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ひらりさんのレビュー
入場時に手渡された「LEDリストバンド」が、装着した私の左手で場内の暗転と同時に点灯し、東京ドームの客席は色鮮やかな光の洪水に支配されました。女性客が9割以上を占めると思われる超満員の場内から地鳴りのような嬌声があがり、3年ぶりとなるテイラー・スウィフト来日公演の幕開けです。
ツアータイトルに冠した最新アルバム『Reputation』の楽曲をメインに据え、所々に誰もが知るビッグヒットを散りばめた魅力的な構成のこのツアーは、スタジアム級の会場のみで開催される壮大なもの。ダンサーとバックシンガーは超一流のパフォーマンスでライブの世界観を華々しくサポートし、巨大なスクリーンが縦横無尽にトランスフォームを繰り返す。聴覚だけでなく視覚をも強烈に刺激してくるこの仕掛け、果たして魅了されない者などいるのでしょうか。
まあとにかく、このショーに莫大なマネーが注ぎ込まれていることは間違いなく、アメリカのショービジネスを取り巻く金銭感覚にはたびたび驚かされますが、私が認識するエンタメの最高峰レベルは今夜確実に更新されました。
本音を言っちゃうと、デビュー当時のカントリー色を塗した楽曲に惹かれた身としては、強い音を軸に据えた最新アルバムなど、近年の彼女の作品には以前ほどのめり込むことができなかったのです。しかしながら、今回のようなスケール感を押し出したライブで近年の曲を聴くと「なんだ、カッコいいぞ」なんて思ってしまうのだから、いやはや人間の嗜好なんていい加減なものですな。
今回、私が購入した「VIP S席」は、10万円の価格が設定された「VIP SS席」に次ぐグレードでしたが、ステージを正面に見て左側にあったその席は、最高級席のエリアからわずか8列目。左側のメインステージと花道に接近していて、テイラーのパフォーマンスを何度も間近で堪能できました。
半値以下にしては上出来だろうと独りごち、友人から頼まれたTシャツも無事ゲット。旅行帰りにライブへ立ち寄る強行軍でしたが、これで文句を言ったらバチが当たりますね。
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- 2020/10/23 (金) 11:04
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