RUSH BALL 2018　ポルカドットスティングレイ

「泉大津フェニックスのみんなのハートをブチ抜きにきました！」(雫・vo/g、以下同)と開始早々オーディエンスを盛り上げたのは、昨年のATMC出演から僅か1年でメインステージへと躍り出たポルカドットスティングレイだ。つんざくギターからいきなりの代表曲「テレキャスター・ストライプ」を披露し、クラップやジャンプが全方位で巻き起こる沸点にまで一気に到達。トリッキーなギターリフを抜けサビで爽快感へと昇華する「BLUE」といい、灼熱の泉大津に珠玉のポップソングを次々と投げ込んでいく4人。

「暑くない？ みんな大丈夫！？」と時折、観客をねぎらいつつ、「『RUSH BALL』20周年おめでとうございます！ 去年、初めてフェスに出させてもらって、晴れて今回はメインステージに立つことができました。でも、さっきキュウソ(ネコカミ)が《メジャーに行って1、2年で消えるバンド多過ぎクソワロタ》(「ビビった」)って歌ってたのを聴いて、響きまくってました（笑）。来年も再来年も会いに来てくださいね！」なんて場を沸かせるのもさすが。「今日はまだまだみんなの体力を使わせるぞ！」と始まった「パンドラボックス」でも、フロント3人がステージの最前線に居並ぶ姿は壮観で、華奢な身体で大きなステージを掌握する雫のボーカリストとしての華と存在感は、立つべくして立っているという佇まい。「エレクトリック・パブリック」における「SAY YESマン(マネージャー)」のコール&レスポンス指南も、飲み込みの早い『RUSH BALL』のオーディエンスは難なくこなし、ギターヒーロー・エジマハルシ（g）の高速カッティングも凄まじい「シンクロニシカ」とたたみかける！

「こんなに暑い中、ポルカドットスティングレイのステージを観るという選択をしてくれてありがとう。最後まで踊ってくれますか！？」と、ラストは「ICHIDAIJI」を。「みんな大好き！」と何度も伝えた雫の言葉に嘘がないのは、ステージで音楽を奏でる歓びを全身で感じた4人だからこその素直な気持ちであり、『RUSH BALL』を、ポルカドットスティングレイを選んでくれた、オーディエンスへの最大級の感謝とも言えるだろう。
 

文＝奥“ボウイ”昌史　撮影＝河上良

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