聖地、武道館を巨大なライヴハウスに変えた、稀代のロック・プリンセス=アヴリル・ラヴィーン!

2014/02/05

Avril Lavigne
photo:Yoshika Horita

大阪のZepp Nambaに、東京の新木場スタジオコーストというレアなライヴハウスでの追加公演、続いて神奈川のパシフィコ横浜公演と、約2年ぶりとなる来日ツアーでソールド・アウトを連発しているアヴリル・ラヴィーン。次なるステージは、日本武道館2DAYSである。その初日を観たのだけれど、間違いなく過去最高で最強のライヴだった。

さかのぼること11年。デビュー翌年の2003年に行われたアヴリル・ラヴィーン初来日公演の会場が、いきなりの武道館だったことを、ご記憶のファンも多いだろう。しかも、ゴブとシンプル・プランという、同郷カナダの先輩バンド2組をサポート・アクトに従えた、17歳にして大物感たっぷりの公演だった。ちなみにその時のツアー・タイトルが、“Try To Shut Me Up Tour”。「私を黙らせてみなさいよ」ってわけだ。思えば、確かに当時のアヴリルは、夢多き10代の女の子的な感じで接することをきっぱり拒絶するような、ヒリヒリした空気を放っていたし、言いたいことは臆せずにはっきり言う頑強さを持っていた。そしてそんな真っ直ぐさが、大きな魅力でもあった。

では、現在のアヴリルはどうか。基本的には何も変わっちゃいない。ただ、そこに大人の女性としての分別や寛容さが加わったため、かつてのような尖り方をしなくても、彼女は自分であり続けることができるのだ。男目線で見ても、実にカッコいい生きざまだし、だからこそ同性からの支持も絶えないのだろう。本人が意識しているかどうかは別として、やっぱりアヴリルの根底に流れているスピリットは、パンクなんだと思う。

さて、今回のツアーは、通算5枚目のアルバム『アヴリル・ラヴィーン』を携えてのもの。前作のツアーでは、「ワット・ザ・ヘル」での和太鼓との共演で驚かせたアヴリルだったが、今回はオープニングのフラッシュバック映像に続いて、なんとその和太鼓からライヴがスタート。彼女は再び、和太鼓パフォーマンス集団<無限-MUGEN->を迎えていたのだ。雄々しく勇壮なビートが、武道館に響き渡る。そのまま和太鼓を入れたバンド編成で繰り出されたのが、「ハローキティ」。登場したアヴリルは、キティがたくさんあしらわれたドレス姿で、♪カ・カ・カ・カワイイ!♪とキュートかつシャープなラップ・ヴォーカルで魅せる。そこから続けざまに「ガールフレンド」へ。ぎっしり埋まった会場は、冒頭から怒涛の盛り上がりだ。瞬時に黒のノースリーブとレギンスに着替え、ヒット・シングルの「ロックンロール」や「ネヴァー・グローイング・アップ」、ボートラ曲ながら最高のポップ・パンク「アイ・オールウェイズ・ゲット・ワット・アイ・ウォント」などキラー・アンセムの連打で、何度もクライマックスを迎えた前半戦。そのステージングは、凄まじくロックだった。ぐっとラウドになったバンド演奏に乗せて、まだこんなに伸びしろがあったのかと唖然とするほど、パワーも深みも格段に増したヴォーカルを炸裂させる。客席にマイクを向けてのコール&レスポンスや、「もっともっと!」「歌って!」と煽るパフォーマンスも含め、こんなにもロックに振り切れたアヴリル・ラヴィーンは見たことがない。

そして、「ハッシュ・ハッシュ」「レット・ミー・ゴー」「マイ・ハッピー・エンディング」などのバラードと、デビュー作の1曲目を飾った「ルージング・グリップ」や「バッド・ガール」(悪魔コスチューム&バックにマリリン・マンソンの映像)といったヘヴィ・チューン、さらには鉄板の「コンプリケイテッド」「スケ8ター・ボーイ」で歓喜のフィナーレを迎えた後半戦。ここでの彼女は、乱暴な表現で恐縮だけれど、凄まじくオンナだった。こんなにも女性としての哀切を、激しい情念を、セクシーさを体現したアヴリル・ラヴィーンも見たことがない……というか初めてだ。

アンコールでは、もう1度<無限-MUGEN->が登場しての「ワット・ザ・ヘル」でパーティ・ハードし、「アイム・ウィズ・ユー」の大合唱で熱い余韻を残して終幕。ライヴ・アクトとしての飛躍的な進化が刻み込まれた、特濃の90分だった。デビューから12年、今年で30歳、人妻。アヴリル・ラヴィーンの本当の旬は、これからなのかもしれない。
(鈴木宏和)



【アヴリル・ラヴィーン 2014年来日公演日程】
●2014年 来日公演詳細 ※全公演 計4万5千人動員!
AVRIL LAVIGNE ON TOUR
2014年1月31日(金)大阪 ZEPP NAMBA SOLD OUT
2014年2月1日(土)東京 スタジオコースト SOLD OUT
2014年2月3日(月)神奈川 パシフィコ横浜 SOLD OUT
2014年2月4日(火)、5日(水)東京 日本武道館
2014年2月7日(金)愛知 日本ガイシホール
2014年2月8日(土)大阪 インデックス大阪 SOLD OUT
http://www.creativeman.co.jp/artist/2014/02avril/ 


【CDリリース情報】
最新アルバム 『アヴリル・ラヴィーン』 絶賛発売中!!
大ヒット・シングル「ロックンロール」「レット・ミー・ゴー」収録!
(¥2,310(税込) EICP-1588 解説・歌詞・対訳付)
通算5作目にして堂々のセルフ・タイトル・アルバム!
ロック・プリンセス=アヴリル・ラヴィーンの11年の美しき進化を随所に堪能できる最高傑作!これぞまさしく、純度100%のアヴリル・ラヴィーン!
※日本盤ボーナス・トラック『ワンピース フィルム ゼット』のW主題歌“バッド・レピュテーション” “ハウ・ユー・リマインド・ミー”収録!


●公式LINEアカウントがオープン!登録者数60万人突破!!

日本のファンへのメッセージや来日&リリース情報をたくさんお届けします。(アプリの公式アカウント一覧から[アヴリル・ラヴィーン (JP)]を選択し、追加してください。)


●日本公式ツイッター http://twitter.com/AvrilJP 



【アヴリル・ラヴィーン バイオグラフィー】
世界トータルセールス4000万枚、最強無敵のロック・プリンセス、アヴリル・ラヴィーン。カナダ出身、現在29歳。彼女に目を留めたアリスタ・レコードのスタッフが当時の社長L.A.リードにアヴリルを紹介、目の前でパフォーマンスをしたアヴリルをL.A.は一発で気に入り16歳で契約。02年、17歳で発表したデビュー・アルバム『レット・ゴー』からのファースト・シングル「コンプリケイテッド」はリリースされるやいなや世界中で大ヒット。さらに「スケーター・ボーイ」等のヒットがうまれ、アルバムは世界的大ヒットを記録した。
04年セカンド・アルバム『アンダー・マイ・スキン』を発表。「ドント・テル・ミー」「マイ・ハッピー・エンディング」のシングルヒットによりアルバムは全米チャート初登場1位、日本でもオリコン総合ランキング初登場1位、2週連続1位という記録を打ちたてた。日本のアルバムセールスは200万という驚異的な数字を叩き出す。
07年4月、サード・アルバム『ベスト・ダム・シング』を発表。全米1位シングル「ガールフレンド」は日本でダウンロード400万を突破する空前の大ヒットに。アルバムは米英含め15カ国で1位、日本でもオリコン総合ランキング1位。アルバムセールスは120万枚を突破し、デビュー以来3枚連続ミリオン達成という快挙を達成。日本の洋楽史上、いまだその記録は破られていない。
2011年3月、ヒット・シングル「ワット・ザ・ヘル」を収録した4作目『グッバイ・ララバイ』を発売。2012年2月、2回のさいたまスーパーアリーナを含む来日公演を敢行。キャリア10年の軌跡が凝縮された濃密ライヴでアヴリルの美しい進化を堪能させてくれた。
2012年には、大ヒット映画『ワンピース フィルム ゼット』のW主題歌(「バッド・レピュテーション」、「ハウ・ユー・リマインド・ミー」)を歌い、大きな注目を集めた。

現在、音楽活動と並行し、自身のファッション・ブランド「Abbey Dawn」(アビー・ドーン)を展開しながら、障害や病気をもつ子どもたちのためのチャリティ基金「アヴリル・ラヴィーン基金」( http://theavrillavignefoundation.org )での活動も精力的に行っている。待望の5作目となる新作『アヴリル・ラヴィーン』は2013年11月6日に発売。また私生活では、最新アルバムに収録される楽曲のプロデューサー/コラボレーターのチャド・クルーガー(ニッケルバック)と去年7月に結婚。公私ともに今一番輝いている。


【関連サイト】
★アヴリル・ラヴィーン 日本オフィシャル・サイト  www.sonymusic.co.jp/avril

★アヴリル・ラヴィーン 本国サイト www.avrillavigne.com

☆アヴリル・ラヴィーン 来日公演 http://www.creativeman.co.jp/artist/2014/02avril/



----------
■ Live Fansのアーティスト情報ページ
[Avril Lavigne] https://www.livefans.jp/artists/2557

レポート一覧に戻る

  • 新着ニュース
  • 新着ライブレポート
バナー