思う。
石田さんは最後のギターフレーズをまたちょっともにょって、思わず「まぁた、うまくいかなかった…」とぼっそり。そういうところも含めて楽しんでいる客席だった。

「僕はフォロワー」ではあんなちゃんはコーラスに入っていたが、しきりに照れくさそう。
「いきなり崩れるような君の笑顔」「空っぽの僕、犬とお散歩」と古い曲が続くのも、あんなちゃんだから、なのだろう。
「~犬とお散歩」では、ラストのフェイドアウトをあんなちゃんにもやらせる無茶ぶり。そういえば昨夏はひとちゃんにやらせていた。可愛い子に鬼対応の石田洋介。

あんなちゃんはとても表情が豊かで、歌詞を口ずさみながらカホンを叩いているうちにその歌詞を間違えたときがあって思わずペロッ!と舌を出したり、わからなくなると両手で顔を覆って身悶えしたり、見ているのがほんとうに楽しい。
なのに、音はガツッと空気を自ら掴んでいくような、かわいらしいとは真逆の強い音なのだから面白いことこのうえなかった。


「満天の星」はあんなちゃんに休憩を取ってもらい、石田洋介ひとりで。
ほぼエコーはかけず、生に近い声で。
ギターの音が粒だって聞こえた。
太い弦がブン、と響く。石田さんがこの曲を弾き語る時、この低音が心地よい。そして、ギターのみとは思えない音の広がりが生まれる。この夜は特にギターの響きが印象的だった。そしてそこに丁寧に言葉を載せていく石田さんの声の豊かさが。
実は、星のあまんのふるさと、交野から、星のまち観光協会の皆様が大勢ライブに来ていたのだが、それゆえか、客席との強い交感があって特別な空気を作っていたと思う。

後半は、選曲が怒涛であった。
「僕らは友達」でぱんぱんの観客に大汗をかかせ、「ソウルシンガー」では狭いDucthをぎちぎちに自分の声でいっぱいにする。
前夜のSHOJIMARUよりも明るく、ラフに、自由に。
観客の歓声も、段違いに明るかった。
石田さんの歌うソウルシンガーにはいろんなカラーがあって、場所場所で違う。この日は、喜びの感覚の強いソウルシンガー。

「ハッピー・バースデイ」は、ジャマイカ!!感満載! 音がゆさゆさする。
あんなちゃんが途中、拍をちょっと見失って照れていたのがかわいかったが、つかんだあとの集中力のすごさの方が忘れがたい。

「PUZZLE」からの「ふたりの屋根」はこのところお気に入りの流れのようだ。
途中、冗談のように、前方をアリーナ、後方をスタンドにする、と言い出して、またさすが大阪!と思ったのだが、後方のお客さんがスタンドー!!と煽る石田さんに、拍遅れでイエー!!と、練習もしていないのにぴったりのタイミングでディレイしてみせたのは素晴らしかった!!

そして、普段はやらない入れごとがちょいちょい入ってくるな、と思っていたところへ、まさかのラストのスキャットをコール&レスポンスさせるという…ちょっと笑ったけれども、そんなフリーダムさが後半は随所に溢れていて実に楽しかった。

ラスト「アイタイ」はもう、全員有無を言わさずアイタイコール満載で。
石田さんも大汗を掻いていたし、客も大汗を掻いて、思い切り歌っていた。

アンコールがすぐさまかかって、最後にMOSAIQUEからの曲…じゃないんですけどね、と笑いながら、「頑張れって言葉が嫌いな君に僕は問いかける」。明るいカホンとシンバルの音がとてもよかった! あんなちゃんも楽しそうだった。

ラストは「こもりうた」をひとりで。
「自分が曲を書くのは結局は、自分のわがままだ」と言う。「もちろん、依頼されて書くときは心を込めて丁寧に書きますけど!」と笑いつつ「作って、歌うも歌わないも自分の自由」。
「こもりうた」を作っているときに何を思っていたのかはもう定かではないけれど、歌詞が全部ひらがなで書かれてるのは、子どもにも伝えたかったのかもしれない。
「これはおそらく曲を書く人はみんなそうだと思うんだけど、一生に一曲でいいから、永く歌い継がれる、スタンダードを作りたい、と思っている。もしかしたら、この歌はそんなスタンダードになれると思って書いたのかもしれないです」

そして、やさしく、やさしく歌った。
熱気に溢れたDutchの空気を鎮めるように。
とても、やさしく。

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  • 2017/06/29 (木) 15:16

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