ボブ・ディラン、フジロック降臨!各曲ごとの詳細ライヴレポート到着。そして、セットリストに基づくプレイリストが公開!

2018/07/30
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日本が誇る歴史あるFUJI ROCK FESTIVAL、苗場で開催されるようになってから20周年となる。その最終日となった2018年7月29日(日)、ロックの神様ボブ・ディランが遂にフジロックに降臨!ノーベル文学賞受賞後初、日本においては初来日から40周年、日本通算101回目の公演となるもので、初の日本のロック・フェスへの参戦となった(2016年の来日以来2年ぶり。野外ステージとしては1994年東大寺で行われたAONIYOSHI以来24年ぶり)。

ボブ・ディランの出演時間には他の会場では一切ライヴが行われないという異例の状況の中、夕暮れ迫るグリーンステージに定刻の18時50分よりやや早くボブ・ディランはステージに登場。オープニングはアカデミー賞歌曲賞受賞「シングス・ハヴ・チェンジド」。時折強い風が吹く中、ディランは髪をなびかせながらピアノ演奏とともに力強い歌声を聞かせてくれた。前回2016年の来日公演時はアメリカン・ソングブック的スタンダード・カバー曲中心のセットリストだったが、それらは今回は1曲も演奏されず、1960年代の曲を6曲、1970年代を2曲、1990年代3曲、2000年代3曲、2010年代2曲と各ディケイド・年代ごとにバランスよく選曲。前回の来日公演では60年代の曲は2曲だけだったが、「悲しきベイブ」「追憶のハイウェイ61」「くよくよするなよ」「廃墟の街」などの前回の来日公演で演奏されなかった60年代の名曲が名を連ね、近年ほとんど演奏されなかった70年代の超レア曲「マスターピース」(ザ・バンド『カフーツ』収録。ディラン自身は1971年『グレイテスト・ヒッツ第二集』に収録)も披露。今年のツアーでは毎回「やせっぽちのバラッド」がラスト・ソングだったが、フジロックではそれを入れ替え、名曲「風に吹かれて」で締めくくる、フェスを意識したロック色の強いセットリストになっていた。

直前の韓国ソウル公演でギターを久々に弾いたことが話題となっていたが、フジロックではギター弾かなかったものの、前回の来日で見せたようなステージのセンターに立ちソロ・ヴォーカルをとることが一度もなく、全曲ピアノで演奏。。更には、昨年から今年のツアーではほとんど見られなかったハーモニカ演奏も「メイク・ユー・フィール・ラヴ」「やせっぽちのバラッド」「風に吹かれて」の3曲で披露。ライヴの間は一言も発せず、「風に吹かれて」が終わると睨むように会場中を見回し、満足気な表情をみせながらボブ・ディランはフジロックのステージを後にした。アレンジや歌い方を変えて進化する曲の数々、フジロックでもいつものように「現在進行形ボブ・ディラン」の姿を見せつけてくれたが、近年海外ではほぼ許されていない「スクリーン映像」が奇跡的に許諾され、ほぼ定点でディランのみを映し続けてくれたそのおかげで、歌う表情、立ち姿、そして、時折見せる「笑顔」や「さりがないお辞儀」をしっかりと見とどけることができたのも非常に貴重な瞬間だった。

フジロックのあの美しく雄大な自然の中、野外のシチュエーションで聴く、ボブ・ディランのライヴ。ちょっと涼しい風が肌に触れ、草木の匂い、暮れゆく空の色と、素晴らしきバックバンドの見事な演奏に絡むディランの歌声、野外ライヴでしか味わえない独特の極上の体験。フジロックで、そんなボブ・ディランを体感すことができたすべての方々は本当に貴重な体験ができたのではないかと思う。

各曲ごとの詳細なレポートはこちら

ボブ・ディランの2018年のツアーは3月22日ポルトガルのリスボンを皮切りに始まり、スペイン、イタリア、スイス、ドイツ、オーストリア、チェコなど4月27日のイタリア、ヴェローナまで1st Leg26公演を行なった。2nd Legは7月27日~8月28日までアジア、オセアニア・ツアー15公演が発表となっており、7月27日韓国ソウルからスタートし、7月29日に日本のフジロックに出演。その後、8月2日台湾、8月4日香港、8月6日シンガポール、8月8日から28日までオーストラリア、ニュージーランドで公演が行われる。今後秋から年末にかけてUSツアーが予定されている。今年5月24日で77歳「喜寿」を迎えたボブ・ディラン。昨年2017年のツアーはトータル84公演、今年も同じくらいの公演を行なうと思われるので、いまだに1年の4分の1は世界中をツアーで回っている。まさに文字通りのNever Ending Tourとなっている。

また、この日のセットリストに基づく、楽曲のプレイリストが公開された。今後伝説として語り継がれるであろう、ボブ・ディランのフジロックで演奏された曲はなんなのか?ライヴに参加した人も、参加できなかった人もプレイリストでオリジナル曲を追体験してみるのはいかがだろう?


【Bob Dylan 2018/7/29 Fuji Rock Festival ‘18 Setlist】

1.Things Have Changed (Bob on Piano) /シングス・ハヴ・チェンジド (『Wonder Boys"(OST)』 2001)
2.It Ain't Me, Babe/悲しきベイブ(『アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン』1964)
3. Highway 61 Revisited/追憶のハイウェイ61 (『追憶のハイウェイ61』 1965)
4.Simple Twist Of Fate/運命のひとひねり (『血の轍』1975)
5.Duquesne Whistle/デューケイン・ホイッスル (『テンペスト』 2012)
6.When I Paint My Masterpiece/マスターピース (『グレイテスト・ヒッツ第2集』 1971)
7.Honest With Me/オネスト・ウイズ・ミー (『ラヴ・アンド・セフト』 2001)
8.Tryin' To Get To Heaven/トライン・トゥ・ゲット・トゥ・ヘヴン (『タイム・アウト・オブ・ マインド』 1997)
9.Don't Think Twice, It's All Right/くよくよするなよ (『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』 1963)
10.Thunder On The Mountain/サンダー・オン・ザ・マウンテン (『モダン・タイムズ』 2005)
11.Make You Feel My Love/メイク・ユー・フィール・マイ・ラヴ (『タイム・アウト・オブ・ マインド』 1997)
12.Early Roman Kings/アーリー・ローマン・キングズ (『テンペスト』 2012)
13.Desolation Row/廃墟の街  (『追憶のハイウェイ61』 1965)
14.Love Sick/ラヴ・シック (『タイム・アウト・オブ・ マインド』 1997)
15.Ballad Of A Thin Man/やせっぽちのバラッド (『追憶のハイウェイ61』 1965)
16.Blowin' In The Wind/風に吹かれて  (『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』 1963)

【配信リンク】
BOB DYLAN FUJI ROCK PLAYLIST

【商品情報】
<来日記念盤>
●ボブ・ディラン『ライヴ:1962-1966~追憶のレア・パフォーマンス』
●ボブ・ディラン『追憶のハイウェイ61』(ソニー・ミュージックグループ自社一貫生産アナログ・レコード洋楽第2弾 )

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