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INTERVIEW

LEGO BIG MORL
ロングインタビュー

4月17日に6thフルアルバム『KEITH』を発表するLEGO BIG MORL。2017年3月29日にリリースした『心臓の居場所』以来、約2年ぶりのアルバムで、今回はアルバムという形では自身初となる配信での発売となる。2006年に結成し、ことし13周年を迎えた彼らが、昨今の音楽市場の変化も捉えながら、今、自分たちにもリスナーにも最適であり、最高の形を考えた抜いた8曲が収録。今回のインタビューではこの『KEITH』リリースに際してメンバーが考えたことや、不況と言われる音楽業界において、どんな風にこの13年を生き抜いてきたかなど、LEGO BIG MORLの“今”に迫る。


音楽業界の変化と、自分たちの変化

LEGO BIG MORLがバンドを結成した2006年当時は、すでにCDの売上枚数は減少傾向にあったものの、100万枚以上を売り上げる作品もあったし、配信サービスもありながらも主流はまだCDだった。そこから10年以上の月日を経た今、CDはそのパッケージや付帯する特典のために買うという意味合いが強くなり、純粋に音源を聴くためのものとしての役割は終わりつつある。さらには06年当時は普及は難しいという見方が多かったサブスクリプションサービスで音楽を聴くという方法も今や定着しつつある。音楽を買う、聴く方法が大きく変化して行く中で、バンドを続けてたきたメンバーたちが今、その変化をどう感じ、どう向き合っているのか――。

皆さんがバンドを始めた頃はまだ音源の主流はCDだったと思いますが、今はそこが配信に変わったり、SNSが急速に普及したり、音楽業界を取り巻く環境はかなり変化していますよね。そのあたりで思うところはありますか?

ヤマモトシンタロウ:僕らがバンドを結成した頃って、まだバンドブームがあったんですよ。今ももちろん新しいバンドはたくさん出て来ますけど、それでも昔と比べると数は減ってるから、バンドをやるっていうのは逆に珍しいと思うんですよ。だからこそ価値があるとも思うし。ただそれだけじゃなくて、長くやってるからこそ、ちゃんとやりたいものとか、面白いって思ったことをやりたいっていうか。プロモーション一つにしても、何となく用意されたインタビューとか、お店周りとかは、やり尽くしたので、何か自分たちから発信したいというのはあります。曲作りとは違うところでのバンド活動というか。今の時代はいろんなことが柔軟にできるようになってるからこそ、LEGOっていうものを通して面白いかもしれないことをやってみたいなって。そこは長くやって来たからこそ、固執しなくなって来たところかもしれないですね。

タナカヒロキ:いわゆる売れてるっていう人がミスチル、サザンから、あいみょん、星野源、米津玄師っていう、バンドから一人で家でできるっていう見事に時代にマッチした人に変わってるけど、だからってバンドがあかんかって言ったらそうでもないし。別にそれは今の時代性ってだけだから。ただ、いい曲を作って、いいライブをやってればいいなんて時代は10年前にすでに終わってるので、それ以外の活動も自分たちでちゃんと見せられるかっていうのは大事だと思う。

今回のアルバム『KEITH』はCDではなく、配信で発売されますが、その辺も世の中の変化に対応しての反応なんでしょうか?

ヤマモト:自分自身の音楽の聴き方が変わったんですよね。CDを買って来て、正座して開封して、歌詞カードを見ながら心して聴くっていう聴き方はあんまりしなくなってて。配信サイトで何気なく流しながら、日常的に音楽を聴いているっていう。CD自体は僕も作品として形に残るので好きなんですけど、今回はそういう風に日常でパッと聴いてもらえるものにしたかった。だから1曲の分数にもこだわりましたし、曲数もトータル8曲と少なめになってます。アルバムというものに重荷を背負わせないというか。一生に一度のプロポーズを聞いてください、というよりは、おはよう、とか、ありがとう、とか、もっと日常的な言葉を聞いてもらいたいって感じですかね。

ヒロキ:『KEITH』の曲はSNSとかでイントロやサビの数秒を聴かせただけで“おっ!”って思わせられる力もあるけど、そこからちゃんと聴き込んでもらっても“おっ!”って思ってもらえる、両方できてる曲が揃ってると思います。それこそ自分の経験としてもあるんだけど、誰かの新曲が出ました、ってSNSで見たりして、音源をクリックしてみると、3秒でダサって!思ったり、3秒でいい!って思ったりして、そのあとにちゃんとフルで聴いてみても、その3秒の感覚は間違ってなかったってことは多いんですよね。だから1曲に込めたものが数秒ですべて伝わるかって言ったらそうじゃないけど、わかりやすいものに飛びつくっていうことがあかんとも思わない。ただわかりやすくて入ったはいいけど、わかっただけで済んでしまう曲もあるから、数秒でおっ!と思わせて、聴き込んでもおっ!と思わせられるのが『KEITH』のポイントだと思います。

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PROFILE

LEGO BIG MORL

2006年、大阪にて活動を開始。
2008年12月に1st single「Ray」をリリース。この曲がフジテレビ系ドラマ「赤い糸」、また、同タイトルの映画の挿入歌に決定。
2013年2月にタナカヒロキ(Gt.)が不慮の事故により右手首を骨折、神経の手術も必要とする大怪我により療養とリハビリのため表立ったバンド活動一時休止を余儀なくされる。
2014年1月、lego big morl第二章の始まりを告げる新曲「Wait?」を配信&ライブ会場限定盤としてリリースし、音楽レーベルA-Sketchへ移籍。さらに、これを機にバンド名を大文字の「LEGO BIG MORL」へと変更して"新生LEGO BIG MORL"として本格始動。
バンド結成10周年イヤーの2016年には初のベストアルバム「Lovers, Birthday, Music」を発売し、その締めくくりとして2017年3月28日には新木場STUDIO COASTにて自身最大級のキャパシティとなるライブを開催した。翌日にリリースされた「心臓の居場所」を携えたツアーでは各地でSOLD OUTが相次ぎ、その勢いのまま2018年結成12周年を記念した恵比寿LIQUIDROOMでの初の2DAYS公演もSOLD OUT。幸先良く13年目に突入した。6月からはアコースティック&ロックスタイル、両方を楽しめるツアーを開催し、秋には自主企画「Thanks Giving」を大阪、東京にて開催した。
ワンマンツアーだけでなくコンセプチュアルな自主企画イベントの開催や大型音楽フェスへの出演を積み重ね、精力的に活動中。

LiveFans

一度ライブに行けば、あなたもLEGOにやみつき!抜け出せなくなる“良い音“ここにあります。繊細かつ鮮やかな情景を描き出すタナカヒロキの歌詞、その世界観を見事に表現するキレイなカナタタケヒロの歌声、それを包み込む真っ直ぐで美しいバンドサウンド。結成10年を超えたLEGO BIG MORLというバンドだからこそ鳴らせる“良い音“の重みを、ぜひライブ会場で真正面から感じてほしいです。

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