Little Glee Monster グループ最大規模のさいたまスーパーアリーナでもその存在を近くに感じさせた、鮮やかな歌声とメンバーの覚悟

2021/04/28

Little Glee Monster Arena Tour 2021”Dearest ∞ Future”
2021.4.18 さいたまスーパーアリーナ


《声は 海を越え 響き合って あたなと わたしの 心を繋いでいく》
「I BELIEVE」で4人から放たれる鮮やかな歌声が、広くて高くて深いさいたまスーパーアリーナを丸ごと包み込む。「世界はあなたに笑いかけている」、「青い風に吹かれて」、「ECHO」で響かせる変幻自在のハーモニーと真っ直ぐなメッセージが、最上階の端っこの席で手を振るお客さんとの距離も、コロナ対策により、一緒に来た友だちとの間に設けられた空席も、ひとつ残らずふわりと埋めて、ギュギュッと満たした。ベストアルバム『GRADATI∞N』を引っさげて1月末からスタートした『Little Glee Monster Arena Tour 2021 “Dearest”』のファイナルに相応しい、パワフルな幕開けだった。


「次はパーティーなセクションです」なんてワクワクする言葉に騙されちゃいけない。アーバンなディスコチューン「Be My Baby」でいきなりの美麗なハーモニーに胸を鷲掴みされ、身も心も躍らせたら、ラテンあり、R&Bあり、エレクトロニカありと、Little Glee Monsterのパーティーは一筋縄ではいかないのだ。中でも「Waves」には圧倒された。全編英詞なので当然、声の出し方も、コーラスの響き方も、リズムの取り方もガラリと変わり、生まれるグルーヴはより肉感的に。“ベストアルバムに収録された新曲”は1本のツアーを通して、リトグリの強力な武器へと見事に進化していた。


白からブルーの衣装へ着替えたメンバーは、青春のきらめきが詰まった初期曲をメドレーで披露。ステージの右端と左端に分かれ、花道を経由してセンターステージへ。移動しながら、客席の一人ひとりと笑顔を交わしながら歌う4人はとても嬉しそうで。そんな4人を目で追い、手を振り、思いきりジャンプ! 今できる全力で応えるオーディエンスはめちゃくちゃシアワセそうで。このポップな余韻に浸る暇なく届けられた「いつかこの涙が」があまりに美しくて泣いてしまった。さらに最強のコラボ相手・ペンタトニックスの歌唱音源と、事前に集められたファンの合唱と、リトグリのリアルなボーカルで届けられた「Dear My Friend」が素晴らしくドラマチックで何度も笑ってしまった。極度に感激すると自分で自分の感情のコントロールが効かなくなってしまう。今日はマスクがあって良かった。


グループ最大規模の会場、さいたまスーパアリーナ2Days。しかしここまでの道のりは決して順風満帆ではなかった。2度目の緊急事態宣言を受けて中止になった広島、仙台公演について話す表情は悔しそうで。「でも絶対に帰りたいと思っている」という言葉には、このツアー以前から、彼女たちがライブやキャンペーンなどで幾度となく各地を訪れ、その土地のファンと築いてきた絆の深さを感じた。そして体調不良のため、昨年末から休業している芹奈は全公演不参加だけれど、ステージ後方に設置されたスクリーンは五角形。4人の決意の固さを表していた。まさにメンバー作詞の「足跡」は、4人の声で描く現在の5人の歌だった。


すっかり阿吽の呼吸のバンドメンバーと「STARTING OVER」で躍動し、ステージの上下関係なく会場にいる全員で最高の顔でポーズ=「青春フォトグラフ」をキメたら、本編ラスト、「VIVA」へ。「私たち5人と一緒に前を向いて歩んでくれる曲になれば」というMAYUの言葉通り、日々、漠然とした不安や葛藤ではち切れそうな私たちの気持ちに寄り添い、スーッと浄化してくれるような、強くて優しい応援歌だった。


Little Glee Monsterの存在がこんなにも近くに感じるのはなぜだろう? アンコールを求める熱い熱い拍手を聞きながら、あれこれ考えた。生身の楽器・声での表現であることや、飾らない人間性、さらには“コーレスバルーン”という新しいコミュニケーションツールの助けももちろんあったろうけども、一番は彼女たちの覚悟によるものが大きい気がする。そしてその覚悟は、遠くないいつかこのステージに帰ってくる。その時は満杯のお客さんと、メンバー5人で! という未来へ繋がっていた。だから4人は最後に未発表の新曲「君といれば」をそっと手渡した。想いを受け取ったオーディエンスはケータイのライトを点灯、楽しそうに揺れる光の数だけ、会場には笑顔と希望が溢れていた。


取材・文=山本祥子

 

 

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