今は『真夏の死闘-2019- 恐怖の2MANバトル編』中ですね。改めて2マンライブで気づくぞんびの魅力などありますか?
奏多:自分たちで自分たちの魅力は言いづらいですね(笑)。でも、今はバンドの状態がすごく良いですよ。確かにギターが抜けて痛手はありましたけど、それをきっかけに玲央さんやtatsuoさんが弾いてくれる機会にも恵まれましたし。ライブでもマイナスを感じることはないですね。俺らを応援してくれているファンの人たちに次に進む姿勢を見せていきたいです。
青井ミドリ:確かにあのまま4人のぞんびであればファンの人も幸せだったと思います。自分たちも4人でいられるなら、その選択肢を選んでいたはずです。でも、3人になった以上はあの出来事がぞんびが変わるきっかけを作ってくれたと考えられるようになりました。ファンの人の気持をネガティブな方向に動かしてしまったので、反対に今は「どうやって楽しませようか」と考えています。
REIKA:最初は驚きもショックもありましたけど、落ちるところまで落ちたら、後はもう上がるしかないんです。前にも増してミーティングしたりライブについて話すことも増えて団結力も強まりましたしね。脱退したメンバーから仕事を引き継いだりもして、例えばドウキを僕が組むようになって、練習を早くからできるようにもなったんですよ。
逆境を活かしているんですね。
青井ミドリ :今まででも「バンドはいつ解散するかわからない」と口にはしてきましたけど、実際に「もしかしたら本当に解散するかも」という状況にまではなったことがなかったんです。でも今回は「4人じゃないぞんびなら解散させよう」と本当になっていたかもしれなくて。それでも「3人で続けていこう」と思えたのは奇跡ですし、バンドができる有り難さを改めて痛感しましたね。
REIKA:最近はみんなでお茶したりしますし。
奏多:ミーティングの時間が増えたんですよ。
青井ミドリ:「感染家族」というゾンビ映画の試写会も3人で見に行きましたし(笑)。
奏多:どんどんゾンビ映画のタイアップを取っていきたいよね(笑)。
ツーマンツアーが終わったら『真夏の死闘-2019- 恐怖の東名阪ワンマンツアー編」』が始まりますね。
奏多:もしかしたらファンの人もまだちょっと心配している方もいるかもしれないですよね。
青井ミドリ:バンドが危機状態になっても付いてきてくれる人は、本当に有り難い存在ですよね。脱退したメンバーのファンの人も来てくれたりするんですよ。
奏多:ぞんびというバンド自体を見てくれているんだなと思えて嬉しいよね。この2曲が手元に届いてからのツアーになるので、これまでとは違った形で曲を聴かせられたらと思っています。
REIKA:今の3人になって初めてのワンマンツアーですから、これまでとは全く違ったツアーになるかもしれませんね。あと、ぞんびとしてはミドリさんの生誕祭で初めて岐阜でライブができることが嬉しいですね。それから、個人的にはビジュアル系の聖地でもある高田馬場AREAでファイナルができることも嬉しいです。AREAでのワンマンは初めてなんですよ。
未来に向かって走っていますね。これは深読みですけど、ギタリストの脱退もあって、ファンの方も迷いや不安があるかもしれない中で「すべてが終わる夜に」の最後では、ファンの方へのメッセージとも受け取れる歌詞もありました。
青井ミドリ:曲の解釈に一つの正解はないですけど、そうやって自分のことなのかな?と思って聴いてもらえるとすごく嬉しいですね。
REIKA:その部分、すごいですよね。リンクしたんだと思います。
奏多:聴いてもらって、一人一人が「すべてが終わる夜に」と「肉食バクテリアン」を自分の曲にしてほしいですね。そうすると、ライブでの聴こえ方も変わってくるはずです。
青井ミドリが話しているように、ギタリストが脱退した中でも「3人で続けていこうと思えたのは奇跡」である。そればかりかlynch.の玲央とtatsuoといったシーンを牽引するギタリストと共に「すべてが終わる夜に」と「肉食バクテリアン」の2曲を作り上げた。さらには、「ファンもぞんびという”バンド”を応援してくれている」と話す。その魅力はこの新曲とライブ会場で体感できるであろう。困難を乗り越えたバンドは以前にも増して輝く。逆境から這い上がる3人のぞんびをぜひ目撃して欲しい。
取材・文=神谷敦彦
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