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フェス特集2024

Lee Hi

イ・ハイ

Lee Hi

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LEE HI 1st JAPAN TOUR 2018

2018/01/27 (土) 18:00開演 @ カルッツかわさき (川崎市スポーツ・文化総合センター) ホール(神奈川県)

ひらりさん

遅ればせながら本日が2018年のライブ初め。韓国の実力派女性シンガーである Lee Hi(イ・ハイ)の来日公演へ出かけて参りました。 2012年のデビューから、小柄な女性らしからぬ低音域の歌声を「売り」に魅力的な楽曲を数多く発表し、すでに韓国内で高い人気を獲得している彼女。日本ではこれまで、CD発売はおろか楽曲配信の取扱いですらディスコグラフィの一部に限られていましたが、昨年の秋に何の前触れも無く日本プロモーションが告知され、旧譜の配信開始と並行して日本での単独公演がようやく実現したのですから、船便で取り寄せたCDを長年聴いてきた私も大きな期待を持ってこの日を迎えました。 会場の入口前で有志の方々が配布するA4サイズのスローガン(アンコール時に客席でこれを一斉に掲げる「ファン企画のサプライズ」とのこと)を受け取り場内へ。ロビーではツアーグッズ販売や新譜の予約受付が行われていましたが、落ち着いたファン層(女性9:男性1)のためか嬌声などはあまり聞かれず目立った混乱もありません。チケットに記載された1階6列目の座席に腰を下ろすとステージはもう目と鼻の先で、振り返り見た1階から3階までの2,000席が観客で埋まっている眺めは本当に壮観でした。 開演予定時刻、照明が暗転してゆっくり緞帳が上がると、4人編成のバンド(ギター・ベース・ドラムス・キーボード)を従えた彼女が舞台中央に現れて場内は大歓声に包まれました。ところがオープニング曲のイントロが演奏されるやその歓声は更に大きなものに。なぜならその曲がまさかの "Breathe" だったから。 SHINee のメンバーであり先月若くして急逝したジョンヒョンがイ・ハイのために作詞作曲を手掛け、彼の遺作として素晴らしさが再評価されたこの曲。最近の注目度や切なすぎるメロディから、ライブのメインとして終盤の演奏を予想した人が多かったのでしょう。歓声に混ざった多くのどよめきが如実にそのことを語っているかのようで、周囲の客席では目頭を押さえる人たちの姿も。 しかし本当に驚くべきだったのは期待していた歌唱力で、これがまさしく出色の出来。パフォーマンス後に「私がとても気に入っている特別な曲なんです」と紹介された "Fool For Love" と "Special" までのわずか3曲のみで、魅力的な声質はもちろん、少しクセのある心地良い歌いまわしによって思わず体が揺れてしまう。豊かな声量の伸びとキレが曲の世界観にあわせて絶妙に変わり、その素晴らしさは筆舌に尽くし難い。加えて、ライブ全体の印象を左右するセットリストは、序盤の「静」から終盤の「動」へと構成されていて万人が理解しやすいと思えたし、徐々に強まるビートに呼応するかのごとく客席の興奮が高まっていく様子を肌で感じることができました。 全ての歌唱パフォーマンスが秀逸だったのですが、強いて印象深く記憶に残ったものを挙げるとすれば以下の通り。 [Breathe] 興奮に満ちた場内の空気が一瞬で変わり、全ての観客がステージに引き込まれたのがわかった。常人離れした歌唱力が客席に与えた衝撃度はあまりにも大きすぎて計り知れない。 [Special] "You are so special to me" のフレーズを歌いながら、客席へ向けて何度も繰り返す手かざしの仕草で「(客席の)あなたたちは私にとって特別な人なの」というメッセージを体現。このライブにかける彼女の覚悟も伝わってきて思わず胸が熱くなった。 [Rose] アコースティック・ギター1本のみの演奏で歌い上げた特別バージョン。オリジナルより優しく響いたその音にゆったりと浸っているようで、とても幸せな気分になれました。 [Gangsta] カバーにまさかの Kehlani。果たしてこの会場に彼女やその曲を知っている観客が何人いたのか。MCで「最近のお気に入りです」との説明があり、この思い切った選曲はお気に入りシンガーが被った私にとって最高のプレゼント。 [World Tour] この公演が実現した喜びを表すかのように、CDよりエッジの効いた音が聴けた圧巻のパフォーマンスは本編のトリに相応しく、彼女と一緒に "I Wanna World Tour"、"Don't Think About It" のフレーズを連呼したコール&レスポンスは本当に気持ち良かった。 [1,2,3,4] 公演の途中からこの曲の大トリと盛り上がりを予想できたが、その期待をはるかに超えて客席の興奮を最大値に引き上げた。彼女から発散される熱い思いと、曲の持つポテンシャルが劇的に融合。緞帳が下りた終演後も体の火照りがしばらくおさまらなくて困った。 歌唱力以外でも驚かされたことがいくつかあって、日本語のMCがあまりにも流暢だったことはその一つでした。 [オープニングの3曲を終えて]   ハイ:「今は1月ですが、みなさんは今年の目標はたてましたか?」   客席:「まだー」   ハイ:「え、なんで? たててないの?」      「私は日本語の勉強(をがんばっています)」      「このあいだ教科書にダイエットのことが載っていて本当に共感しました」      「みなさんもわかりますよね」   客席:「しなくても大丈夫ー」   ハイ:「んー、わかりませんかな?」   客席:「(爆笑)」 ["Up All Night" で共演した Epik High のメンバーについて]   ハイ:「Epik High のお兄さんたちは.....」      「うん? バビさんはお兄さんですけど.....」      「お兄さん(オッパ)ですか? おじさん(アジョシ)??」   客席:「アジョシー」   ハイ:「あー、おじさん」   客席:「(大爆笑)」 なんて、客席とのコミュニケーションを全て通訳無しで行う姿に、私自身も「もっと英語の勉強をしっかりやらなきゃ」と反省してみたりして。 そして、客席へ向けて「あおり」や「コール&レスポンス」を積極的に何度も仕掛けていたことも。私の知る彼女のステージはどっしり構えて卓越した歌唱力を見せつけるような印象が強く、こういったアクションはおそらく苦手なのだろうと勝手に思っていたのです。最近公開されたインタビューでは、日本デビューに対する並々ならぬ意気込みを語っていた彼女ですが、舞台上で新たな一面を披露することでその本気度を見せてくれた気がしてちょっと感動しましたね。 舞台上には定番の大型スクリーンが設置されず、目立ったセットは天井中央から吊られたシャンデリアがただ一つ。MCは簡潔に短く、衣装替えも1回のみ(アンコール時にツアーTシャツ姿になっただけw)と、音だけで勝負するスピリットを存分に感じさせてくれた今夜のライブは、様々な曲の魅力を凝縮して短時間で一気に解き放ったかのようで、その強烈なインパクトを直撃されてしまうと、アイドル性の強い数々のグループがしのぎを削る日本のK-POP勢力図を彼女が塗り替えてしまうのでは、と本気で思わずにはいられませんでした。またチャンスがあればぜひ会場まで足を運びたいな。

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