42年ぶりに火を噴くギター!鬼才シュギー・オーティス来日公演レポート

2013/04/02

Shuggie
Photo by Masanori Naruse

「ザ・ローリング・ストーンズやデヴィッド・ボウイからのツアー参加への誘いを断った」、「クインシー・ジョーンズからのプロデュースの申し出を断った」など、エピソードには事欠かない奇才として知られるギタリスト/シンガー・ソングライター、シュギー・オーティス。前回の来日が42年前、父親であるジョニー・オーティスのバンドのメンバーとしての米軍基地ツアーだったということだから、今回がほぼ“初”来日となる。当然、彼のステージを観たことがある日本人はほとんどいないので、「どんなライブになるのか」と開演前のオーディエンスに妙な緊張感が漂う。

シュギ―はオンタイムで、バンドと共に登場。ステージ上には合計8人が登る。息子のエリック(g)&弟のニック(ds)らオーティス・ファミリーを中心に、ベテラン・ベーシスト、ジェイムス・マニングらががっちりと脇を固め、サックス/フルート/トランペットのホーン・セクションが全体に華を添えるメンバー構成となっている。オープニングからいきなり1974年の名曲「Inspiration Information」を披露。その後は2013年4月24日に再発されるアルバム『Inspiration Information/Wings of Love』からの曲を次々に繰り出していく。

とにかく、全体の音量が大きい。大きいというよりもデカイ!おそらく会場のビルボードライブ東京の歴代のライブでも最大級の音量ではないだろうか。地を這うような重厚なベースをバックと分厚いホーン・セクションの上に、シュギーのエフェクトの効いたギターとパーカッシヴなキーボードが乗り、ロック/ブルース/ソウルを縦横無尽に“爆音”で奏でられていく。「Sweetest Thang」からはギターを持ち替えてブルース・タイムに。各パートがソロで見せ場を作っていく。シュギー自身もニュー・アルバムで初公開された「Wings Of Love」でドラマチックなギター・ソロを決める。ラストは、未発表だったファンキーなダンス・チューン「Doin’ What’s Right」。アイコンタクトで予定外のアドリブ・プレイが繰り広げられ、オーディエンスも立ち上がって踊りだす。

メンバーは一度はステージから降りるものの、すぐに戻りアンコールに突入。待ってました!ブラザーズ・ジョンソンがカヴァー(クインシー・ジョーンズがプロデュース)して全米No.1を獲得した本家「Strawberry Letter 23」を披露。エンディングの長いギター・パートでは息子エリックと息の合ったユニゾン・ギターを決め、喝さいを浴びる。そして最後の「Ice Cold Daydream」で、いよいよその時がやってくる。まさに火を噴くようなギターとはこのこと。耳をつんざくようなノイジーな轟音でギターを弾き続ける。大の字になってステージに寝転がり、ギターをかきむしる。シュギーは事あるごとにジミ・ヘンドリックスからの影響について語っているが、ここではまさに彼が乗り移ったかのような演奏を披露。その後はあっという間にステージから去って行ってしまい、オーディエンスも放心の様子。急遽開催されたサイン会に長蛇の列に並んでいたのが印象的だった。(*2日目もサイン会が実施されるかどうかは未定)

【2013年3月31日(2ndステージ)@ビルボードライブ東京 セットリスト】
https://www.livefans.jp/events/137005

【バンドメンバー】
Shuggie Otis – Guitar / Vocal
James Manning – Bass
Russell Stewart – Keyboards
Eric Otis – Guitar
Albert Quon Wing – Sax
Michael Turre – Sax
Larry Douglas – Trumpet
Nick Otis – Drums

【来日公演情報】
シュギー・オーティス
3/31(日) 1stステージ 開場15:30 開演16:30/2ndステージ開場18:30 開演19:30 終了
4/1(月) 1stステージ開場17:30 開演19:00/2ndステージ開場20:45 開演21:30
会場:ビルボードライブ東京
(ご予約・お問い合せ)☎03-3405-1133
東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン・ガーデンテラス4F
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=8389&shop=1

【商品情報】
2013年4月24日発売
『インスピレーション・インフォメーション/ウィングス・オブ・ラヴ』
シュギー・オーティス
INSPIRATION INFORMATION/WINGS OF LOVE
品番:EICP30005~6(2枚組)
価格:¥2,835(税込) ¥2,700(税抜)
◆高品質Blu-spec CD2仕様
◆DISC1『インスピレーション・インフォメーション』オリジナル・アルバム(リマスター)+未発表曲4曲収録
◆DISC2『ウィングス・オブ・ラヴ』全曲未発表音源
◆豪華ブックレット
◆解説/歌詞・対訳付き

【プロフィール】
1953年、LA生まれ。父親は有名なR&Bのバンドリーダー、ジョニー・オーティス。12歳の時にデビュー曲がいきなりチャートインし、15歳でアル・クーパーから直々に誘われてスーパー・セッションに参加する早熟ぶり。70年代、EPICからソロ・アルバムを3作発表。後にブラザーズ・ジョンソンがカバーして全米1位になった「ストロベリー・レター23」などを作曲する。またローリング・ストーンズからツアー参加の誘いを断ったという伝説も。90年代以降も、デヴィッド・バーン(トーキング・ヘッズ)、プリンス、レニー・クラヴィッツ、ラファエル・サディーク、モス・デフら幅広いミュージシャンたちが支持を表明するミュージシャンズ・ミュージシャンである。2012年から第一線での活動を再開し、2013年3月には初来日公演が決まっている。

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■ Live Fansのアーティスト情報ページ
[Shuggie Otis] https://www.livefans.jp/artists/21190

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