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中川就登 @ 渋谷Body & Soul(東京都)

2026/02/28 (土) 19:30開演

中川就登さんの初ソロ・ライブに行ってきました。ピアノは中川就登さん、ベース納浩一さん、ドラム高橋信之介さんから成るトリオ編成。 静かな期待が満ちるなか、一曲目の美しい和音と繊細な響き(「Passing on」)から幕が開きました。軽やかでリズミカルでありながら、どこか淋しくも走り出すような、勇気ある感情を呼び起こす音色。ふと足元に目を向ければ、就登くんの左足が踊るように自在にリズムを刻んでいました。個々の音が重なり、三つのパートはやがて溶け合い、ひとつの大きな「波」へと変わっていくようでした。 続く二曲目、「Just a flower」。流れるような、春の訪れを予感させる優しく美しい旋律。 自然に口ずさむような軽快さで、指先から繰り出されるメロディには心が震えました。聴いていると、光あふれる陽だまりのような温かなイメージが広がります。演者たちのアイコンタクトもしっかりと、ベースの音がピアノとドラムの間に寄り添い、音程とリズムの「影」となって両者を繋いでいく。その調和が美しかったです。 三曲目の「Lucky Boy」は、軽やかな足取りを思い起こすような曲調。ベースの音が街の地図を描くように先導し、その上をピアノが心模様を細やかに描写していくかのよう。音楽が進むにつれ、心象風景の空が伸びやかに広がっていくのを感じました。 そして、ミステリアスなベースの響きに誘われ始まったのは、あの名曲「RYDEEN」。 繊細な和音と細やかな震えを纏い、ゆったりとした時間のなかで旋律が舞います。「こう来るか」と思わせる遊び心たっぷりの余白。そこにゲストの本田雅人さんのサックスが登場しました。冴えわたるメロディを、ピアノが喜びをもって迎え入れ、つややかに包み込む。それはまるで、私のなかに浮かぶ思考の軌跡を、音が優しくなぞってくれるかのようでした。 「You move」では一変して、ラテン的な熱を帯びたアップテンポ。本田さんがサックスをフルートに持ち替えると、情熱的な深紅のバラが咲き誇るような、鮮やかなイメージが浮かびます。駆け上がるようなピアノの和音に、胸が高鳴りました。 次は、ピアノ・ソロによる「Empty」。 やさしく、どこか懐かしい響き。揺れるさざ波のような旋律が、クレッシェンドと共に広がりを見せていく。それは木漏れ日のようでもあり、あるいは水平線の向こうへと続いていく遠い海へ、広い場所へと解き放たれるような開放感ある展開でした。 第一部の締めくくりは、「Midnight in Tokyo」。 力強い音から感じるうねりの中で、私はあることに気づかされました。 これは、ここから人生が二倍にも三倍にも広がっていく、若いひとの放つ音なのだと。 その瑞々しいエネルギーに、これからの希望を感じました。 休憩を終え、第二部の幕開けは「Bourbon Street Parade」。 マーチ調のドラムが鳴り響くなか、中川就登さんのお祖父様であり、日本ジャズ界の重鎮であるトランペッター・中川善弘氏が登場。トランペットの勇壮な響きのみならず、その身の引き締まるような歌声は会場の空気を一気に引きつけ、続くスキャットへの鮮やかな切り替えもお見事でした。 その熱量のまま「When the Saints Go Marching In(聖者の行進)」へ。 スウィングするリズムに乗って、会場は古き良きアメリカ・ジャズの黄金期を彷彿とさせる悦びに満たされていきます。 しかし、音楽の旅は次の「Pursuit」で一転。都会的で洗練された旋律が走り出し、本田さんが再登場。スリリングで冴えわたるセッションが繰り広げられました。 そして、アレンジが何とも秀逸な「Akatombo(赤とんぼ)」。 ここでふっと本田さんが手にしたのは、リコーダーでした。だが、そのシンプルな楽器からひとたび音が放たれれば、その切れ味は一般の「リコーダー」のイメージを根底から覆すもので……。同じ楽器とは思えないほどの曲芸的な技巧、そして箇所によってはフルートを思わせるような柔らかな音色の幅。 本田さんの圧倒的な演奏技術が、一段と際立っていました。 色彩ゆたかな夕焼けのイメージ、日没の味わい深い時間を、これ以上ないほど豊かに魅せてもらう響きでした。 続いては、うねるようなグルーヴが心地よい「Megalith(メガリス)」。 この曲を演奏している時の就登さんは、本当に楽しそうでした。この曲の作り手でもある本田さんのほうを向いて深く頷き、のびのびと、自らの内に秘めた様々な「手札」を次々と出していく。共演を通じ、この楽曲に対する深い愛が客席まで真っ直ぐに伝わってきました。 本編最後は、デキシースタイルの「On the Sunny Side of the Street」。 ボーカルに寄り添うサックスの音色を聴きながら、管楽器というものはこれほどまでに「歌」に近く、まるで会話をしているかのような親密さを持っているのだと改めて感じ入りました。 鳴り止まない拍手に応えたアンコールは、再びの「Midnight in Tokyo」。 第一部での熱量とはまた違う、しっとりとした、どこか心地よい響きでした。 全編を通して、音の一つひとつに深く集中して耳を傾けることで、いつの間にか私の心は、日常の耳障りな雑音から清らかに洗い流されていて。会場を後にする私の内側には、豊かな余韻が残りました。 大変すばらしい演奏を、ありがとうございました。 中川就登さんのこれからのご活動、続きが楽しみです。

角松敏生さんの、東京での、2025年年末公演に行ってきました。 今年の締めくくりにふさわしい、驚きと感動に満ちたステージでした。 ーーーーー さて。最初のご登場は、なんと全身ピンクのジャージ姿。幅広い表情をもつ彼の意外性で、これが今回の最初のサプライズ(笑)。MCでは「今日は最初にまとめて話して、あとは歌を中心に」と語り、この5年間で5枚のアルバムを出せたこと、そしてMILADのことなどを振り返る、なごやかな時間が流れた。 やがて暗転し、聞き覚えのない overture が響き始める。これは、新曲の一部だろうかと期待が高まる中、懐かしい、お馴染みの曲に続いていく。 ステージの中央に再び現れたのは、スーツにサングラスを決めた“さっきとは完全に別モード”の角松敏生。これが二度目のサプライズだった(^^)/。 ダンサーたちが音楽に合わせて舞い、客席は一気に熱を帯びる。紙飛行機の不時着防止のために設置された両サイドのネットは、思いがけずダンサーの影を映し出すスクリーンのような効果を生み、二階席からはその影がドラマティックに見えた。 ステージ上にはLEDの三面スクリーンが構え、映像とダンスが融合して視覚的な華やかさを増幅。 都会の夜を思わせる雰囲気の中、 I can give you my love → I can’t stop the night → Domino City → Slave of media と旧作・新作が滑らかにつながり、角松さんの歌声は2階席まで朗々と響き渡った。昔の曲も、今の彼が歌うと大人の落ち着きと都市の躍動が同居し、より深みを増しているように感じられた。ドラムの力強いリズム、切れ味のあるギターやベース、彩りを添えるコーラス、そしてダンサーの動きが一体となり、音楽の世界が立体的に迫ってくる。 「この街を抜け出そう」という歌詞に心が連れていかれるような感覚のあと、空気がふっと落ち着き、バラードタイムへ。 I can’t ever change your love for me → August Rain → 花瓶 と続き、特に「花瓶」では、亡き盟友・小林信吾さんによるオーケストラアレンジのマルチトラックデータが残っていたこと、そして昨年急逝した中山美穂さんへの敬意が語られた。角松さん自身の死生観にも触れ、「最後は平等だが、その形は平等ではない」という言葉が胸に残る。曲中の主人公の行動が賛否を呼ぶ「花瓶」の世界へ、静かに深く誘われるような時間だった。 その余韻の中で行われたメンバー紹介は、年末らしく丁寧で、長年の信頼関係や、彼らの高い技術と柔軟性があらためて感じられた。角松さんは「上手なひとたち」とひとことで紹介したが、その言葉以上の敬意とあたたかさがにじんでいた。 続く「IZUMO」「NOA」では楽器による演奏部分の魅力が際立ち、その次の2つも、コーラスの二人とのデュエット曲を披露。彼女たちが元々優秀なヴォーカリストであることを活かしたステージングが、音楽の幅をさらに広げた。 季節感を添えるように「Turn on your lights」で冬の澄んだ光を感じさせ、青い星の海のような会場が徐々に踊り出す。 Paradise in your eyes → We’re dancers では、年齢を重ねても夢やときめきを忘れない世界が広がり、ダンサーの若々しい動きが視覚的な熱量を加えた。踊るもよし、ステージ上のダンサーの美しさを堪能するもよし。楽しみ方の選択肢が増えたステージだった。 クライマックスに向けたメドレーは、今年を締めくくるにふさわしいダンサブルな構成。 全体として、MILADの舞踊的要素も凝縮され、来年6月の45周年記念公演を予告するような“いいとこどり”の内容だった。角松敏生というアーティストの幅広く豊かな活動が、3時間にぎゅっと詰まった濃密な公演。 来年に向けて注目度があがっているせいか、実は私の体験としては、今回のチケットは取りにくく苦戦したが、この公演は、その苦労をはるかに上回る価値があった。深く心を震わせる音楽とステージ。 今年も素晴らしい音楽を届けてくれたことへの感謝と、来年への期待が自然と湧き上がる夜となった。 ――――― 角松さん、じゅうぶんに心あたたまる楽しい夜をありがとうございました。

角松敏生さんの「お前らと俺」。桶川ほか2か所の公演を聴いてきました。私は彼のライブから遠ざかっていた時期があるので2015年ごろから始まったというこのスタイルの企画で聴くのは初めてでした。 来年6月の45周年記念アリーナに向けて、そのアナウンスを兼ねて、少人数編成+コンピュータで、普段のフルスペックのバンドツアーでは行ききれない地域会場をまわるという位置づけの企画でもあります。 ・・・ちなみに、男気を感じさせつつもちょっと気になるこのツアータイトルは、誤解のないように説明しておくと、「お前ら」は舞台上の参加ミュージシャン(角松さん側の仲間・ほか3名、、ベース山内薫さん、キーボード中川就登さん、ギター鈴木英俊さん)のことだそうです。前回はキーボード奏者1人が付いて回ったので、「お前(1人)と俺」だったわけですね。 開演するとさっそく「すこし特殊なコンセプトのライブなので、」と角松さん御本人からの前口上がありました。まあ20分くらい、とっくり(^^)。このボリュームは音楽録音技術史のミニ講義ですが、今回ここが、なかなか重要なポイントなのです。 (あくまでも わたしの復習のためにまとめると 念を入れて複数個所を聴き、確認しましたが・・・あと、コンセプト説明的には、以下、内容に言及しますので、知りたくないかたは、くれぐれも読むのをここで自制してください) このお話の時間は、 「こういうの知っておくと、このライブも、より楽しく聴けるよ!」という角松さんのご意向があって、 あえて音楽の普及がレコード(録音著作物)主導であった時代に立ち返って、多重録音(マルチトラックレコーディング)のしくみや意味を説明します、というものです。 録音技術の進歩がアーティストの表現の幅を広げてきたという味わい深さも含みます。 ・・こういうことが技術的に可能なら、こういう作品も作ってみたいな、というような創作上、芸術表現上の刺激ですね。 楽器ごと、あるいはそれ以上に細かく分けられたマルチトラックデータの実際的な説明もあります。チャンネルごとに音質を調整したり、位置的な響きを調整したりといった作業が可能になっていること、そのために全体のバランスをとる総合的な編集作業が必要となったという制作工程の意味も説明がありました。数分の説明ながら、思わず通常レコーディングの様子を想像させられ、垣間見るような気分になります。 記録技術が発展を遂げた今の時代だからこそ、アルバムを創ってきた最上の演奏(ベストテイク)の記録データが、要素ごとに分けられたかたちで豊富に残されて(それは要素ごとの組み合わせが将来的に無限に創れる状態だということです)、やっと実現される今回の企画ライブだということが懇切丁寧にわかりました。 もちろん故人となった名うてのミュージシャンの演奏データが残っていてくれて、今も輝きを失わずに聴ける、というのも今回のステージの魅力のひとつです。 、、、といったお楽しみポイントを頭に入れたところで、あと2時間半ほどはデータと対峙し続ける名人たちの生演奏(これが演奏者側にとっては気を遣う大変な時間のようですが)が始まります。旧作の別バージョンが豊富に聴けるようで、楽しみかたはいろいろ、、なかなか聞けない曲をたっぷり含んだ今回の選曲も往年のファンにとっては嬉しいところ。今回も充実感で満たされることでしょう。 行くかどうか迷っていらっしゃる方には、チケットが手に入るようでしたら、一聴をおすすめします。 角松さんの音楽が、録音技術の歴史とともに歩んできたことを実感できるライブでした。懐かしさと新鮮さが同居する時間に、改めて音楽の力を感じました。 まだツアー中盤ですので、これからも楽しみにしています。 p.s. 客席側小道具(笑)持参状況について。 今回の選曲のなかには紙飛行機を飛ばすのはありません。 ライトは、ところどころで皆さまご自由に灯して、楽しくやっている感じです。

20日の公演を聴いてきました。感想を書きます。 開演は音から始まった。客席からの手拍子も心地よく響く。新しいアコースティックギターを持って角松氏が登場。一曲目「The Best of Love」は、力強い和音が雑味なくホール天井の中央から降りてくる印象を受けた。音の純度と熱量がこの大賀ホールならではのもの、と感じさせる。 この軽井沢での企画は、通常やっているライブ形態と違い、ホール特性を生かした構成になっている。選曲は昨年などとほとんど同じということだが、今年はストリングスをカルテットに展開した。角松敏生以外のメンバーは、ピアノ2台のBipod(友成好宏、森俊之)と、藤堂昌彦(Violin)、徳永友美(Violin)、金考珍(Viola)、稲本有彩(Cello)(※敬称略)。 「IZUMO」では空高く舞うようなストリングスが新鮮。グルーヴの強さが和音に宿り、ボーカルにも鬼気迫る緊張感と熱が宿る。「Rain man」のイントロに合わせた手拍子も全方向から響いていた。ピアノの繊細な響きが軽快さのなかにも、一人の孤独な心情をうつすようだった。 「TokyoTower」は都会の夜に潜む気配のような静けさが余白として感じられるアレンジ。ラップの部分を語るようにピアノソロが奏でられた。角松さんの歌声は艶やかで、哀しみさえやさしく包むようだった。 MCではこの大賀ホールコンサートを毎年夏17年続けてきたなか、ふと「山の歌がなかった」と気づく瞬間の柔らかいユーモアに客席がほころんだ。 「砂浜」「You're my shinin' star」では声の深さにも感じ入った。バラード2曲、音に身を委ね、想いをめぐらせる旅のような時間。 (先ほどの17年をふり返って)結婚で得た安定と、失われた自分だけの楽しみへの想いも語られ、義務の中に楽しみを見出す過程、傷みの共有が生んだ絆についても率直に触れられていた。最近はライブが楽しいと語った言葉が、そのすべてを照らしていたように思う。 「君が代」では渾身の歌が空気を静め、「氷の妖精」「リカー!!」では幻想と混乱がリズムの中に交錯する。スリリングなピアノと鋭く切り込むストリングスが空間を揺らし、心の振れ幅を豊かに奏でていた。 そしてアンコール。「No End Summer」では客席からの歌声を誘うような場面も。会場全体が音楽という魔法に包まれた、特別な夜だった。

角松敏生さんの2025年初夏のコンサートツアー、初日の立川ステージガーデンに行ってきました。 連休の谷間の平日、金曜日ということで会場は満員にはなりにくい状況でしたが、ライブ内容は、新譜「Forgotten shores」発売直後の高まった期待に見事こたえるものとなり、あいにくの大雨を越えて集まった客席の盛り上がりはひとしおでした。 おおむね、夏の海辺をテーマに構成された今回の選曲。 海へと誘うような気持ちを盛り上げる三曲ほどの後には、一転、都会の夜の輝きを思わせる華やかな踊れるナンバーが三曲ほど続き、バンドメンバーの卓越したソロプレイもそれぞれに堪能できました。テンションのあがったところで、ミディアムテンポの新曲「Beach road」をはさんで、しっとりと聞く「浜辺」の情景を描いたバラード三部作。余韻たっぷりに味わえました。 前半から後編への橋渡しには、趣向をこらしたバー仕立てのトークコーナー。 今ツアーでは、がんばる女性たちにエナジードリンクを提供するバーという設定で、バックボーカルの麻里ちゃん亜季緒ちゃんお二人にマスター(角松さん)が何やら解説付きで元気の出る効能のドリンクを勧めます。このバックボーカル二人の(とバンドメンバーの森さん、鈴木さんが支える)ユニット、まりあっきのCDが近々出る、ということでの一曲のオリジナルお披露目タイムもありました。 ステージ後半は、タイトルチューン「Forgotten shores」から、客席のマイライトが定着しつつある「Turn on your lights」。今回から二色目のピンクのライトが登場して、客席からの光に温かみが添えられました。つづいて最近の人気曲「Paradise in your eyes」の後は、新作旧作を取り混ぜて夏へ向かう気持ちの高まっていくような流れでした。 アンコールに該当する、「TSUYUAKE」から「WAになっておどろう」への会場の熱気あふれる流れは、今回の選曲の良さを誰もが特に楽しめる時間だったのではないでしょうか。そして紙飛行機が飛び交う時間とバラードでしめくくる時間。 心を、これからむかう夏に染め上げられるような、今年は特に、この時期にふさわしい内容のライブだとおもいます。 これから7月まで全国12箇所で13公演があるので、この夏の準備におすすめです(^^)/

角松敏生さんのインストゥルメンタル曲のツアー、首都圏の会場は、この3月末をもって休館するという50年の歴史をもった神奈川県民ホール(通称・カナケン)。 あいにく当日は、温かくなりはじめると不安定になってしまう春先の雨だったけれど、チケットは完売、3階までの約2500席が満員でした。終演のころには、週途中の平日ということを、皆がうっかり忘れてしまいそうな、特別な盛況ぶりだったと思います。 冒頭から6~7曲ほど連続で、怒涛のような勢いの構成。待ちかねたように立って踊る人も少なくない客席。今回は歌声ではなく、角松さん渾身のギターの音色に導かれ、引きこまれます。 インストは、聞く側としては集中して旋律に耳を傾けていると、楽器それぞれのパートを同じような比重で味わえるのも楽しいところ。各メンバーの鮮やかな演奏をじっくり聞ける、ソロの受け渡し部分などもまた秀逸でした。カッコいい音をふんだんに浴びる二時間半、堪能させていただきました。 角松さん御本人はレコーディング中の過密スケジュールで今日は万全のコンディションではないと言っていたものの、ホール全体を沸かせるだけの迫力はじゅうぶん。客席側も、歌ものを期待しすぎるわけでもなく(笑)インスト曲をメインに、熱く楽しむ人たちでいっぱいだったようです。 トークでは、たとえば、「飛翔」を作ったきっかけになった、昔の印象深い女性のエピソードも聞けました。旧作からは他に2曲※(合計3曲)が今ならではのアレンジで演奏され、客席でも誰もが若いころに見た夢を、今までの時間を通して思いうかべなおすかのような瞬間もあったのではないでしょうか(客席にはきっと、いま若いひとも若干いらしたかもしれないですが(^^;))。 翻って現在の、「年をとると、無駄な事ができなくなります」(いろいろと限られてきてやるべきことが見えてくる)という何とも深い含みのある気づきも語られました。これもまた客席でそれぞれが思うところのある内容だったかもしれませんね。 最後のほうに、角松さんからも神奈川県民ホールの終幕に思いを馳せるような深いお辞儀がひと呼吸ぶんくらいあり、そして公演終了後の会場アナウンスに付け加えられた「そして 神奈川県民ホール、ありがとうございました」の一節には、退場しかけた客席からも多くのひとがハッと振り返るような拍手が起こっていました。 様々な感動と感慨をいっぱい与えてくれた横浜の、思い出深い一夜になりました。角松さんにもバンドの皆さまにも、そして会場の神奈川県民ホールにも感謝もうしあげます。ありがとうございました。 ※追記:旧作からの今回公演インスト曲は、セットリストをご覧になると判ると思いますが、全体ではもっと多く数えると4曲くらい増えて7~8曲ありました。ここではちょっとマニアック(笑)に「今回特に準備された新アレンジ旧作」に着目した表現になっています。

角松敏生さんのインストゥルメンタルツアー、福岡の初日公演に行ってきました。 初日はおそらく設営にも苦慮されるのでしょう。開演予定17:30を8分ほど遅れて開始、終演は20:00ごろ(20:00すぎ?)でした。 今回は ギタリスト角松敏生、としての、インストゥルメンタル曲のアルバム「Tiny Scandal」発売を記念して決まった、福岡以外は東京(神奈川)、大阪の三か所の限定的なツアー。 2時間半ほどの間には、新しいアルバムのインストゥルメンタル曲中心に旧来のインストゥルメンタル曲も交え、終盤の4~5曲は、角松さんのボーカルも徐々に登場。歌ものも聴かせてくれました。 いずれも夏の眩しい光を早々と予感させる、明るさのある選曲だったかなと思います。 トークはこのツアーでは少なめということでしたが、角松さんにとって「ギターは僕の(音楽の、人生の)原点」といった話も聞けました。 以下私なりの、歌のない音楽の楽しみかた?ですが、最初に5~6曲連続で奏でられる曲が醸し出す、インストゥルメンタルの世界観に引きこまれると、バンドのそれぞれの楽器がそれぞれに冴えたインパクトを与え合っていることも味わいやすく、楽しみな部分が深くなってきます。(歌があると、聴く側としては、どうしても自然に人の声や言葉に意識が行きやすいので、今回は敢えてそれを目隠しし抑えめにしてみる感じでしょうかね) ライブならではのアレンジに新鮮さを感じ、スリリングな音の響きあいに、この場を共有している喜びが感じられるかのようでした。客席にも静かな熱気のある時間でした。 ちなみに、会場の福岡国際会議場はコンサート以外の目的にも使われる、やや横広の配席の1000人規模のホール。初夏5月から始まる、角松さんの次の新譜のツアーでは、7月の、新しい福岡市民会館での公演が千穐楽にもなるそうなので、「この倍の客席(2000人ほど)をぜひいっぱいにしたいです」と抱負を語り、客席からも多数の拍手が起きていました。 ※角松コンサート常連?のかたがたへ: 今回、紙飛行機は無しです。ライトは、該当曲はなしですが、客席でちらほら点けているかた、いらっしゃいました。

まず、説明しておくと、「独演会」という、このイベントは角松敏生さんのファンクラブ限定イベントです。入会しないと、まずチケットを買うことができず、入場時もFCの会員証や本人身分証の確認があります. 参加してみたいかたは入会を検討しましょう(^^)/。 基本的に角松さんの音楽作品や人柄までを理解した、角松さんを好きなひとたちだけが集まっている会ですので、その場の全員数百人が満足してあたたかく角松さんを応援する、その場ならでは、あるいはその場だけの話として、基本そんなには内容の記録をしない、あんまり口外しない、お互いにリラックスした安心できる雰囲気が特徴の場かな、とは思っています。またそういう前提で実施されていることが暗黙の了解な気がします。初めて参加されるかたはそこを楽しみにしつつ、同時に気をつけておいたほうがいいと思います。あくまでもいちファンにすぎない私の意見にすぎないかもしれませんが、ご注意ください。 またタイミング的には、これから初夏に発売予定の、新譜制作に取り組む角松さんを元気づける壮行会みたいな位置づけ、ともいえるかもしれません。 東京の独演会、夜の部拝聴しました。 角松さんは昼の部の公演後でお疲れだったかもしれませんが、お元気な姿を見れて嬉しかったです。トークはますますヒミツ度(笑)が濃く、人間らしさっていうかみんなで年をとってる親しみを感じました、今日のライブもとても良かったです。まだタイトルが決まってない新曲も、案募集?(笑)状態で聴かせてくださり、ありがとうございました。聞き手によってイメージも感想もさまざまだとは思いますが、私としては、初夏5月6月の陽射しの強くなる変わりめを感じるような日、もう一歩を踏み出すことを促すような明るい曲、って感じがしました。 いろいろ大変そうでしたが、ちょっとご自分もいたわりつつ、がんばっていただきたいです

角松敏生 @ Billboard Live TOKYO(東京都)

2024/10/25 (金) 18:00開演

横浜から始まり大阪をまわって戻ってきた、角松敏生さんの公演をビルボード東京に聴きに行ってきました。 「こなれた」とは噂でうかがっておりましたが、熟練のバンドメンバー皆さまのこと予想されたこととはいえ、予想以上にかっこいい演奏全開でした。 25日1stの様子や感想です (今回はあまり客観的な情報がない書き方ですが、流れ的にはほぼネタバレです。以下ご注意ください)。 今回は、入場後、そのままの流れでインストナンバーが三曲つづく構成。 Summer scenery、Flowing shiny hair、 Midtown 、、、が、この「東京ミッドタウン」で聞けるのは、ご当地サービスかな。 Evening Skylineはライブでは初登場の曲ということ。前3曲に比べてコーラスが加わると華やかさがあります。 続いて「Magic hour」からの歌ものへのコーナーが Wake up to the loveから始まる。 この曲の都会的な感じは、六本木のビルボードで聞くのに、いかにも相応しい。 客席のテンションも上がりだしたかのようで Power of Nightfallが来れば、音だけでなく、店内を巡るようにてらす照明も華やか。 客席も控えめながらも上体はリズムを取り出すようだった。 そしてTurn on your lights で窓を覆っていたカーテンが開き、幾つかの青いライトも(持参したひとは)ともり始める。 ときめきを増す、Paradise in your eyes, Magic hour と続く。 六本木の現在形の夜景をガラス越しに、暗い空にも抜けていきそうな、それぞれに冴えた音。素晴らしい。 ここで一旦ステージは終了し、退場。もちろんほどなくアンコールの手拍子でお呼び出し。 Sea Line 元祖ともいえるインストナンバーに再び聴き惚れるような演奏。 この日のデュエットナンバーは、亜季緒ちゃんとの、I'm gonna dance to break out of lonliness  ハロウィン仕様!ということでいっそう妖艶で陽気な感じが良かった。 最後に、アルバムタイトルナンバーの、Tiny scandal イメージされたのは、憂い、溶けるような色気、切なさ、哀しみ、でもそれらを受けとめている感じ。 なんだかこの日は前に聞いた初日(横浜)のときよりも、私には甘く聞こえたような、、。 サックスのソロを聴いて、なんとなく勇気も感じ、私としては、なんか(失敗しても)また明日もがんばろうかな、みたいな気持ちになったり。 この日も素敵な演奏をありがとうございました。 そしてメニュー違いの聴ける2ndでは、インスト部分と、歌もの部分も組み換えがあり、合わせて味わうといっそう満足感の増す構成でした。

中川就登さん、鈴木真明地さん、渡邉瑠菜さんの秀逸な若手トリオのコンサートが(すごくお得な価格設定の企画で)行われると聞いて、川崎まで足を伸ばしました。月一回の企画じたいが地元でも人気のようで、短い時間ながらも盛況でした。  最初の曲では鈴木真明地さんはタップダンスも交えてフレッシュさを披露。演奏と両方で忙しかったかもしれないけど、こちらからは元気な靴の裏まで見えて(笑)軽快さが楽しかったです。渡邉瑠菜さんのサックスの響きも、クラシック向けホールのせいか、ジャズを聴く場として多いライブハウスに比べ、ざわつくような反響がなく、スッと吸い込まれて味わうべきなようなところが際立ってくるような感じ。聞こえてくる音にすっきりした深みがありました。  中川就登さんのピアノもやっぱり凄くて。速さと繊細な力強さ、高音のみならず低音までもが豊かに響いてきて、シンフォニーホールの空間を目に見えない輝きで(目には見えないんですけど)キラキラさせていたような感じがしました。  初めて行ってみたけれど、ミューザ川崎のシンフォニーホールは、座席の床がステージを立体的に幾層も包み込むかのような設計で、前後のみならず座席横方向にも傾斜があることに気づきました。これはもしかして相当響きにこだわりのあるホールなのかと気になります。  今回演奏してくださった中で、特に私が印象的だと思った Moanin' はジャズの定番曲(たとえばEテレの「美の壺」なんかでもかかってる曲ですね)。だけど聴きなれたはずの曲だけに、独自の変化を工夫して生き生きと聴けると、このお三方の秘める力の凄さが、客席にも理解された機会だったような気がします。演奏後の客席からのいっそう大きな拍手が感動を伝えていました。 この若い凄腕さんたちの、これからのご活躍や今後の変化がますます楽しみです。

ビルボードライブ横浜の公演。初日通しで行ってまいりました。まず、(幾層かになっているビルボード東京に比べると)空間がひとまとまりで、なんだか同じ音楽や時間を共有してる感覚がより強い会場だとおもいました。 ツアーとしては、まだ始まったばかりですし、今回は新譜新曲のお披露目というフレッシュさを大事にしている機会でもありますので、いろいろネタバレしない程度に、全体の雰囲気のことを中心にご報告します。 1stはすこしウォーミングアップ的なところもあったけど、それはそれで貴重なライブならではのこと。思いがけないハプニングを乗り越えて、バンドの皆さま、おつかれさまでございました。2ndはそれも復旧して、もっと広い会場で聴いても遜色のない素敵な熱演を、濃密な環境で楽しめる機会でした。1st 2ndと通しで拝聴した私としては、大満足。楽器の音色により集中して聴くぶん、演者さまたちの絶妙なフレーズの受け渡し具合、重なり具合をより深く鑑賞でき、新しいメロディを探り辿りながらも、楽しい時間だったと思います。後半は今年出たアルバム「Magic Hour」からの歌ものも聴けます。 これから回を重ねるごとに練り、熟成されていくというライブならではの変化も期待できそうです。私としては(来週の大阪公演の週をはさんで)二週間後にまた、東京で聴けるときが楽しみです。 この秋の今回の企画は、同じ日の1stと2ndを続けて聴くと、1)12月中旬くらいまでには出る予定というインストの新アルバムに収録予定の全曲8つぶんが聴ける、あと、2)ほどよくシャキッと新鮮な1stと ほどよく酔っ払って(笑)こなれた客席の2ndとの ライブハウスならではの感じの違いも体感できます。楽しみかたも倍増する同日両公演予約がおすすめです。 そういえば、今回の「持ち物」ですが、「Turn on your lights」があるかもしれないので、スターリングライトをお持ちのかたは持って行かれたほうが良いかと。初日は点けるタイミングがありました。(ちなみに、今回は、紙飛行機は飛ばなさそうです)

(角松さんの企画としての)毎年恒例の春先の時期に大阪まで遠征することは、私の場合はまずできなさそうなので、今回の秋公演はチャンスと思い、聴いてきました。 (私にとって)初めて聴いたアロージャズオーケストラの音はメリハリが効いていて、ラテン系もしっとり系も、鮮やかな印象が残りました。曲中、ソロプレイを順番で聞かせる様子からも、メンバーの皆さまが仲良く和やかで、楽団としてのチームワークが良い感じでした。 角松さんゲストの第二部では、お馴染みの楽曲を、ブラスならではのドラマティックな冴えが効いたアレンジでたっぷり楽しむことができました。・・・なんかこう、聴いていて、揺れる心のきらめきが感じられる音でした。ビッグバンドであるぶん、昂揚する迫力と華やかさがあります。 もともと「アロージャズオーケストラの定期演奏会」の場ではあったため、客席は必ずしも角松さんのファンというわけではない状況でした(角松ファンも相当数で、多そうでしたが)。そのため、司会のかたが「ふだんの定期演奏会では考えられないようなことが起こります。」とほのめかしたり、いろいろな方が慎重に熱量に配慮しながら、(主催側の)「みなさまに楽しんでもらいたい」と願ってくれたお気持ちで、叶った一夜だったように思います。角松ファン定番曲のTake you to the sky high で舞ったたくさんの紙飛行機もステージを埋め、私も東京から行った甲斐を感じたというか、いっそうの大満足でした。 遅ればせながら、角松さんのBeyond the sea(カバー曲)が収録されている アロージャズオーケストラさんのCDを買いました。 以前からウェブ(アローさんのサイト)では見ていたのですが、会場の物販はやっぱり助かります。