【Caravan・山人音楽祭 2018】愛すべき人への想いを祈るように届けたラブ&ピースの歌

2018/09/23
Caravan

山人音楽祭 2018【妙義ステージ】 Caravan

サウンドチェックを終えたあと、「引っ込むのもアレなので、このまま行こうと思います(笑)」と、ゆるいムードで始まったCaravan。ペダルスティールギターを奏でる宮下広輔とリアルタイムで多重録音をしたCaravanのギターが美しく絡まり合うインスト曲「Well-Come」が、まさに“ようこそ”とお客さんを優しく出迎えるようにライブはスタートした。

何も言わずとも、自然と湧き起こる温かいハンドクラップに包まれながら、ギターを掻き鳴らして歌い始めたのは「Free byrd」。何にも縛られず、鳥のように自由に羽ばたけと歌う開放的なメロディによって妙義ステージに穏やかな時間が流れていく。

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ペダルスティールとギターが奏でる深淵なるサウンドスケープにはじまり、太陽や空、星空という自然の景色を丹念に編み込んで歌う「ハミングバード」、淡々と刻むビートにのせて、遠く離れた場所の出来事と自分の現在地とがありありと繋がっていく様を綴った「その瞬間」、そして、シンガロングを巻き起こしながら、愛すべきロクデナシへの想いを綴った「Trippin’Life」へ。外国の戦争も、大自然の営みも、隣にいる友も、今を生きる私たちの周りで取り巻く全てのことを、決して自分とは無関係なものにしないCaravanの懐の深い音楽たちは、私たちに忘れてはいけない大切なものを思い出させてくれる。

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MCは最後の一言だけ。「短い時間なので駆け抜けちゃいましたが、また会いましょう」と言うと、私事ですが……と前置きをして、「北海道に家族がいて、姉貴が住んでるんですけど、いろいろ今大変なことになっています。災害とかも起こるけど、今ここで感じている温かい気持ちを、ピースな気持ちを愛する人に送ってあげてくだい」と言って、ラストナンバー「サンティアゴの道」を届けた。声高に何かを訴えるのではなく、ただそこにステージが空いていたからフラリと立ち寄ったような飾らない雰囲気で披露した全6曲には、Caravanが歌と旅路の人生のなかで辿り着いた、かけがえのない真実が詰まっていた。


文=秦理絵 撮影=タマイシンゴ

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