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Aimer @ 上野学園ホール(広島県)

2019/11/03 (日) 17:00開演

今回はライト・イルミネーションが工夫されていて,視覚効果が高く,雰囲気は良かった。ライブの流れも自然で,聴きやすかったが,逆にメリハリは薄く?感動もなかった。途中,余りスピーチもなく,終盤まで順調に進んでいると思っていたら,最後に少し長めの話が‥,やはりまだ若いか,少し耐え難く感じる。それでも,アンコールの2曲は良かった。キーボードとの2ピースで,ヴォーカルが際立つバラードは,やはりいい。 バックは今回も若かったが,まとまりは良かった。ドラムのスネアはまた今一つだったが,スローな曲はおかずも含め悪くなかった。ギターは2本。1曲目はハードで,2本ともレスポール系ハムバッカーの厚い音だが,ディストーションが粗く聴き難かった。その後は,シングルコイルの乾いた音やアコースティックギターなど色々と音色を変えていた。前回よりは,バックはしっかりしていたかな。 彼女の声が生きる歌ってどんなだろう。原点回帰もいいけれど,静かでメローなだけでは多分物足りない。最近なら,「I Beg You」はサウンドも,詩も曲も良かった。梶浦の技もあるが,ドキッとするようなフレーズをあの声で唄われたら堪らない。詩に棘があっていい。サウンドもハードでもいい。内面も,もっと過激に表現していい,あの歌声はやはり貴重だから。

昨年に続き,二度目のライブということもあり,こちらも気楽に聴けた。ライブの方は,スタートは少しハードな「あかずの踏切」。バックの音が少しばらついていて,ヴォーカルの音も小さく,ちょっとコケ気味。しかし,続くアジアの純真では会場のノリも良く,少しずつ馴染んでいく。とは言え,未だおしゃべりも少なく,少しぎこちなさが残る。でも,アコースティック・ギターで唄う「神無月にかこまれて」は,やはりヴォーカルが冴え,聴きごたえがあった。歌い方も昔ながらのストレートな歌い方で,高音もきれいに伸びていた。初期の頃の素の声や歌い方が好きな自分としては大満足。子供のために作ったと初めて知った「海へ来なさい」も改めて詩を噛み締めることができた。小学生時代に聴いた「カンドレ・マンドレ」は意外と歌詞を覚えていて,つい一緒になってあの呪文を唱えてしまった(笑)。今更だが,やはり陽水の「おしゃべり」は大事かもしれない。少し控え気味の聴衆も,ずっと和んで会場の一体感につながる。微妙な「間」もその空気感も陽水らしい。いつの間にか,終盤となり,終わってみれば,来て良かったと改めて感じる。今回は何んの予習もしていなかったが,数日前に,偶々FMの「今日は一日,陽水三昧」を少しだけ耳にし,色々と昔を思い出していた。「最後のニュース」を聴くといつも筑紫哲也の姿を思い出す。請われたからこそ,この歌が生まれた,本当に感謝したい。「傘がない」,聞く時々で思いが異なる。まだまだ歌声は若い。またライブが聴けるかな。

三つ揃えのスーツ姿がビックバンドっぽさを感じる面々。レヴィンのスキンヘッドも年相応に馴染み,フィリップ卿も穏やかになっていた。思いのほか懐かしい初期の曲も多く,有り難かった。トリプルドラムに不安もあったが,出だしは上々,「21世紀の精神異常者」では圧巻。このために揃えたのかとも思えるほどの迫力。レヴィンのベースは文句なし。フィリップのギターは控えめだった。ヴォーカルやコリンズはちょっと残念。EasyMoneyを聞くと,やはりJohnWettonの魅力ある声が欲しい。Epitaphを聞くとGregLakeの澄んだ声が,Islandsを聞くとBozの枯れた声が,と今や叶わぬことを望んでしまう。Redや太陽と戦慄PtⅡでは,Wettonのベースラインの凄さを改めて感じ,それはLakeも同様。ブラフォードやジャイルズのドラムも,そのイメージが重なると,今更ながら個性的で凄かったんだと感じる。やはりオリジナルの強烈なイメージが強く,メンバー間の火花も含め,当時は凄かったんだなと。そんな刺激はないが,それでも,Starless,CrimsonKingの宮殿などなど,後半になるにつれてアルバムのアレンジに近づく充実した演奏も聴け,感涙もの。この編成で4枚目からの選曲は無いと思っていただけに,Islandsでは泣けてしまった。聴衆の反応を含め,名演と言えるかどうかはあるが,この歳になってKingCrimsonのライヴが聴けることに本当に感謝したい。

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