角松敏生
TOSHIKI KADOMATSU Live in KARUIZAWA 2024 "with Bipod & Strings"
2024/07/14 (日) 16:30 開演 @軽井沢大賀ホール (長野県)« 前へ| レビュー一覧へ (1/1) |次へ »
ゲストさんのレビュー
軽井沢大賀ホールで夏に開催されることが恒例となっている、角松敏生のライブに行った(私としては軽井沢ライブは初)。軽井沢でのライブは特に鍵盤奏者との企画で、今年は友成好宏と森俊之の2人(Bipod)に、弦楽器奏者の藤堂昌彦(ヴァイオリン)稲本有彩(チェロ)を加えての編成。
大賀ホールじたいがクラシック向けの優れた響きで定評のある場所とは聞いていたが、じっさい、無理をしない視界でちょうど見渡せる範囲の小ぶりのホールで、着席してみると、弦の響きや声の響きがとてもよく空間に馴染み、心地よく伝わってくるような気がした。天井からの照明も美しい。
絞られた編成での角松氏の楽曲を聴くと、あらためて、彼の声の響きの美しさや、つづられる歌詞の味わい深さ、それぞれに持ち味の違う友成氏、森氏、二人の奏者による、ピアノの音の繊細な響きや弾力あるリズム、重なりあい繋がりあいの感じなど、じっくり楽しむことができる。また、そこに弦楽器の優美でなめらかな音がさりげなく加わり、ふんわりとした空気感もある。曲によっては角松氏のアコギも登場する。
美しい響きと、軽妙なトークに耳を傾け、繋がっていき醸しだされる曲のイメージを、心に溶け込んでくるまま追っていると、いつの間にかコンサートも佳境に達する。この企画では定番曲とされる「氷の妖精」「リカー!!」のあたりからは手拍子も力強く、客席側の青いライトも点りだしていた。最後にはいつもながらの紙飛行機も飛ばさせてもらって、ひとときの夏のお祭り気分(笑)もあり。なんだかすぐに2時間半近くが経ち、アンコールでは角松氏が切々と歌い上げる「君にあげる」を胸に刻む気持ちで聴く。
すこし足を伸ばさないと味わえない、特別な場所での特別な時間だが、充足感のある貴重なライブだった。
- いいね! 24
- コメント 0
- 2024/07/16 (火) 04:36
« 前へ| レビュー一覧へ (1/1) |次へ »