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達郎さんのライブに行ったことがなかったのは、彼と同世代のアーティストの劣化などを風の噂を聞いて、音源の世界を壊したくなかったから。すでに完璧なワールドが成り立っているのに今更・・・と長い間思っていたものの、御年64歳になると聞いて、やっぱり一度はライブに行こうと考えなおして、チケットとりました。 ワタシ、若いバンドを中心に年間50本はライブを見ている生活を送ってまして、最近は耳が肥えてきたかなと思ってたんですが、甘かった。 打ち砕かれました。いやはや、たまげた、びっくりした。 ライブの概念がひっくり返りました。 今まで見てきたどのライブよりハイクオリティ、ハイパフォーマンス。全部がうまくて全部が緻密で、繊細で伸びやか、たっぷりで濃い。 結局今まで見たライブの中で「最高」になってしまい、マジでこのまま客席で天に召されてもいいと思いました。 途中MCで「明日には声が出なくなるかもしれないから、今日できる最高のパフォーマンスをしたい」とおっしゃられておりました。 そうか、彼のライブが素晴らしいのは「終わりの覚悟」と「今日ステージに立てる喜び」が絡まりあい、ものすごい熱量の楽曲となって伝わってくるからなんですね。 ボーカル、楽器、コーラス、構成から演出まで今でも脳内を占拠してる有様です。達郎さんの声は相変わらずつややかで、表現力あって、時に力強く、時に色気がある。ほんとにずっと聞いていたい声でした。 特にラストのYOUR EYESは私自身もともとすごく好きな楽曲。 でも、初めて聴いた頃の印象とはまた違った良さがあったなぁ。 自分の中に積もった時間がそうさせているのかと思うと、アーティストが一緒に年を重ねてくれるって素晴らしい。 彼のように長期間、ハイクオリティで私を酔わせてくれるアーティストは本当に少ない。 ファンから40年間愛されるってのがどういうことなのか、この目で見届けた感じでございます。 子どもの時に初めて彼の歌を聴いたときも衝撃で、朝から晩まで夢中になって聴いてたけど、その後大人になって、いろんなジャンルの音楽を聴いた後にも、また同じように衝撃受けるとは思いませんでした。 ああ、やっぱり私は達郎さんの音楽が自分のミュージックライフの根底にあるのだ、と一周回ってきて原点に返ってきたような気がしました。 そして、オーディエンスの皆さんも、惜しみない拍手を贈っていて、本当に素晴らしい時間でした。 神様、達郎さんに強靭で健康な肉体と、私に彼のライブに行けるチャンスを与えてくださってありがとう。