死の一歩手前から奇跡の復活!ロス・ロンリー・ボーイズが東京で「サイコー」なライヴを披露!

2014/01/31

LOS LONELY BOYS

あのポール・マッカートニーが大絶賛し、ローリング・ストーンズが前座に指名したほど、ライヴ力に定評があるテキシカン・ロックンロール(メキシカン+テキサス)の3人兄弟バンド、ロス・ロンリー・ボーイズ。デビューから10年あまりの間で、第47回グラミー賞にて最優秀ポップ・グループ賞を受賞したり、2012年には初来日公演とフジロック出演を果たすなど、山や谷もありながらもその音楽キャリアを力強く邁進してきた。しかし、2013年3月に、長男のヘンリー(gt)がステージから落下して首と背骨を傷め首から下が動かなくなるという、ミュージシャン生命どころか、命そのものを失いかける最大の試練が彼らを襲った。

実は、ロス・ロンリー・ボーイズ(以下:LLB)はこれまでも、ヘンリーが息子を亡くしたり、次男のジョジョ(ba)が喉を傷めて声が出なくなったり、大きな困難を迎えてきた。その度に3兄弟で支え合うことで、なんとかここまで乗り越えてきたのだ。しかし、今回の事故はいままでになく堪えた。ツアーは勿論キャンセル、新作のレコーディングは中断。ヘンリーは一命をとりとめたものの、ギターを弾くどころか歩行すらできない状態となり、全員が「もう三人で音楽を奏でることは出来ないだろう」と思ったという。

そんな彼らを救ったのは、またしても兄弟愛だった。次男と三男は「ヘンリーを救うために出来ることは全てやった」と語るほど献身的にリハビリを支援。ヘンリーは「音楽なんて二度と出来なくても、生きて大好きな兄弟と時間を過ごせるだけで胸がいっぱいだった」と兄弟に感謝しながら、リハビリを続けた。その成果があって、ヘンリーは驚異的な回復を見せ、再びギターを手に取る日が遂に訪れる。

その後、三兄弟は中断していた新作『レヴェレーション』のレコーディングを再開する。「命を失いかける経験をして、世界の見え方が変わった。生きていることの素晴らしさ、愛する人がいることの素晴らしさを、僕らの音楽でもっと伝えなきゃいけないと思った。」とヘンリーが語るように、自身の経験と想いが投影された大傑作が仕上がった。

そして、3兄弟がこの新作を引っ提げて再び日本の地を訪れる日が来たのだ。2014年1月30日(木)、恵比寿リキッド・ルームは三兄弟を見ようと集まった、男率9割の目の肥えたシビアなロック・ファンで満員の状態に。3人で再び日本でライヴが出来ること、そしてそれを観るために多くのファンが集まってくれたことに心から感謝して、ジョジョが精いっぱい練習してきた日本語で「コンバンワー!またニホンに来れてウレシイ!ボクたちはロス・ロンリー・ボーイズです。神のご加護を。みんなアイシテル!」と伝え、濃密な2時間弱のライヴが幕を開けた。

ヘンリー本人は「まだ本調子じゃない」と語るものの、怪我の影響を全く感じさせないスティーヴィー・レイ・ヴォーンばりのカリスマ性あるギタープレイで観客の心を打ちぬき、見事に復活した姿を見せつける。ジャムの中にマイケル・ジャクソンの「ビリー・ジーン」やクリームの「サンシャイン・オブ・ユア・ラヴ」のリフのフレーズを入れ込んだり、一本のギターをヘンリーとジョジョで弾く「二人羽織ギター」も披露!観客と一緒に「サイコー!」「カンパーイ!」などの日本語を絶叫しながら、10年前のメジャーデビューアルバム『ロス・ロンリー・ボーイズ』から最新アルバム『レヴェレーション』まで最高潮の盛り上がりを絶やすことなく全12曲を演奏。

中でも、代表曲「ヘヴン」のときに会場は最高の一体感に包まれた。実はこの曲は、陽気な曲調とは裏腹にヘンリーが息子を亡くしたときに書いたもの。この一年間の自身の経験をかみしめながら、天まで届けとばかりに、ヘンリーが天に向かって指を差す。「皆、生きてるって最高だな!今、この場を一緒に過ごせて嬉しいかー?!生きてて嬉しいやつは声あげろ!」という呼びかけに、会場全体が大きな声の塊となって応え、本編が終了。アンコールでは本番直前に練習していた、ビートルズの「デイ・トリッパー」をカバーするサプライズを用意していた。

彼らの新作に収録されている「ゼアズ・オールウェイズ・トゥモロー」という曲に、下記のような一節がある。タイトルからすると一見「必ず、明日はやって来るさ」という内容に思えるが、実はその全く逆の意味を持つ。

(一部抜粋、意訳)

「必ず、明日はやって来るさ」

でももし朝目覚めなかったら、僕はやり残したことだらけじゃないか?

「どうせ、明日があるじゃないか」

なぜ、いつもこんなことを言ってしまうんだろう

なぜ、僕は大好きな人たちに愛を伝えながら「今日」を生きないんだろう。

死の一歩手前までいった彼らは、大好きな日本のファンに「愛」を伝えにきたのだ。そして、リキッド・ルームにいる全員がそれをしっかりと受け取ったはずだ。次は、名古屋と大阪のファンがその愛を受け取る番だ。2月1日が名古屋、2月2日が大阪。



【2014年1月30日(木)、恵比寿リキッド・ルーム セットリスト】

1 Blame It On Love(『REVELATION』)
2 Roses(『SACRED』)
3 Nobody Else (『LOS LONELY BOYS』)
4 Give a little more(『REVELATION』)
5 Man To Beat(アルバム未収録ジャム)
6 I Never Met A Woman(『SACRED』)
7 Don't Walk Away(『REVELATION』)
8 Oye Mamacita(『SACRED』)
9 16 Monkeys(『ROCKPANGO』)
10 I'm a man(『FORGIVRN』)
11 Heaven(『LOS LONELY BOYS』)

12 Day Tripper(BEATLESのカヴァー)


【来日公演情報】

東京 1月30日(木)LIQUID ROOM
名古屋 2月1日(土)NAGOYA CLUB QUATTRO
大阪 2月2日(日)UMEDA SHANGRI-LA

[問]SMASH 03-3444-6751

http://smash-jpn.com/

http://smash-mobile.com/


【CD商品情報】

ロス・ロンリー・ボーイズ『レヴェレーション』 SICP-3889 ¥2,520

※日本盤ボーナストラック2曲収録

http://www.sonymusic.co.jp/artist/LosLonelyBoys/

https://itunes.apple.com/jp/album/revelation/id799353352


【バイオグラフィー】
テキサス州出身メキシコ系アメリカ人、ヘンリー(vo & g)、ジョジョ(vo & b)、リンゴ(vo & ds)のガルザ3兄弟。04年『ロス・ロンリー・ボーイズ』は「ヘヴン」の大ヒットもあって、全米だけで約400万枚のセールス。第47回グラミー賞では4部門ノミネート、見事最優秀ポップ・グループ賞を受賞。アメリカを代表するロック・バンドの一つになった。サンタナ直系のラテン・グルーヴ。ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス、クリーム、ベック・ボガート&アピス、スティーヴィー・レイ・ヴォーン&ダブル・トラブルなど、ギターをそのサウンドの中心に据えた優れたパワー・トリオ(3人組ロック・バンド)は、いつの時代にもロック・シーンにおいて不可欠の存在。ロス・ロンリー・ボーイズは、間違いなく現代におけるその代表格。2012年2月に行われた初来日公演渋谷クアトロのライヴはWOWOWで全国に生中継。7月のフジロックでは前夜祭&フィールド・オブ・ヘヴンでその凄まじいライヴ・パフォーマンスを見せてくれた。


----------
■ Live Fansのアーティスト情報ページ
[LOS LONELY BOYS] https://www.livefans.jp/artists/6903

レポート一覧に戻る

  • 新着ニュース
  • 新着ライブレポート
バナー