一人のロックミュージシャンとしてのINORAN、15周年の集大成を見逃すな!

2013/03/05

INORAN

長きに渡り日本のロックシーンだけでなく海外のロックシーンをも見続けてきた音楽ライター“増田勇一”が3月23日に行われるINORANの15周年集大成となるライブへの寄稿文を寄せた。
現在の若いバンド達に大きな影響を与えたLUNA SEAというモンスターバンドのギタリストであり、また15年間ソロとしてもがき続けてきた一人のロックミュージシャンとしての答えがこのライブに込められることだろう。

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『前代未聞の2012年を経てきたINORANが、未踏の領域へと歩みを進める瞬間』

ソロ始動15周年を締め括るスペシャル・ライヴまで秒読み!

「何もかもが別々のことのようでありながら、実はすべてが繋がってる。単純な相乗効果とか反動とかじゃなくて。何かひとつ違ってたら、絶対こんなふうに今を迎えることもなかったはずだと思う」

この数年、過去に経験したことがないほどに濃密な時間経過を味わってきたというINORANは、2月も終わりに近付いたある日、こんなふうに語った。ソロ名義での活動開始から数えて15周年のアニヴァーサリー・イヤーだった昨年は、当然ながら『DIVE YOUTH,SONIC DIVE』と題された彼自身の最新アルバムを中心軸とする動きが貫かれてきた1年でもあったが、同時に彼はFEEDERのベーシストであるTAKAとの前々からの約束を果たすかのごとく、Muddy Apesとしての始動も果たしている。加えて、改めて説明するまでもないことだが、LUNA SEAという巨大な怪物が“復活のドラマ”を超越し、いよいよ本格的に新たな物語を綴り始めていたりもする。それらがすべて同じ時間軸のうえで同時進行してきたのだから、彼がどれほど充実した時を過ごし、いかに回転数を上げた状態にあったかはお察しいただけることだろう。

加えて去る2月23日には、かつて彼がKEN LLOYDと共に始動させたFAKE?の10周年アニヴァーサリー・ライヴが東京・渋谷O-EASTで開催され、超満員の観衆を前に盟友たちとの熱演を繰り広げていたりもする。このライヴに至る約5ヵ月間について着目してみると、彼が同期間中、計35本にも及ぶライヴを経てきた事実がわかる。この数字自体は、常にライヴハウス・ツアーに身を置いているバンドたちと比べれば、たいしたものではないかもしれない。しかしそこにLUNA SEAとしての日本武道館での6夜公演やアジア・ツアーをはじめ、ソロ、Muddy Apes、そしてFAKE?というすべての名義でのライヴが含まれていると言ったらどうだろう? その間に彼がステージ上で演奏してきた楽曲、リハーサル・スタジオで準備してきた楽曲の数を考えただけでも想像を絶するものがある。しかも各々の機会において、彼は異なった顔ぶれで演奏しているのだ。

こうしたINORANの活動ぶりを目にしながら、まるで“生き急いでいる”というふうに感じている読者も少なくないかもしれない。が、重要なのは、彼自身がそれぞれの機会から得られる刺激を自身にとっての栄養とし、それを循環させながらこうした日常を楽しんでいるということだろう。しかも彼の目的は何かしらの具体的な成果を上げることではなく、いわば“幸せになること”であり、彼を取り巻く人たちと“幸せを分かち合うこと”だったりもする。決して綺麗事として話をまとめようとしているわけではない。近年、ことにあの震災以降に彼がときおり口にしてきた「みんなが笑顔であれるように音楽で旅をする」といった言葉は、まさにそれを象徴するものだ。

実際、彼は音楽をパスポートとしながら、音楽的にも人間的にも信頼しあえる仲間たちと旅を重ねてきた。たとえばソロ名義で行なわれた昨年のヨーロッパ・ツアーでは、彼自身やメンバーたちを含めてたったの7人というミニマムなチームでの巡演を繰り広げてきた。しかも彼がそのツアーに持参したのはギター1本のみ。なかにはライヴハウスと呼ぶことにも無理があるようなバーでの演奏の機会も含まれていたという。客観的に考えれば、国内でこれほどの認知度と実績を持つ彼にとって、それは“どうしてもやらなければならないこと”ではなかったはずだ。が、信頼関係を共鳴させあう仲間たちとの旅に対する彼の欲求は、彼自身にさまざまなリスクをリスクと感じさせないほど強烈なものだったのだ。

加えて、そうした過酷ともいえる欧州ツアーのなかでINORANが痛感したことのひとつに、LUNA SEAというバンドの大きさというものがあった。LUNA SEAには『REBOOT』をキーワードとしながらのツアーの一環としてドイツを訪れた過去があるが、そのときのライヴの目撃者となった現地の数多くのファンたちとの再会を、彼はこの機会に果たすことになったのだ。そして現在の彼は、そうしたファンの笑顔と対峙する次の機会を楽しみにしているのだという。すなわち彼の動機は、「一度でいいからソロでヨーロッパをまわってみたかった」というものではなく、これは、この先にも当然のように繰り返されていくことになるはずなのだ。もちろんINORAN名義でのツアーに限ったことではない。たとえばMuddy Apesでの活動などについても同じことが言えるはずだ。

さて、そのINORANがこの3月23日、自身にとって初となるZepp Diver City Tokyoでのライヴを行なう。『Solo Works 15th Anniversary Final -Kick In My Head-』という公演タイトルからも明白であるように、これは彼のソロ・キャリア開始からの15周年を締めくくる集大成的な一夜となるはずだ。現在、彼のオフィシャル・サイトでは、この公演に向けての“聴きたい曲ランキング”の投票が始まっていたりもするが、おそらく過去15年間のさまざまな時代の欠片が散りばめられたステージになることだろう。が、当然そうした過去の総括ばかりにとどまるはずはなく、まさに彼自身にとってのネクスト・ステージへと向かう道程のキックオフに相当するライヴになるはずなのだ。

これまで、ジャンルの壁を超越しながら常に尖鋭的な音楽を響かせ続けてきたINORAN。そのクリエイティヴな活動の歴史を改めて振り返りつつ、その未来を想像しながら、この大切な夜を迎えたいものだ。最後に蛇足を承知で付け加えておくならば、この公演の先には、彼自身にも、彼の関わるどのバンドやプロジェクトにも、具体的なライヴの予定がまったく組まれていない。3月23日、Zepp Diver City Tokyo。彼の音楽を愛する人たちには当然ながらこの機会を逸して欲しくないし、ひとりでも多くの音楽ファンに、彼との再会、あるいは出会いを、この場で是非実現させ欲しいものである。

増田勇一



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【ライブ情報】
SOLO WORKS 15th ANNIVERSARY Final
-Kick In My Head-

3月23日(土) Zepp DiverCity
Open 16:30 / Start 17:30
立見 \4,500(税込)/DRINK代別
INFO : HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999

チケットは下記にて発売中!
■チケットぴあ http://t.pia.jp/ 0570-02-9999(P : 188-709)
■ローソンチケット http://l-tike.com/ 0570-084-9999 (L : 73460)
■イープラス http://eplus.jp

【INORAN 15 th ANNIVERSARY Final 特別企画】
-「聴きたい曲ランキングNo.1を決めよう!」-
3月23日Zepp DiverCity15周年記念ライブで聴きたい曲をリクエスト!

INORANソロ15周年ファイナルを飾るライブで、“聴きたい曲”ファン投票第一位になった曲を、3月23日Zepp DiverCityで演奏にて発表!
ソロデビューから現在に至るまでの楽曲の中から貴方のNo.1ソングを投票しませんか?

3月14日からカウントダウン方式で、第10位から毎日トップ10を発表!!(HP/twitter /facebook等)
皆様からのリクエストをお待ちしてます!

期間:3月1日15:00〜3月10日18:00迄
受付:request@inoran.org
*リクエストは一人一曲とさせて頂きます。
対象:INORANのソロ作品に限らせて頂きます。

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■ Live Fansのアーティスト情報ページ
[INORAN] https://www.livefans.jp/artists/4060

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