ラブソングを歌ってるけど、ライブではみんなに楽しんで壊れてほしい

ライブに関するお話もさせてください。まず、先日ツアーが終わりましたが、そこではどんなことを感じながら回りましたか?

とにかく、自分自身を解放できるライブを心がけていました。

それは気持ちの部分で?

はい。あまり自分を作りすぎずに自分らしくいた方が……みんな笑ってくれるんですよ(笑)。わたし、MCのトークが下手なので、いつもその部分で「どうしようどうしよう」っていう感じだったんですけど、自分を解放して、長くなってもいいから言いたいことを言って自分を見せていくと、みんなそれに着いてきてくれるというか。
それに今までは、例えば腕をめっちゃ上げてるつもりでも、映像で見ると全然上がってなかったり、一生懸命踊ってるつもりでも動きが小っちゃくて冷めてるように見えるなって。だから、もっともっと頑張らないとちゃんと伝わらないと思って振り切った部分もあったし、トークの部分でもいつもの話し方で話すとみんなも顔が緩む。帰る頃には「これがMACOのライブなんだ」と思ってもらえたと思います、今回のツアーは。

それまでは「とっちらからないようにしよう」と思いすぎていた。

そうです。とっちらからないようにしゃべると、余計にとっちらかって、もうライブが終わった後にスタッフさんも何も言ってくれない、みたいな(笑)。でも、ライブとかの場では自分が「これが正しい」「これでいいんだ」って自信をもって突き進むと、それが正解になるので。周りの人が「それはダメだよ」って言えないくらいMACOが楽しんでいたら、オールOKみたいな(笑)、その原理に気づけました。

そういう気づきの積み重ねも含め、ライブの面でもデビューしてから今までで変わってきていますよね?

変わり続けてますね。会場が大きくなったことも毎年ツアーがやれているのも嬉しいし、昔はどうやって20曲以上のライブをやったらいいのかもわからなくて、保たなかったりすることもあったけど、今は自分のペースを見つけながら、ちゃんとしたクオリティになるように身体作りとかもできてきたかなと思います。でも、ライブ前に頑張りすぎてジムとか行きまくって、サウナも入りまくって……風邪ひいちゃって寝込んだりするっていう(笑)。だからまだまだだって思います。

ちなみにライブの理想像ってあります?

ロックのライブ会場みたいに、ここはみんなでめっちゃ手拍子するとか、ここは思いっきり一緒に歌うとか、そういう自由なライブができるアーティストになりたいなって思います。小さいころから、GLAYさんやX JAPANさんとかを聴いてきたから、こういうラブソングを歌ってるけど、みんなには楽しんで壊れてほしいんですよね。今日という日は今日しかないから、みんなで暴れてほしいっていう気持ちでいつもやってます。

となると、もっと元気な曲や激しい曲があっても面白いかも。

そうなんです。そういう曲が少ないんでたくさん増やしていきたいし、今のライブアンセムも、もっとみんなと一緒に掛け合いしたりできると思います。まだまだ作り上げてる途中なんですけど。

今までの話も踏まえ、このベスト盤を一つの区切りとして今後の活動に向けて思い描いていることはありますか?

若い子たちだけじゃなくてもっと上の世代の人にも聴いてもらいたいし、大きいところで単独のライブをできるようなアーティストになっていきたいですね。

歌っていく内容はこれからも恋に関することがメインになりそうですか?

そうですね。今も書き留めている内容は全部恋についてだし、恋愛からは逃れられないのかなって(笑)。でも、年を重ねると恋愛にしても違った感情にもなっていくんだろうなって思うので、それも楽しみだったりします。

取材・文=風間大洋

(3/3)