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The XX

2018/02/11 (日) 19:10出演 @ 幕張メッセ イベントホール(千葉県)

ひらりさん

「音楽が人を幸せにする」ってこういうことなんだな。終演後、いまだに夢から覚めていないようで、フワフワする感覚が体から消えない素晴らしいライブでした。 憂いや内向性を特徴とする繊細で透き通った彼らのサウンドは、音数が少なく同時に音が出ている楽器は一つか二つであることがほとんど。奥行きが深い音はまるで遠くで鳴っているかのようで、浮遊感のあるギターや(女性的で柔らかなロミーと低くクールなオリバーの歌声による)ヴォーカルの組み合わせなどが、魅力溢れる唯一無二の世界観を展開しています。それらの独自性を崩さずに気分の高揚を誘う曲やビートの強い曲を増やした最新作では音楽の幅が広がり、識者たちからの評価を更に高めて迎えた来日公演。そりゃ「期待するな」というのが無理な話です。 果たして、今夜響いたサウンドは期待を遥かに上回るものでした。開演前に「ミニマルってジャンルが巨大な会場で大観衆をどうやって沸かせるの?」と疑問を呈していた友人ですら、1曲目から早々に目を閉じて気持ち良さそうに体を揺らしていたほど。一気に興奮を沸点に「アゲる」のではなく、ゆっくりと優しく気持ちを癒してくれるような音なのですが、決して聴く者をクールダウンさせず、じわじわと体の内側から熱くするとでも言おうか。この会場で鳴っている音こそが「世界中で一番気持ちいい音」なのだと、本気で思いながら至福の時を満喫した私なのでした。 代名詞のミニマルな楽曲だけでなく、ジェイミーのソロによるエッジの効いたダンスチューンは終盤の起爆剤として火種に撒かれたガソリンのように観衆の興奮を一気に炎上させ、ライブでのみ織り込まれる独特の「間」は音にタメを作って曲の魅力を高みへと導く。随所で彼らの持つ音楽的才能を感じられて、飽くことの無い時間の経過は本当にあっという間に思えました。スモークとライティングの幻想的な演出もステージの素晴らしさを増幅させる一助になり、肌で感じるライブの全てが美しい。私的リストである「また観たいライブ」に彼らのステージが加わったことは言うまでもありません。 パフォーマンス以外で印象深かったのは彼らの人間性について。 MCで自分の弱さを隠さず「僕は孤独から逃避できて自分自身を楽しむことができるライブが大好きなんだ。だからみんなも楽しんで」なんて話してしまうオリバー。ギター演奏をミスして「緊張しているの」とはにかんだロミー。決して多くを語る人たちではないけれど、日本のファンに最大の敬意を持ってパフォーマンスしていることが十分に伝わりました。 大トリとなった "Angels" の最後のワンフレーズの大合唱。これが今夜集った大観衆が彼らへ示した「回答」だったと思うな。ぜひまた日本に来て素敵なライブを演ってね。

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