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ひらりさんのレビュー
彼女のデビュー盤である「カトピリ」を発売間もない1989年に購入した私。これまで様々な理由により、何度もライブに行くことを阻まれてきましたが、26年目にしてようやく念願叶ってこの日を迎えました。チケット購入時から周到に事を進め、手にした座席は会場最前列の1列目、すでに感動する準備は万端です。
開演後すぐのMCで、「この日のライブは2部構成です。前半は日本の、後半はブラジルやアメリカなどの曲を歌います」 との案内があり、客席の大半を占める年配層や、ライブ慣れしていない方々など、様々な音の好みに対応できるようにとの配慮が窺い知れます。前半はピアノ、ドラムス、ウッドベース、そしてリサさんのアコースティックギターという4人編成で奏でた音に、優しい歌声が調和していくゆったりした展開。語尾が溶け消えてしまうような歌い方は彼女の十八番ですが、アップテンポの曲が総じて落ち着き、心地よい印象に変わっている様をナマで聴くと、身震いするような感動が押し寄せてきます。
休憩を挟んで開始された後半は、3名のホーンセクションが加わり、フルートやサックス、トランペット、トロンボーンなどが、音に厚みと彩りを添えてくれました。アップテンポで賑やかな曲も演奏され、これらが一般に広く知られたものであることも相まって、客席で思い思いに体を揺らしたり、手拍子でリズムを送る方々が増えていく様子も実に楽しい。そう、派手な大騒ぎはなくとも、こうして品良く盛り上がるライブだって、その気持ち良さに大差は無いのです。大いに満足した終演後は、場内で開かれたサイン会に参加。長年の片想いは、お釣りがくる程の素敵な経験に変わり、とても楽しめました。
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- 2020/10/23 (金) 20:55
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