ライブレポート
RUSH BALL 2018 キュウソネコカミ
拍手喝采に迎えられ、登場したキュウソネコカミ。「『OTODAMA~音泉魂~』からやってきました、2年ぶりの『RUSH BALL』よろしく!」とヤマサキセイヤ(Vo/Gt)が挨拶して、「5RATS」でライブがスタート。同じこの泉大津フェニックスで開催されている『OTODAMA~音泉魂~』では常連でオオトリをつとめたこともある彼らが、イベントの枠を超え「どこまで俺ら行ける」、「誰にも負けない生き様ぶちかませ」と並々ならぬ気概で『RUSH BALL』のステージに再び立つ。
キュウソネコカミ
「メンヘラちゃん」に続く「KMTR645」では、キュウソのキャラクター・ネズミくんが登場。ネズミくんモデルのギターで、オカザワカズマ(Gt)がキレキレのギターソロをプレイし大歓声が起こる。さらに、スーパーショートなナンバー「家」で爆上げ。追い打ちをかけるようにして、BRAHMANへのリスペクトを込めたナンバー「TOSHI-LOWさん」を仕掛ける。ヤマサキがハンドマイクでフロアの最前に乗り込むと、観客に支えられながら、さらには服まで脱ぎ捨て歌う血沸き肉躍るシーンも。
キュウソネコカミ
キュウソネコカミ
ヤマサキがステージに戻ると、ヨコタシンノスケ(Key/Vo)が「楽しすぎてこいつが曲を飛ばすから! もう、それぐらい俺ら燃えてるぞおぉお!」と、曲順が変わったことを明かしていたが、確かにヤマサキもヨコタも、どこかいつも以上に声を荒げながら、叫ぶようにして歌っていたように思うし、リズム隊のカワクボタクロウ(Ba)もソゴウタイスケ(Dr)も一心不乱にビートを打ち鳴らすエネルギーに満ちていた。「ハッピーポンコツ」、「ビビった」と畳みかけられたキラーチューンを受けて、笑顔いっぱいにもみくちゃになるフロアの様子はいつも通りの熱狂状態なのだが、どこかいつもとは一味も二味も違う、気迫に満ち満ちていた。
キュウソネコカミ
キュウソネコカミ
「学生の頃から憧れてた『RUSH BALL』のステージ。いつかこのステージでトリをやるまで消えないぜ!」とヤマサキが叫んで、ロックバンドへの想いを綴った「The band」へ。“結婚”というフレーズがでると、スクリーンに映し出されたヨコタが薬指の指輪をアピール。バンドの変遷ともリンクして、グッと込み上げてくるものがあった個人的ハイライト。こうして「音楽を通じて救い合えている」と心底思える、そんなキュウソの「ライブが見れるの最高だね」って純然たる喜びを、改めて噛みしめながら共有できたアクトで泣きそうになった。いや、泣いている人もいた。ラストに「ウィーアーインディーズバンド!!」をぶちかます、初志一貫したキュウソのステージは間違いなくロックヒーローの風格だった。ライブ後、会場内を歩いていると、「ヤバすぎ!」、「優勝やろ、あんなもん……」と声を詰まらせた言葉が聞こえてきた。ドストレートに投げかけられたバンドの想いが、まっすぐ観客の胸に届いていた。
文=大西健斗 撮影=渡邉一生
キュウソネコカミ
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