危機を乗り越え、新たな一歩を踏み出す新曲を発表

ぞんびが新曲『すべてが終わる夜に/肉食バクテリアン』を7月17日にリリースする。壮大なバラードとアニソンを彷彿させる両極端の2曲だ。しかし、この曲たちをリリースするまでに、バンドには大きな変化が起きていた――ギタリストの脱退とそれに伴うリリース日の延期である。メンバーが脱退すれば活動休止や解散を余儀なくされるバンドも多い中で、ぞんびは前に進むことを選んだ。それどころか、彼らはゲストギタリストにlynch.の玲央とゴールデンボンバーなどのアレンジャーとして名高いtatsuoを迎えるなど、攻めの姿勢を貫く。今回は、新曲に込めた思いだけでなくバンドの今とこれからについても語ってもらった。


「すべてが終わる夜に」に込めた「本物の歌モノ」への思い

新曲は「すべてが終わる夜に」という壮大なバラードと、「肉食バクテリアン」というアップテンポなナンバーです。振り幅が大きい2曲になりましたね。

青井ミドリ:「すべてが終わる夜に」は、バラードを表題曲にしようと自分の中でテーマを設定して作りました。絶対的に良いメロディーと良い歌詞の曲を作ろうと決めていましたね。その中でも“虚無感に浸れるアレンジ”にこだわっています。ぞんびの曲はあえてふざけた歌詞やダサい歌詞にすることがあるんですけど、「すべてが終わる夜に」にはそれらとは一線を画する歌詞になっています。僕の身の回りで起きたことも歌詞に含まれているので、リアルな歌詞ですね。

どうしてバラードを表題曲にしようと?

青井ミドリ:本物の歌モノを作りたいと思ったんですよね。去年、Mr.Childrenさんのライブを見に行ったんですけど、その時に歌詞もメロディーも一緒に刺さってくる感覚があって。一方でビジュアル系シーンでは、そういう響く歌モノがシングルになることが少ないと思ったんです。だから表題曲を飾れるほどのバラードを作りたいって。

思った通りのバラードが出来上がりましたか?

青井ミドリ:良い曲ができた時は「作れた!」という達成感と同時に、「これより良い曲は書けない」という感覚も襲ってくるんですけど、今は「すべてが終わる夜に」を超える曲を作ることが僕のテーマになるほど、気に入っていますね。

奏多:俺もずっとバラードを歌いたかったんです。これまでのぞんびは、バラード曲が少なかったんで。だから初めて聴いた時は「ミドリはすごいバラードを作ってきたな!」と驚きましたね。歌うとなると難しい曲なんですけど(笑)。

青井ミドリ:たぶんこれまでのぞんびの曲の中で一番キーが高いよね。本当は半音下げる予定だったし、曲の最後の転調もなかったんです。でもね、最後が半音上がることによって……。

奏多:かっこよくなるんですよ!

曲がぐっと締まりますよね。ただ、ボーカルは最後まで気を抜けなそうですね。

奏多:そうなんですよー。本当に、歌うのが嫌ですね(笑)。

一同:あははは(爆笑)

REIKA:バラードはドラムを技量の面から試してくる部分があるんです。だから音の強弱の付け方や、ハイハットを叩く位置もこだわりました。バラードは誤魔化しが効利かないんですよね。

奏多:そうそう! バラードだと、ファンの人も音に集中するから誤魔化すとすぐばれちゃう。しかもこの曲は発売を延期しちゃった曲でもあるので、期待が高まっていると思うんですよね。ライブでは披露しているのに、全然音源では聴けていないですから。

青井ミドリ:よく考えたら1月の終わりにライブで初披露だったんですよ。それから半年経ってようやくリリースですからね(笑)。

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