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ひらりさんのレビュー
まさか、この3人が同じステージで演奏する姿を再び日本で観られようとは。それも3列目センターの良席で、となれば興奮も高まろうというものです。
再結成した Ben Folds Five の来日公演は、なんと13年ぶりのこと。待ち望んでいた観衆の期待が集約されたのがそのオープニングで、手拍子を促すように打ち込み電子音が響いて場内が暗転すると、早くも多くの観衆はスタンディングモードに。そして間髪入れずに「トーキョー、サイコー」というベンのシャウトで本編へ傾れ込んでいくという、あー、思い出しても鳥肌がたってしまふ。
今公演で多めにセレクトされた新作からの曲は、変わってしまった作風があまり好きではなかったのですが、こうして過去の楽曲と並べて綴ると、実に心地良く耳に馴染んでくるんだから、あら不思議。聴きながら思わず笑顔になってしまう真骨頂の楽しいメロディは相変わらずで、ちょっとした日本語を挟んでくるベンのMCが、度々「クスッ」と笑いを誘う場面(曲中に間を取る時、メンバーに「チョット、マッテ」とか言ってんの)や、恰幅のよいロバートがステージ上で懸命にジャンプしていたユーモラスな客席の煽り、今年80歳を迎えるウィリー・ネルソンへ、会場の皆で"Happy Birthday to You"を歌って贈る、なんて演奏以外の楽しみもたくさん散りばめられたステージでした。
アンコールで楽しみにしていた「金返せ」を一緒に歌い、13年待たされたフラストレーションは綺麗さっぱりと払拭された私なのでした。
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- 2020/10/23 (金) 18:08
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