MACO
ロングインタビュー

北海道・函館出身のシンガーソングライター・MACOが、デビュー5年目に突入期に初のベストアルバム『BEST LOVE MACO』をリリースする。そのタイトル通り、YouTubeへの楽曲投稿やテイラー・スウィフト「We Are Never Ever Getting Back Together」の日本語カバーで鮮烈な印象を与えて以降、彼女がデビュー期から徹底して向き合い、歌い続けているのは“恋”。その一方で、この4年間は彼女がシンガーとして、ソングライターとして一歩ずつ成長を遂げてきた期間でもある。これまでの歩みとこれからのこと、ベスト盤を紐解きながらじっくりと話を訊いた。


いい意味で自分を作ってくれてるものが恋愛

デビューして丸4年、5周年イヤーに突入したわけですが、ここまで長かったですか? それともあっという間に?

長かったです。数字にすると4年ってまだまだなんですけど、遠い昔のように感じて。4年前は函館から出てきたので何もわからず、歌の勉強とかもしたことなかったし、正解もわからなくて……服は何を着ればいいんだろう?とかも(笑)。でも、あの頃の自分なりにセルフで「これ着よう」とかやっていたことが、みんなから身近に感じてもらえる要素にもなって、それは今でも変わらないかもしれないです。

その当時のMACOさんの気持ちを歌った曲から新曲までが入った今回のベスト盤。並べて聴いてみて、ご自身ではどんなことを感じました?

これまで歌ってきたこと、今後も歌っていくこともそうですけど、やっぱり恋だなって。同じような言葉やフレーズも何度も出てくるから、変わらない部分に気付いたり、でも今の27歳のMACOだったらこんなこと思わないよなっていう、精神年齢の成長も感じられたりして。声も今とは違って若いなって思いますし。曲単位でいうと、やっぱり「LOVE」とか「We Are Never Ever Getting Back Together」は、その当時のことがすべて甦るというか、ターニングポイントだったなとも思います。

タイトルは『BEST LOVE MACO』。さきほど恋というキーワードも挙がりましたけど、そこをテーマにし続けているのは何故なんですか?

わたし、あんまり趣味がないし、友達も少ないし、何で自分が頑張れるか?っていう原動力が、恋愛なんですよね。恋愛体質っていう言葉もあるじゃないですか、自分は確実にそうなんだろうなって思っていて。相手から言われたことで嬉しくなったり、落ち込んだりとか、いい意味で自分を作ってくれてるものが恋愛だから。切っても切り離せないテーマなんだなって思います。

日常的に一番向き合っているものが恋なんですね。

そうですね! 常に考えている感じです。それをメモに残したものが曲作りにつながってきていて、ほとんどの曲が日常から生まれていますね。

では逆に、ここは変わったなっていう要素はありますか? 作り方や曲自体も含め。

多くの人に届けるため、MACOを応援してくれてる以外の人にも届けるためには、独りよがりではダメだなって気づいた時期があって。そこからは、サビの頭を聴きやすく耳に残る感じにしていて、そこが一番変わったところかなと思います。前はそういうことを全然気にしないで作っていたんですけど、今は耳にガツンとくるような言葉や譜割りとかを考えるようになっていて、そういう部分は変わったと思います。(以前は)わたしが書いた歌詞が意味がわからないって言われることも多かったんですよ。

そういう意味で「これは苦労したな」っていう曲はあります?

苦労した曲は……最近だと「恋するヒトミ」は歌詞も歌入れの部分でも、かなり苦労しました。声の出し方とか、キーもめちゃ高いし……歌詞も何度も書き直したんですよ。女の子への応援ソングだったので、「頑張ろうって思えるパワフルな歌詞を」って言われて、すっごい難しかったです。

それは、それまでの自分の中にない要素だったから?

なかったですね。みんなに向けて応援歌を書こうとか、あまり思わなかったので。キャッチーに聴こえるようにしたかったし、アキュビューさんのCM曲だったので、何十秒とかでみんなの耳に届くような言葉選びで、でもMACOの想いもちゃんとそこに入っているような、言葉のチョイスが難しくて。揉めましたね(笑)。

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