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いずみさんのレビュー
山本彩さんが参加されたツタロックのステージを観てきました。彩さんにとって今回は昨年5月のメトロック以来となるフェスの出演です。
彩さんは2月から全国ツアーを敢行しており、私はそのライブに2度参加したことがあるのですが、そのツアーで培った経験がそのまま自信に繋がり、そこでの成果が今回のステージで遺憾なく発揮されたように感じました。
言わばアウェイな環境の中でのライブだったわけですが、ステージ登場時から ワンマンライブとなんら変わりない 堂に入った立ち振舞いで、この1コマだけでも素晴らしいパフォーマンスの予感は十分。そしてすかさず1曲目にスパイシーなロックナンバー『喝采』を披露、アコギを掻き鳴らすイントロから観衆を煽動します。それに呼応して、観客も初っ端からスロットルをフルにして跳びはね放題。
続くアップナンバー2曲で盛り上がりをそのまま引き継ぎ、その後はスローバラード、アコギ主体のミディアムナンバーを披露。昨年のメトロックもそうでしたが、アップナンバーのみで固めず、じっくり聴かせる類の楽曲を2曲立て続けに披露するのは、安易に初見リスナーやフェス全体の雰囲気に迎合せず自身のアイデンティティを貫いてステージに挑む彩さんの強い意志・こだわりを感じます。そんな彩さんの歌唱に多くの観客は魅了されたのではないでしょうか。
そして終盤、サポートバンドメンバーによる演奏バトルで観客のボルテージをさらに引き上げ、そこから雪崩れ込む形で披露されたライブ意識の高い楽曲でステージの盛り上がりはピークに。約40分と短い時間ではありましたが、彩さん達も観客側も、そしてもちろん個人的にも見事に完全燃焼した熱く爽快なライブになりました。
また、今回は所々で彩さんの声が掠れたりすることがあったのですが、その掠れ声は「ハスキー」として機能し、通常のクリーンなボーカルとはまた違った魅力が引き出されてました。
あえて彩さんの楽曲をカテゴライズするならば「ポップス」「ポップロック」になり、一般的に「メロコア」「ハードコア」「ミクスチャー」に括られるアーティストが多々参加している当フェスでは毛色が異なる存在ではありますが、今日のパフォーマンスはそういったアーティストの方々を好むリスナーの胸をも熱くする求心力を秘めたステージだったのではないでしょうか。もちろん、彩さんの歌と楽曲の土台を支えるチームSY(サポートバンド)の力によるところも多分にありますが、これは やはり そんな演奏陣を従える彩さんの牽引力があってこそのもの。
今日のセトリもパフォーマンスも決して初見の方向けに特化した よそゆきなものではなく、彩さんが普段ワンマンで行ってるライブのダイジェスト版的な内容なので、今日のライブを初めて観て好印象を抱いた方は、ぜひ彩さんのワンマンライブにも参加してみて下さい!
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- 2019/03/30 (土) 22:08
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