lynch.の玲央さんのギターが、僕たちに足りないものを埋めてくれました

奏多:でもlynch.の玲央さんがゲストギタリストとして参加してくださって。

青井ミドリ :実は一度この曲は完成していたんですけど、脱退したギターの翔には僕がデモで弾いたギターのフレーズをそのまま弾いてもらうような形でレコーディングをしていたので、出来上がったものを聴いていて、正直何かが足りないっていうのはずっと引っかかっていたんですね。

ぶっちゃけちゃうんですね。

青井ミドリ:そうですね。でも今回は玲央さんにギターを入れてもらったことによって、「自分に足りなかったものはこれだ!」と分かったんです。玲央さんにギターを弾いてもらう事がなければこの先も気付くことが出来なかったかも知れないし、今後曲を作っていく上でも玲央さんから学んだことはすごく大きかったですね。

REIKA:僕もデモから聴いていたので完成版との違いがわかるんですけど、同じことを思いました。それに、僕は10年前ぐらいから今も変わらずlynch.がずっと大好きなんです。その憧れの存在である玲央さんが参加してくれたこともあって、音源を聴きながら感動していました。

青井ミドリ:音もフレーズも完全に玲央さん節でニュアンスも玲央さんにしか出せない音なので、自分が作った曲に合わさったものを聴いた時は本当に感慨深かったです。SNSでも玲央さんへの思いを綴らせてもらいましたけど、お願いさせていただいた時も「曲を送ってね」と仰っていただいて。それですぐに送ったらその返事に「今はライブが終わったばっかりで耳が馬鹿になっているので、明日ちゃんと耳が落ち着いたときに曲を聴かせていただきます」と書いてあったんです。玲央さんは昔から憧れていた先輩なので、自分が作った曲を聴いてもらえるだけで嬉しかったですね。

「肉食バクテリアン」で悲願のアニメタイアップを狙う!?

「すべてが終わる夜に」から一転して、「肉食バクテリアン」は全然タイプの違う曲ですね。

青井ミドリ:アニメーションのMVっぽくしたくて作った曲ですね。僕は神様に「何が欲しい?」と言われたら「アニメのタイアップが欲しいです」と答えると思うくらいアニメのタイアップが欲しいんです(笑)。だから、タイアップっぽい曲を作ってみたらどうなるんだろうと思ったんですよね。アニソンがイメージなので、曲が始まった瞬間に曲名がバーンって聴こえてきたらぽいかな、というところから組み立てていきました。

奏多:「肉食バクテリアン」は「すべてが終わる夜に」の後に連続してレコーディングしたんです。だから自分を馬鹿にしてハッピーな気持ちで歌えましたね。バラードを歌い終えた解放感もありましたし(笑)。この曲はライブで踊れる曲でもありますし、これからのライブのセットリストに常に入ってくるんじゃないかな。それくらいお客さんも楽しんでくれていますね。

REIKA:ぞんびのライブを初めて見る方も、一回聴けば覚えられると思います。「バクテリアンって歌ってたな」って思い出しやすい言葉も歌詞に入っていますし。サビの振りもツアー中にお客さんに「どういうのが良い?」って聞いていくうちにどんどん変化していきました。ライブで盛り上がっている画がぱっと思い浮かびます。僕たちのこれまでの曲でいう「細菌マン」ができたときの「早くライブで演りたい!」という気持ちに近いものを感じます。

アニメのタイアップをイメージしたとは知らないで聴いたので、応援ソングの側面もあるように感じました。

奏多:そんな応援ソングな感じがあるんですか? そんなに深くは考えてなかったです。まぁ、「バクテリアンの歌なんだな」としか(笑)。

一同:あははは(爆笑)

“真に悪と成れ”というフレーズも聴いたことがありませんでした。

奏多:そっかそっかー! いただきます、それ! 悪役応援ソングということにしておこう(笑)。

青井ミドリ:ぞんびは一般的に言われていることとは違うことを歌うときがあるんですよ。僕は幼い頃からアニメが好きで、その中でも悪役が好きだったんですよね。例えば、アンパンマンだとアンパンマンが正義で、誰もがアンパンマンを応援するじゃないですか。でも、悪役のバイキンマンが好きな僕から見ると「アンパンマンは悪かもしれない」って思っていたんです。当時から、悪だと決めつけることに違和感を持っていたんですよね。そういった「正義が悪にも、悪が正義にもなるんじゃないか」という思いが歌詞になっています。

ギターはtatsuoさんが弾いてらっしゃいますね。

青井ミドリ :tatsuoさんも音の説得力が凄いですよね。tatsuoさんにはもっとアレンジしてくださってもいいのにと思えるほど忠実に弾いていただきました。おそらく僕がこだわりが強いことを知っていて、気を使わせてしまったんじゃないかなと思います(笑)。それでも、tatsuoさんにしか出せないニュアンスが入っているので、「肉食バクテリアン」の魅力の一つになっていますね。

REIKA:リフももちろんtatsuoさんの音なので力強いですし、ライブでもtatsuoさんの音に合わせると気持ち良いですね。特にバスドラをリフとユニゾンさせる箇所は大好きです。

奏多:今、サポートギタリストを入れてライブをしているんですけど、この2曲を弾くのはハードルが高いと思いますよ(笑)。

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