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フェス特集2024

Pay money To my Pain 『From here to somewhere』 2013年12月30日@Zepp Tokyo

2014/01/15
(okmusic UP's)

 まさかここまでK(Vo)の死を、不在を、悲しみを真正面から見据えたライヴになるとは想像しなかった。だが、ライヴ終了後、雨雲だらけの心に一条の光が射してきた。

PTPとしての活動休止を告げる、けじめのステージはヒストリー映像とライヴの2部構成で行なわれた。1時間に及ぶフィルムが終わり、ようやく白幕にメンバーのシルエットが映り、中央には両手を広げたKの影が! しかし、幕が降りるとPABLO(Gu)、T$UYO$HI(Ba)、ZAX(Dr)の3人がスクリーンの中で歌うKとともに演奏を開始。激しく暴れ回る者と戸惑いを隠せない者と観客の反応は二分していた。選択肢としてはゲストヴォーカル陣を呼び、お祭りムードを演出することも可能だったはず。けれど、Kの魂とともにバンドの区切りを付けたかったに違いない。そう分かりながらも曲が進むにつれ、Kはそこにいないという現実に胸をえぐられていく。中盤、かつてKがSHIBUYA-AXで訴えたMCがここで流される。“‘STAY REAL’とは、‘そのままでいてください’ってこと。そのひと言が言いたいツアーだった”という主旨で、これは現場で聞いた時も印象深かったのでよく覚えている。後半、メンバーひとりずつ涙交じりに言葉を発すると、嗚咽した歓声が飛び交う。それから“Kに届けー!”とPABLOが叫び、ラスト数曲を歌なしの楽器陣3人だけで演奏すると、会場は息を吹き返したように大熱狂。まるで悲しんでばかりの姿をKに見せられないとばかりに。PTPはKのメッセージを貫徹した。現実を直視する強い精神という意の“STAY REAL”を、天国まで轟かせた。
取材:荒金良介
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