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フェス特集2024

サイダーガール、さらなる可能性を魅せた!初のワンマンツアーファイナルZepp DiverCity Tokyo公演ライブレポート

2019/03/27
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サイダーガール史上最大規模、かつ初となるワンマンツアー「サイダーガールTOUR2019 サイダーのゆくえ -SPACESHIP IN MY CIDER-」が3月24日、Zepp DiverCity Tokyoでファイナルを迎えた。炭酸の泡を、煌く無数の星の輝きに見立てたと思しきタイトルも実にいい感じだが、バンドの止まらない人気上昇を物語るように公演は見事、ソールドアウト。ぎゅうぎゅう詰めのスタンディングの1階はもちろん、2階席も埋めた観客がハンドクラップやシンガロングで応える中、バンドは2時間にわたって熱演を繰り広げたのだった。

 北は札幌から南は福岡まで、ほぼ2ヶ月かけて全11公演を行った今回のツアーが苦しいこともありながら、有意義なものになったことは、Yurin(Vo&Gt)が序盤に言った“あっという間だった。最後だと思うと、すごく寂しい”という言葉からも窺えたが、この夜、彼らは自分たちにとって最大キャパとなる会場をいっぱいにしただけではなく、機材トラブルを後々ファンの間で語り継がれる思い出に変えたことも含め、ライヴ・バンドとして、さらに成長したことも見せつけながら、バンドにとって大きな挑戦だったツアーの有終の美を飾った。

 この夜、楽曲の世界観を表現した映像を使いながらバンドが演奏したのは、昨年11月28日にリリースした2ndアルバム『SODA POP FANCLUB 2』の11曲と予定外の1曲も含む全23曲。今回のツアー全公演をサポートした細川千弘(Dr)がフロントに立つ3人を煽るように性急なビートを鳴らした1曲目の「アクセル」から、太い音色でベースを奏でるフジムラ(B)が“もっと行こうぜ!”と客席に声をかけながら「メッセンジャー」「エバーグリーン」とたたみけると、「パレット」では“歌えますか?”というYurinに応え、早速、観客が声をあげた。
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 爽快なロック・ナンバーとダンサブルなポップ・ナンバーをテンポよく繰り出しながら、ツアー中の機材車の中の3人の様子が垣間見られるショート・ムービーを挟んでからの中盤では、ジャズの要素もある「化物」、歌詞がクセになる「なまけもの」、そしてR&Bの影響が絶妙に演奏に滲む「ミスターデイドリーマー」の3曲で、巷間言われている“炭酸系”という一言には収まりきらない曲作りの広がりをアピール。そして、“神のような人たちしか立てないと思っていたステージに立つことができました!しかも、ワンマンで!”とフジムラがこの日の歓びを語ってからは、さらにシーケンスを大胆に使って、バンド・サウンドだけにこだわらない挑戦を印象づけたのだが、「最終電車」を演奏し終えたところでシーケンスの音が出ないという機材トラブルが発生。

 しかし、“次の曲は大事な曲なので、ちゃんと(した形で)聴いてほしいから時間をください。(機材を)直します!”と知(Gt)が言い、フジムラと細川がスタッフとともに機材を直している間、観客のリクエストに応え、Yurinが知のアコースティック・ギターをバックに、この日、セットリストに入っていなかった「群青」を歌ってつなぐという予定外の展開に!! 観客は拍手喝采。メンバーたちは大いに冷や汗をかいたに違いないが、結果、バンドにとっても観客にとっても、いい思い出になったんじゃないか。
 そして、機材の復旧後、バンドが演奏したのは、オーケストラルにアレンジした壮大なバラード「dialogue」。シーケンスで加えたストリングスに負けないくらい熱の入った4人の演奏は、確実にこの日のハイライトの1つだったと思う。

“いろいろなことを思って、考えて、(みんなは)来ていると思います。それを全部、我々にぶつけて欲しい。サイダーガール、最後まで我々らしく駆け抜けていきます。行こうぜ!” 

 Yurinの言葉どおり、知が耳に残るリフを閃かせながら、バンドはラストスパートをかけるように轟音ギター・ロックの醍醐味を味わわせるアップテンポの曲をたたみかけ(「モラトリアムさん」でYurinは客席にダイヴした!)、『SODA POP FANCLUB 2』の1曲目の「アクセル」で始まったライヴは、『SODA POP FANCLUB 2』のラスト・ナンバー「約束」のシンガロングで幕を閉じた。
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『SODA POP FANCLUB 2』における成長を見せることを軸にライヴを作り上げるというセットリストのプロットを考えれば、そこで終わっても大満足だっただろう。しかし、バンドはこの日のソールドアウトを実現させてくれた観客のアンコールに応え、『SODA POP FANCLUB 2』ではアコギ1本だった演奏にフジムラが奏でる鍵盤ハーモニカの音色を加えた「スパイス」を含む計4曲を、さらに披露した。
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 セットリストに入れられない曲があったから、曲数を多めに演奏したそうだが、最後の最後を飾ったのはインディーズ時代から歌い続けているサイダーガールのライヴには欠かせない「NO.2」。観客の多くがエモーショナルで、どこかノスタルジックなこの曲をバンドと一緒に歌うことを楽しみにライヴに足を運んでいる――そんなことを思わせるほど、大きなシンガロングの声が会場中に響き、バンドが飾った有終の美をダメ押しで印象づけたのだった。
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ライター:山口智男
写真:山川哲矢

<セットリスト>
01. アクセル
02. メッセンジャー
03. エバーグリーン
04. パレット
05. ぜったいぜつめい
06. サテライト
07. スーパーノヴァ
08. 化物
09. なまけもの
10. ミスターデイドリーマー
11. ドラマチック
12. 橙の行方
13. 最終電車
14. 群青(弾き語り)
15. dialogue
16. オーバードライブ
17. しょうがないよな
18. モラトリアムさん
19. 約束
En.1 スパイス
En.2 メランコリー
En.3 リバーシブル
En.4 NO.2


【ライブ情報】
<ぼくらのサイダーウォーズ3 -先輩、よろしくお願いします->

7月19日(金) 名古屋・名古屋CLUB QUATTRO
OPEN18:00/START19:00
7月20日(土) 大阪・梅田CLUB QUATTRO
OPEN17:00/START18:00
7月25日(木) 東京・渋谷CLUB QUATTRO
OPEN18:00/START19:00
※共演アーティストは後日解禁

チケット代金4,000円(D別)

<先行情報>
3月24日 (日)20:00〜FC先行開始
先行URL:https://cidergirl.jp/contents/232680


【商品情報】
サイダーガール 「SODA POP FANCLUB 2」

2018.11.28 Release!!!

【収録曲】
01.アクセル
02.サテライト
03.パレット(「兄友」映画&テレビドラマ主題歌)
04.化物
05.ぜったいぜつめい
06.最終電車
07.ミスターデイドリーマー
08.スパイス
09.dialogue(映画「家族のはなし」主題歌)
10.スーパーノヴァ
11.約束(MBS/TBSドラマイズム「覚悟はいいかそこの女子。」挿入歌)
全11曲収録

【完全数量限定生産盤】
UPCH-7469 ¥4,500 (税込) / ¥4,167 (税抜)★ビッグTシャツ付き
【通常盤】
UPCH-2179 ¥2,700 (税込) / ¥2,500 (税抜)★CDのみ

<サイダーガール Official website>
https://cidergirl.jp

■サイダーガールプロフィール
シュワシュワとはじける炭酸の泡は爽快感、その泡はあっという間に消えてなくなってしまう儚さ。そしてどんな色にも自在に変化していく。そんな”炭酸系サウンド”を目指し、2014年5月、動画サイトを中心に活動していたYurin(Vo&Gt)、VOCALOIDを使用して音楽活動していた知(Gt)、フジムラ(B)で結成。
インターネットを含むメディアでは一切顔を出さず、ライブ会場でのみ本人たちの姿を目撃できるということと、”炭酸系”サウンドが相まって話題となり2016年2月、タワーレコード限定発売の2nd Mini Album『サイダーの街まで』がスマッシュヒット。初ライブからちょうど3年後の2017年7月26日、『エバーグリーン』でユニバーサルJよりメジャーデビュー。
秋には初のフルアルバムとなる『SODA POP FANCLUB 1』をリリース。全国ツアー”サイダーガールTOUR 2017-2018 サイダーのゆくえ -JUMP ON THE BANDWAGON-“は全国各地でSOLD OUTとなっている。2018年3月に2ndシングル「パレット」、6月20日には3rdシングル「約束」をリリース。6月23日マイナビBLITZ赤坂、7月1日大阪バナナホールで行われる自主企画イベント「CIDER LABO」は完全SOLD OUTとなった。11月には2nd アルバム『SODA POP FANCLUB 2』をリリース。 「サイダーガールTOUR2019 サイダーのゆくえ -SPACESHIP IN MY CIDER-」は全国各地でSOLD OUTとなる。

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