×

フェス特集2024

あの感動をもう一度! LE VELVETS×フルオーケストラ、アンコール公演開催~結成15周年を迎えLE VELVETSが今の心境を語る

2023/07/17
LE VELVETS(佐賀龍彦、佐藤隆紀、日野真一郎、宮原浩暢)


結成15周年を迎えたLE VELVETSが、2023年8月6日(日)に東京文化会館 大ホールにて『billboard classics LE VELVETS 15th ANNIVERSARY Premium Symphonic Concert 2023 -Encore-』を開催する。

LE VELVETSは宮原浩暢、佐賀龍彦、日野真一郎、佐藤隆紀の4人からなる、全員が音楽大学声楽科出身の男性ボーカルグループ。デビュー当初の路上ライブといった下積み時代を経て、着実に実力をつけながら魅惑的な歌声でファンの心を掴んできた。一時、メンバーの佐賀の急病により3人での活動となる時期もあったが、2022年秋からは再び4人での活動を再開している。

大好評だった前回公演を振り返りながら、再び挑むアンコール公演に向けての想いを4人に語ってもらった。インタビュー中はメンバー同士での楽しげな掛け合いが自然と始まり、“15年前から変わらない”という優しい空気が流れていた。

「4人の声とフルオーケストラがひとつになった瞬間は堪らない(日野)」

『billboard classics LE VELVETS 15th ANNIVERSARY Premium Symphonic Concert 2023』公演の模様

『billboard classics LE VELVETS 15th ANNIVERSARY Premium Symphonic Concert 2023』公演の模様

ーーアンコール公演が決まったときはどんなお気持ちでしたか? 

佐藤:先日の公演ではフルオーケストラの中で一部マイクを持たずに歌う曲もあり、実は結構プレッシャーが大きかったんです(笑)。それは初めての試みだったので、無事に終わってホッとしていたんですよ。アンコールが決まってすごく嬉しい反面、プレッシャーは続きますね(笑)。

日野:そうですね。前回公演は僕らにとって挑戦だったんです。

佐藤:でもそういう場ってすごく大事。挑戦することで人は成長できますし、その機会と場所を与えていただいて感謝しています。

ーー前回公演の感想をそれぞれ聞かせてください。

宮原:リハーサル場所でオケの音を聴いたときに、久しぶりにあの音の厚みと溢れる倍音を感じました。この空間でオケを背負いながら歌えると思うと本当に光栄でしたね。東京と京都で歌わせていただきましたが、その一瞬一瞬が幸せな時間でした。15年この道でやってきて、クラシックの歌い手として最高峰の場所に辿り着けたことがすごく嬉しかったです。

佐賀:オーケストラとのコンサートは、実はこれまであまりやってこなかったんです。なので自分自身もどうなるかなとドキドキしていました。で、いざやってみたら「これはすごいな」と。お客様の反応からも自分たちの感覚としてもそう思えました。アンコール公演で再び体験できるのが楽しみです。

日野:フルオーケストラとやると、歌っている最中に体が支えられている感覚があるんです。僕にはそれがとても歌いやすく感じました。ただ同時に、自分では気付かないうちに体を使っているところもあるようで、終わったあとの疲労感もいつもと違うものがありましたね。4人の声とフルオーケストラがひとつになった瞬間は堪らないものだったので、もう一度体験できるのがすごく楽しみです 。

佐藤:本当に豪華でゴージャスで、僕も倍音の厚みをすごく感じました。そして15周年という記念すべき年にオーケストラとコンサートができたというのは本当にありがたいですし、すごく幸せな時間だったと感じています。

ーーセットリストの中で特に思い入れのある曲を教えてください。

日野:「軽騎兵」ですかねえ。

佐藤:それはオーケストラの序曲でしょ(笑)。

日野:ごめんごめん(笑)。今回のセットリストではやっぱり「'O SOLE MIO」(オー・ソレ・ミオ)です。

佐藤:LE VELVETSとして長年歌ってきた曲ですもんね。宮原さんは「闘牛士の歌」に思い入れがあるんじゃないですか? 

宮原:そうですね。大学卒業後、ソロの仕事で初めてオーケストラで歌ったのが「闘牛士の歌」でした。当時は頑張り過ぎちゃって本番前に思ったように声が出ず、なんとか歌いきったという苦い思い出があります。そのリベンジということで、今回の15周年コンサートで改めてこの曲に挑戦することにしたんです。

ーーみなさんソロナンバーではマイクを置いて生歌を披露されたそうですが、マイクと生歌は違いましたか?

佐藤:正直めちゃくちゃ違いますね! 僕らは15年間ほぼマイクで歌ってきていて、マイクに入りやすい声や響きに特化していたんです。なのでマイクがないとなると、体の使い方や音の響かせ方が全然違うんですよ。前回公演のリハーサルのときもなかなかうまくいかなくて、本番直前まで微調整を何度も繰り返しました。本番になってやっと「これだ!」という声が出せたんです。その経験があるので、アンコール公演ではもう少し早く感覚が掴めたらいいなと。

日野:次は全曲マイクなしにしてみる?

佐藤:いやいや(笑)、ソロナンバーで1人1曲ずつでしょう!

日野:そして僕ら(佐藤さん以外)はマイクを使うっていう。

佐藤:みんなでやるんだってば(笑)。取材中にネタやらなくていいから(笑)。

:そういえば、前回の東京公演では「乾杯のうた」でマイクを使ったんですけど、京都公演ではマイクを置いて歌ったんです。なのでアンコール公演でもまた生歌で披露できたらいいなと考えています。

>(NEXT)初出し情報?!「実は〇〇さんもすごい瘦せたんです!(佐藤)」

 

「実は○○さんもすごい痩せたんです!(佐藤)」

『billboard classics LE VELVETS 15th ANNIVERSARY Premium Symphonic Concert 2023』公演の模様

『billboard classics LE VELVETS 15th ANNIVERSARY Premium Symphonic Concert 2023』公演の模様

ーーアンコール公演の会場となるのは、東京文化会館大ホールというクラシックの殿堂とされるホールです。このホールにまつわる思い出などありますか?

宮原:藝大に通っているときに上野公園から出ると必ず通る場所にあったので、自分の中では特別なホールです。円形になっていて座席に段差もあるので、どこからでもステージがすごく見やすいんですよ。お客様にとってもゆったりと楽しめるホールだと思います。

佐賀:僕にとっては本当に何度もお客さんとしてバレエやオペラなどを観に行ったホールです。そこに自分が立つというのは、正直まだ想像できないですね。

日野:僕はこのホールで、フアン・ディエゴ・フローレスというテノールの方の来日コンサートに行った思い出があります。チケットが5万円くらいしたんですけど、もうこんな機会はないと思って奮発しました(笑)。そのフローレスと同じ舞台で歌うということが今でも信じられなくて。彼が舞台から見たのと同じ景色を見られることが楽しみです。 

佐藤:自分にとっても本当に憧れのホールでしたが、去年開催された「ららら♪クラシックコンサート Vol.10」で初めてその舞台に立たせてもらったんです。そしたらめちゃくちゃ気持ちよくて! ただそのときはマイクで歌ったので、マイクなしで歌ったらどうなるかというのは挑戦になります。

ーー前回公演から会場・指揮者・オーケストラは変わりますが、セットリスト自体は変わらないそうですね。

日野:はい。他に変わったことと言えば、佐藤くんが痩せたことくらいでしょうか。

一同:(笑)。

佐藤:今までサイズが合わず買えなかったような服が買えるようになったんですよ! XLだったんですが、今はLとかMとか。Mサイズのシャツが着れるなんて今でも信じられません。

宮原:佐藤くんは痩せてからよりおしゃれになったよね。これまでの服はかなり捨てたんでしょう?

佐藤:そうですね。リバウンドしないようにジーパンも4本くらい捨てました。ところでみなさん! 気付いていないかもしれませんが、実は宮原さんもすごい痩せたんです! ちょっと前に本人から「佐藤くんが痩せたから僕が痩せたのが目立たない」とこっそり言われて(笑)。きっと宮原さんは僕が痩せたことを憎く思っています(笑)。

宮原:そんなことないよ(笑)。元々はグループの中で一番重いのは佐藤くんで、その次が僕だったんですね。僕も水泳をして78キロから74キロまで痩せたんですけど、ちょうどその頃に佐藤くんがグングン痩せてしまって(笑)。

日野:しかもその前に僕も痩せたんだよね。ミュージカル『ダブル・トラブル』という作品がかなり大変で、食べても食べても痩せちゃって。

佐藤:日野さんは元々痩せているのにみるみる細くなっていったんですよね。というわけで、「実は宮原も4キロ痩せていた」って記事に書いてくださいね! まだどこにも出していない情報ですから(笑)。

宮原:そんな情報は記事にいらないでしょう(笑)。

ーー承りました(笑)。LE VELVETSはグループのリーダーを決めていらっしゃらないそうですが、やはり最年長の宮原さんが引っ張ってこられたんですか?

宮原:いや、僕は全然中心ではないです(笑)。よっしゃーと引っ張っていくタイプではないので。

佐藤:宮原さんはみんなを見守って優しく包み込んでくれる存在。宮原さんがいるからこのグループは成り立っているんですよ! 他のメンバーが最年長だったらきっと大変です(笑)。

ーー他にもグループ内で自然と生まれたポジションのようなものはありますか?

佐藤:ありますね。例えば、音楽面をいろいろやってくれるのは日野さんです。佐賀さんは脳梗塞を患う前までは、MCのたたき台を全部作ってくれていました。で、僕はみんなを楽しませる担当みたいな(笑)。 

佐賀:佐藤くんは楽屋の空気を良くしてくれるんですよ。

宮原:彼はムードメーカーですから。「あんまり調子に乗ると後半疲れちゃうよ」と、いつも言っているんです(笑)。 

佐藤:つい楽屋でテンションが上がり過ぎちゃうので「ちょっと落ち着け、本番に取っておけ」とよく言われます(笑)。

ーーLE VELVETSのコンサートはMCも好評ですよね。

佐藤:数年前まではいろいろ作りこんで、MCもよく練習していたんです。けれどある日、MCを聞いていたマネージャーが一言「かたくてつまらない」と (笑)。「楽屋トークの方がまだ楽しい」と言われてしまったので、最近はあえて作り込まないようにしているんです。以前は険しい顔でMCを聞いていたマネージャーが、段々笑ってくれるようになりました(笑)。

日野:MC中、もはや僕は野放しです。

佐藤:ボケてもらうからね。

宮原:日野くんは突然面白いことを言うんですよ。

佐藤:日野さんがボケ、宮原さんと佐賀さんが天然、僕は道筋を作っていくという分担です(笑)。ツッコミ不在の状況なのですが、佐賀さんがリハビリしながらツッコミに戻ろうと頑張っています!

佐賀:そうなんです。お客様の前でトークをするのはいいリハビリになりますね(笑)。

>(NEXT)15年間を振り返って今思うこととは…

 

「15年かけてグループとして熟成してきた(宮原)」

『billboard classics LE VELVETS 15th ANNIVERSARY Premium Symphonic Concert 2023』公演の模様

『billboard classics LE VELVETS 15th ANNIVERSARY Premium Symphonic Concert 2023』公演の模様

ーー15年間いろいろなことがあったと思いますが、今振り返ってみていかがですか?

宮原:最初にステージに立ったときは手も脚も震えていました。路上ライブやライブハウスでの経験を積み重ねながら、自然と身についた自信があると思います。アーティストとしてオーケストラやマエストロと向き合ってステージに立ち、お客様と向き合う。そういうことが15年前よりはできるようになってきたかなと。みんなの良いところも悪いところもわかっているので、お互い頼れるところは頼りつつ出るところは出て、良いグループになってきているなと思います。

日野:デビュー当時のコンサートでは、自分が歌うことだけに必死になっていました。今こうして15周年を迎えて変わってきたのが、自分が今表現できるものをお客様へ届けたいという気持ちがあるということ。どんどんお客様ファーストの想いは強くなってきているように感じます。

佐藤:山あり谷あり谷底ありのグループなのですが、その経験全てが今では自分たちを成長させてくれたと思えています。大変な時期を経験をしたことでちょっとやそっとのことでは動じなくなりましたし、精神的にも強くなれたと思います。本当にLE VELVETSのお陰ですね。

佐賀:僕はもうかれこれ2年目になりますが、とにかくこの病からの完全復帰を目指しています。毎回公演を重ねる毎に、少しずつですが良くなっているのを感じていて、自分の中ではその変化が今は大きいですね。

佐藤:それにしても、15年経ってもこの空気感は変わらないなあ。みんなの根っこにある優しさや、楽屋で話しているときの雰囲気は15年前と一緒ですね。

日野:セットリストを決めるときのホワイトボードも15年ずっと変わらないもんね。

佐藤:そうそう。事務所の部屋でホワイトボードを囲んで、マグネットに曲目を書いてみんなで貼り合い、並べ替えながら考えるんです。お互いの顔色を伺いつつ(笑)、それぞれの意見を出し合います。

宮原:「この順番、逆の方がいいんじゃないかな?」とかね。

佐賀:この時点ではもちろんリハーサルの前段階なので、実際にリハーサルをやってみてから変えることもありますね。

宮原:リハーサルや練習の場でもお互いに思いやりを持ちつつ、さらにプロとして客観的に意見を言い合えるのがLE VELVETSの良さですね。そういう信頼関係が築けているのは、15年かけてグループとして熟成してきたからだと思います。

「改めてファンのみなさんの大きな存在を感じました(佐賀)」

『billboard classics LE VELVETS 15th ANNIVERSARY Premium Symphonic Concert 2023 -Encore-』

『billboard classics LE VELVETS 15th ANNIVERSARY Premium Symphonic Concert 2023 -Encore-』

ーーLE VELVETSとして15年走り続けることができたのは、応援してくださるファンのみなさまの存在も大きいのでしょうね。

佐賀:僕は病気で入院中にファンの方々から手紙をいただいたときに、改めてファンのみなさんの大きな存在を感じました。コロナ禍で誰もお見舞いに来れない状況の中、その手紙のお陰でリハビリを頑張ることができたんです。やり過ぎだと止められるくらい必死にリハビリをしてきました。15年間変わらずにずっと応援してくださっている方も、最近になって応援し始めてくれた方も、みなさんがLE VELVETSを通して何か感じてくださるというのは本当にありがたいことだと思います。

宮原:ここまで続けてこれたのは、出会って応援してくださるファンのみなさんがいて、今もなおずっと応援し続けてくださっているから。僕たちが頑張っている姿を見てもらうことで、何かお返しできたらなと思っています。1回1回のステージが恩返しの場所だと思っているので、感謝を伝えるべくこれからもステージに立ちたいですね。

日野:先日のLE VELVETSのコンサートツアー『Because of you 〜15th Anniversary〜』でも、路上ライブ時代から応援してくださっていた方、そして新たにファンになってくださった方が同じ空間にいらっしゃって。ステージからその光景を見たときに、すごく温かい気持ちになったんです。ありがたいことにお手紙もたくさんいただくのですが「病気で入院中、ずっとLE VELVETSのCDを聴いていました。それが励みになりました」と書いてあると、歌い手としてこれ以上に幸せなことってないなと思うんです。「支えられています」と言ってくださるけれど、僕たちこそ支えられているんです。応援してくださるみなさんにはいつも感謝しています。

佐藤:本当に感謝しかないですね。コンサートの最後に大きな拍手を浴びたとき「やってよかったなあ」って毎回思うんです。僕らが壁にぶち当たって心が折れそうになっても、決して離れずにずっと応援してくださるファンの方の姿に、逆にこちらの胸が熱くなってしまって。大変なときに支えてくださるみなさんだからこそ、僕たちもいい歌を歌って恩返ししたいと思います。改めて自分のためではなく、みなさんのために歌うんだという気持ちになるんです。みなさんに支えられた15年は感謝しかないですね。

ーー最後に、グループを代表して宮原さんからアンコール公演に向けての意気込みをお願いします。

宮原:15周年を迎える節目の年に、クラシックの原点であるフルオーケストラをバックにステージに立てるということは本当に光栄なこと。応援してくださっているみなさまに感動を届けたいという想いでいっぱいです。アンコール公演として再びチャンスをいただけたので、今の僕らにできる精一杯のパフォーマンスでみなさんに歌と笑顔を届けたいと思います。

取材・文 = 松村 蘭(らんねえ)

公演情報

『billboard classics LE VELVETS 15th ANNIVERSARY Premium Symphonic Concert 2023 -Encore-』
 
▼日程
2023年8月6日(日) 開場16:00 開演17:00
 
▼会場
東京文化会館 大ホール(東京都台東区上野公園5-45)
 
▼管弦楽
東京フィル・ビルボードクラシックスオーケストラ
 
▼お問合せ
キョードー東京 TEL:0570-550-799 (11:00~18:00/土日祝10:00〜18:00)
 
▼チケット料金(税込・全席指定・特製プログラム付き)
S席 12,800円 A席 9,800円
※未就学児入場不可
 
▼一般発売
2023年7月1日(土)10:00~
 
▼公演サイト

関連アーティスト

ニュース一覧に戻る

  • 新着ニュース
  • 新着ライブレポート
バナー