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フェス特集2024

Coldplay のライブレビュー (4件)

Coldplay

Coldplay

コールドプレイ

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ロックオルタナティブ/パンク

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COLDPLAY『A HEAD FULL OF DREAMS TOUR』

2017/04/19 (水) 19:10出演 @ 東京ドーム(東京都)

ひらりさん

Coldplayのライブを観るのは2009年の来日公演以来。そのキャリアは当時よりますます輝かしいものに上書きされていて、今夜のパフォーマンスにも当然ながら期待が高まります。いざ入場すると、さっそくスタッフから発光型のリストバンドが手渡されました。5万人規模の光で埋めつくされる場内がどのような景色になるのか。2年前の「ポール・マッカートニー武道館公演」でこの演出に大いに感動した私は、自らの想像に興奮し、座席へ向かう足取りもつい早歩きに。ライトポール際の内野席はステージの右真横に位置し、主催者より「一部演出が見えづらい」との注釈がありましたが、全く問題無いですね。 オ-プニングは唐突に。照明が落ちないままMaria Callasが歌う"O mio babbino caro"が流れ、場内に荘厳な空気感が漂ったところで、今回のツアーで彼らが巡ってきた国々の地図と、カウントダウンの数字が巨大なスクリーンに映されます。そして、次第に大きくなる観衆の大歓声がゼロを数えたところで場内が暗転するという、なんともドラマチックな幕開けでした。 最新アルバムの名を冠したワールド・ツアーとあって、24曲中6曲はここからチョイスされていましたが、彼らの代表曲が万遍なく披露され、壮大なスケール感を持つ彼らの楽曲が巨大な会場に大きく広がっていく様が、本当に心地良く体全体を包み込んでくれるかのよう。ストリングス1本を弾いたときに鳴る音一つを聴いても、「これぞコールドプレイ」って音が随所に散りばめられていて、期待していたパフォーマンスを存分に堪能できました。ここに「光の洪水」とでも言うべき視覚面の演出が加わって、非日常の世界へ2時間もトリップさせられるのですから、終演後も現実世界に戻るまでには時間を要してしまいますよね。 そんな隙のない構成において、唯一大笑いしたのが新曲"All I Can Think About Is You"でのハプニング。歌い出しの際、なんとクリスがサブステージからマイクを持ってくるのを忘れてしまい、まさかのやり直しに。「これはシンガーにとってありえない、お願いだからYoutubeにあげないでー」って、焦っている姿は滑稽ながらもラブリーでした。 荒々しさとは無縁のロックを長年に渡って研ぎすましてきた彼ら。その集大成を余すところなく披露して、1夜限りの来日公演は幕を閉じました。これからも進化する音を私たちに届けてくれることでしょう。大いに期待しています。

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