デジタルのファンクラブがオープンするまでの準備期間はいかがでしたか。

去年デジタルに移行することを決め、半年かけて会員さんに説明しました。移行する経緯や、料金のこと、私たちの気持ちなどを、会報誌やSNSを通じてお話ししながら、行き届かなかったかもしれませんが、できる限り丁寧に準備したつもりです。

私もスタッフも初心者で、コンテンツを構築するにあたり、ライブ配信や、記事や動画を投稿する方法など、やってみると「意外と手軽にできる!」と発見の日々でした。デジタルに抵抗のある方たちにもわかってもらえるように、ご縁を大切に、これからも繋がりを大事にしていきたいです。

ファンクラブが立ち上がって1ヶ月経った今の心境はいかがですか。

まず、デジタルファンクラブでは「昨日起こったことを今日のうちに伝えたい」というスピーディーな情報発信ができるようになりました。

ファンからのメッセージやお手紙への返信もスムーズにできるようになりました。デジタルファンクラブだと、ラジオであったり動画であったりと、いただいたメッセージに対してすぐに「ありがとう」と返せる場があるんです!

コロナ禍でコンサートが中止になってしまった時にも「残念だった」というみんなの意見に対して「残念だったね」とすぐ共感できたり、「この公演は延期になるんですか、やっぱり中止ですか」というみんなの心配を汲んだ上で「緊急事態宣言があって」などの事情があることを話せるようになりました。例えば「いま開催について会館の人といろいろ交渉しています」という情報を伝えられたら、皆さんも「そうなのか」と少し安心できますよね。そうした気持ちの交流が、その時の私にとっても大きな助けになりました。

Bitfanで、お気に入りの機能や使ってみたい機能はありますか。

劇的にすごいと感じたのは、パソコン1つで配信できちゃうということですね。

皆さんにURLを送るだけで、そこから簡単に視聴開始できるというのも大きいですよね。Zoomなどの他のシステムを使っているとカメラやマイクの設定がちょっと複雑だったりもしますが、BitfanであればURLをクリックするだけで映像が観られて、気楽にチャットでコメントができるし、音も映像もすごく良くて、シンプルで簡単に繋がれるのがよかったですね。しかも大きな通信のトラブルもなく配信できたので本当に感動しました。

手軽に配信ができるようになったことで、コロナ禍が明けた後でも、会場に行けない人たちにリアルタイムで音楽を届けることができますよね。リモートの良いところは、入院していらっしゃる方や、移動が不自由な方、遠くにいるファンの方も一緒に参加できるというところだと思います。

すごく嬉しかったのが、農業をしていてなかなか東京に来られないという方が「配信であればリアルタイムに観られなくても後でアーカイブを観られるので、奥さんと一緒に観ます」という言葉をもらえたんですよね。「これさえあればどこでも観られるからね」と言えるツールの1つを手に入れられたのが、私にとってはとても大きいことでした。

あと、月会費だから気軽に入れた方もいらっしゃると感じています。これまでの私の悩み事の一つとして、意外と女性の会員が少ないということがあったのですが、月額制のBitfanにしてからは女性会員が増えました。それが嬉しかったですね。気楽に「辛島さん何やってるのかしら」と覗きに来てくれる方が増えたのがとても嬉しいです。

今後、ファンクラブでやってみたいことはありますか。

たくさんありますが、一つ目は、コンサートの後に生配信機能を使って映像を一緒に見ながら「あの時はこうだったよね」「この時、実は焦っちゃった」とか皆さんと振り返りトークをしてみたいです。

二つ目は、ファンクラブイベントです。これまでも年に1,2回くらいファンクラブミーティングやファンクラブツアーをしていました。去年は旅行会社と協力して、ナイアガラの滝を見に行こうというオンラインファンクラブツアーを企画したんです。バーチャルで秋のカナダを旅行しながら、バーチャル背景の紅葉の中にキーボードだけを置いて、あたかも落ち葉の中で歌っているかのようなミニライブをしたりしたんですよ。

ファンの中でも「また旅行したいよね」という意見があるので、本当ならリアルで開催できたら一番いいのですが恐らくまだ無理そうですよね。なので、それに近いことができたらいいなと思っています。今年は今年なりの形で開催できたらと思います。

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