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開催年

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Sam Smith @ Kアリーナ横浜(神奈川県)

2023/10/13 (金) 19:00開演

Harry Styles @ 有明アリーナ(東京都)

2023/03/24 (金) 19:00開演

先月行われた第65回グラミー賞において、年間最優秀アルバム賞を獲得したハリー・スタイルズ。これまでグラミー賞から見向きもされなかった彼の受賞故に大きな驚きを覚えたのですが、それも納得せざるを得ない2022年の大活躍。受賞作品となった「Harry's House」を私も何度聴いたことか。いよいよ機が熟して実現したこの日の来日公演は、果たして期待を遙かに上回り大きな満足感を得られたライブになりました。 とにかく楽しくてハッピーな気持ちになれる、前評判通りの1時間30分。スーパースターのライブにありがちな神々しいものを拝むというより、まるで気さくな近所の兄ちゃんがライブを演っているかのよう。その多くが日本語で行われたMCは、第一声で「WBCでの侍JAPAN優勝」に触れ、その後も「どこから来たの?」とか「君の名前は?」といった客席イジリを終始行うサービスっぷり。加えてこの日の座席はステージから2列目(A2ブロック)という神席で、気持ち的にも物理的にもステージまでは至近距離です。 披露されたセットリストには、前述した「Harry's House」からの曲を軸に多くのヒットソングが並びました。ダウンロードしたそれらの曲を普段から聴き、幅広いポップスの魅力を凝縮したような音だなあと感じていましたが、ナマ音で直撃された佳曲の数々はより親密に心地良く響いてきます。この音を含めて会場内に満ちた特別感が尋常ではないのですが、それを作り上げる最大の要因はハリー・スタイルズという彼のキャラクターあってこそ。超一流のエンターテイナーとなったその頼もしい姿を見るにつけ、もはやワン・ダイレクションのメンバーという冠が不要であることを改めて思い知らされました。 参戦のブランクを埋めて余りある盛り上がりを体感できた2023年のライブ初め。次回は4日後、ビョークのライブに参加します。

Little Simz @ KANDA SQUARE HALL(東京都)

2022/09/21 (水) 19:00開演

Billie Eilish @ 有明アリーナ(東京都)

2022/08/26 (金) 19:00開演

チケットを確保していながら公演中止の憂き目にあった2年前の悪夢が常に頭から離れず、今日まで「実際にライブを観られるのか」と半信半疑のまま。スマホで整理券を取得して無事にグッズ購入を終えた開場3時間前、ようやく実感が沸いてくるといった有様でした。 照明が落ちてイントロが場内に響くと、ソールドアウトとなっている客席からの歓声や悲鳴が交錯し、まるで大きな渦がうねるかのよう。彼女のカリスマ性による存在感が舞台上で突出しており、一時も目を離すことを許さないアーティストとしての凄みを体感できました。エレクトロポップのダウンテンポに属するほとんどの楽曲は、オーディオなどで聴いているとライブでの盛り上がりを想像しにくいのですが、実際にナマ音へ身を委ねるとそれが大きな間違いであることが分かります。体の内側から興奮がジンワリとせり上がってくるような感覚。コイツが自然と体を揺らしてしまうのですね。激しさこそありませんが、しっかり体温を上昇させてくれます。 曲間のMCにおいては、彼女の遊び心も垣間見え「ちょっと面白いことを試そうよ。次の曲で体勢を低くするように私が言うから、みんなは低くしてそこからジャンプね。わかるかな。みんなのバイブスは最高だから大丈夫だね」なんて提案も。全ての観衆が同じタイミングで遊んでいる様は、それはそれは壮観な一幕でした。 公演時間は約1時間30分。決して長いとは言えない時間でしたが、大きな満足感を残してライブは終演を迎えました。約1年ぶりとなったライブ参戦は、自身の音楽好きを改めて実感することもできた貴重な時間でしたね。唯一の難点は場内のマナーが崩壊しており、感染症拡大防止のために事前案内されたガイドラインの一つ「声を出しての応援、および大声での会話の禁止」が無視されていたこと。オイオイ、せめてマスクはしてくれよなw

生きる伝説がオラが町さいたまに降臨。バンドは音の疾走感が尋常じゃないし、歌は巨大な教会で司教の説教を聞いているかのような説得力。こんなもの浴びせられたら、今後観るライブに求めるハードルがとてつもなく高くなってしまうわい。 U2が13年ぶりの日本公演となる「ヨシュア・トゥリー・ツアー2019」を行った。U2が1987年にリリースしたアルバム『ヨシュア・トゥリー』の30周年記念として2017年にスタート。北米、ヨーロッパ、南米で270万人以上を動員し、同年で最も成功を収めたツアーの2019年バージョンです。アルバム『ヨシュア・トゥリー』の完全再現に加え、彼らの全キャリアから名曲の数々が演奏されるという夢のようなセットリストが披露されるとあって、公演決定の報を受けて即時にチケットを購入。手にしたチケットは「前方スタンディング/Aブロック」というステージに接した神エリアでした。 ライブは「サンデイ・ブラッディ・サンデイ」でスタート。イントロのドラムを聴いて瞬時に興奮が沸点を叩いてしまった私なのですが、ヨシュア・トゥリーの木の形をしたサブステージで演奏された初期の名曲たちは、いずれもレコードの溝が擦り切れるまで聴いてきたにもかかわらず、魅力がまったく色褪せないどころか、従来以上の感動をもたらしてくれるのだから、このバンドが持つ力量に感嘆せずにはいられません。そして、メインステージに向かってメンバーが花道を歩き出すと、ヨシュア・トゥリー・パートの幕開け。「ホエア・ザ・ストリーツ・ハヴ・ノー・ネーム」のイントロが鳴り始め、ステージ背後に設置された巨大スクリーンが真っ赤に変わって、ヨシュア・トゥリーの下に4人のシルエットが浮かぶ神演出。あぁ、なんて神々しいのでしょう。 今夜のライブではこの巨大スクリーンが非常に効果的でした。『ヨシュア・トゥリー』の各曲に充てられた映像はそのどれもが印象深いインパクトのある代物ばかりで、聴覚だけでなく視覚からも彼らの強いメッセージがビンビン伝わってきます。「人は全員が平等になるまで誰も平等ではない」なんて言葉も映し出されたのですが、普段なら赤面モノの文章ですら素直に頷けてしまうのですから、その訴求力たるや凄まじい威力。MCでも「日本の子供ために平和を思いを。世界へ向けて平和と感謝を」といったメッセージを話していたのですが、「ウルトラヴァイオレット」の演奏時に、話題となっているグレタ・トゥーンベリやエマ・ゴンザレスといった若い活動家、日本人のオノ・ヨーコ、草間彌生、紫式部、川久保玲など、世界の最前線で活躍する女性を紹介した映像には、言葉を凌駕する力強さが感じられました。 アンコールの最後は個人的にも大好きな「ワン」をプレイ。終始絶えなかった場内の大歓声をまとうようにメンバーはステージを去りましたが、すべての観客がその場を立ち去り難く、名残惜しさを感じる素晴らしいライブに純粋に感動しました。許されるならば、明日の公演最終日もどうにかして参戦したい。(会社休めないけど...)

彼女までの距離は僅か3メートル! ステージから2列目中央の神席で、極上のR&Bを堪能してきました。 2018年に「UK発のR&Bはアメリカでは売れない」とのジンクスを打ち破り、全米のR&Bチャートのみならず総合チャートでもTOP10入りした彼女の出世作 "Boo'd Up" は、2月に開催された第61回グラミー賞でも見事に最優秀R&B楽曲賞を受賞しており、この来日公演は会場や宣伝の規模においてすでに「大物」扱い。手荷物の持込み制限も設けられた入場時からして、私の期待を煽るには十分過ぎる条件が揃っています。 このジャンルのライブは残念ながら日本では受けが悪く、チケット販売も苦戦することが常なのですが、今夜は若い女性客を中心に多くの観客が国際フォーラムに集まり、開演を待つ客席の興奮がこれ以上膨らみきれなくなった頃、ついに場内が暗転してライブは幕を開けました。 アルバムのジャケ写で披露した大人びたビジュアルではなく、トリプルテールの髪型に、身を包むウェアはオーバーサイズとその出で立ちは今どきの若者そのもの。ステージ上を所狭しと動き回って客席を煽るパフォーマンスは初々しさに溢れていて、まるで「ステージで歌うことが楽しくて仕方ないわ」という彼女の気持ちをぶつけられているかのよう。 「私にとって特別な曲になったの」との紹介から披露された "Boo'd Up" では、ステージから降りて客席で歌うファンサービスもあり、客席の興奮は収まりようがありません。 そして、その歌声は紛れもなく一流R&Bシンガーのそれ。 前述したパフォーマンスに反し、終始落ち着いて安定しているばかりか憂いをも帯びており、中低音域を軸にして自由自在に曲を解釈していくのだから本当に恐れ入りますわ。CDで聴く音ももちろん素晴らしいのですが、極上のナマ歌が与えてくれる感動はそれを遙かに上回り、わざわざライブに足を運ぶ意味を改めて思い起こさせてくれた若き才能に酔いしれた夜でした。

現在21歳のショーンを私が知ったのは5年前。ファーストシングルの "Life Of The Party" がビルボードHOT100で24位となり、「デビューシングルが25位以内に入った歌手の最年少記録」を更新した時でした。端正な彼のヴィジュアルに「アイドル的な人気が出るだろう」と予想したのですが、その後あっという間にスーパースターへの階段を駆け登ってしまい、今夜のチケットも瞬殺でソールドアウト。最近発売された追加席をなんとか手配して会場に馳せ参じた次第です。 同じカナダ出身のジャスティン・ビーバーと比較されることもある彼ですが、大きく異なるのはライブでのパフォーマンス。卓越した素晴らしい歌唱を聴かせることはもちろん、ギターやピアノを操っての弾き語りが主なスタイルで、実にアーティスティックなイメージ。加えて彼の楽曲はフォークソングにインスパイアされたものや、壮大な交響を思わせるポップソング、スライドギターを全面に押し出したブルース調があるかと思えば、フルバンドで音の厚みを増したアメリカンロックなど、実に多種多様なのです。今夜のパフォーマンスもそれらの魅力を余す所なく披露して、横浜アリーナを埋めた大観衆(9割以上が若い女性)を大熱狂させてくれました。 前述の通り、追加席として販売された今夜の座席は西スタンドの最後列。メインステージは遙か遠い位置だったのですが、そんな周辺においてでさえも開演から終演まで、座席から立ち上がって楽しむファンがとても多く、ショーンの歌唱に合わせた大合唱も頻繁に見られたのです。魅力的な楽曲の数々や情感あふれる歌声、質の高い音響を持つ会場に、客席を光で埋め尽くすLEDグッズによる演出など、感情が昂る要素がぎっしり詰まったライブは、座席の悪条件なんてキレイサッパリと払拭してしまうんだなあ。巨大な一輪の薔薇のオブジェが目を引くサブステージで披露されたアコースティックアレンジの数曲は、私の座席からそのパフォーマンスをはっきり拝むことができて、もう大満足の公演となりました。 終演後も中々興奮が収まらない素晴らしいライブでしたが、これに水を差したのが主催会社による会場管理。開演日直前に「持ち込み手荷物の個数制限と検査強化」が発表されたことには異論はありませんが、開場時間を早めなかったために開演時間直前になっても会場に入れない観客が多数に及び、開演に間に合わなくなった方々も。苦労してチケットを手に入れたファンの気持ちを踏みにじる愚行は、今後これっきりにしていただきたいですね。

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