【ライブレポート】クリープハイプ、2年ぶりCDJ「幸せ」と尾崎が感謝。声を出さずにファンと一体に<COUNTDOWN JAPAN 21/22>
2022/01/212021年12月28日から31日まで、幕張メッセで開催された株式会社ロッキング・オン・ジャパン主催・企画制作の国内最大の年越しフェス「COUNTDOWN JAPAN 21/22」に30日、4人組ロックバンドのクリープハイプが出演した。
「COUNTDOWN JAPAN 21/22」は、今年は新型コロナウイルス感染症対策のため、例年とは大きく異なる形で開催された。
年内最後のステージは、観客が総立ちでお出迎え。メンバーが順番に登場し、最後にボーカル・ギターの尾崎世界観が中央に立つと、拍手がひときわ大きくなった。
イントロで会場をどよめかせた『キケンナアソビ』で始まったライブ。2曲目にはベースの長谷川カオナシがメインボーカルを務める『月の逆襲』を披露し、バンドの幅広さを見せつけた。
最初のMCでは、尾崎が「(今日は)大事なライブの日だけど、あえて地味なロンT(長袖Tシャツ)で出るのにこだわって、楽屋で着替えてライブが始まるまで気持ちを高めていたら、(長谷川に)『尾崎さん、もう時間ないから衣装に着替えた方がいいですよ』と声を掛けられた」と告白。
大きなステージだからと肩ひじを張らずに普段着の自分で立ちたいとロンTを選んだという尾崎。「このステージに立てることは自分たちにとって大切なこと。立つステージがあることを幸せに感じます。ありがとうございます。」とかみしめていた。
ベースを置いた長谷川が鍵盤の上で指を滑らせた『ナイトオンザプラネット』では、浮遊感ある音色が会場を優しく包み込んだ。
尾崎が「こんなご時世だけど、冬はやっぱり寒いので人肌恋しくなります。セックスの歌を歌います」と声を上げると、『HE IS MINE』を投下。感情を揺さぶる長谷川のベースに心を乱されていく。
同曲は「セックスしよう」と大合唱する場面があるが、コロナ禍で同フェスでは声出しが禁止に。尾崎は曲中に「みなさん、あの“フレーズ”をあえて言わない、無言の無音の逆にめちゃくちゃエロいバージョンでお願いします」と声を掛けた。
約45分のステージで『イノチミジカシコイセヨオトメ』『しょうもな』など9曲を披露。尾崎は「悔しいこと、悲しいことがいっぱいあった2021年。悔しかったことは、ちゃんと忘れずに来年に引きずっていきます」と宣言。尾崎の決意表明に大きな拍手が送られた。
『栞』の冒頭では、歌声を後押しするように手拍子が大きくなっていった。《♪桜散る 桜散る》の歌詞に合わせ、花びらが舞っているような桃色の照明が輝いていた。
2022年クリープハイプは、約3年3カ月振りに発売したばかりのアルバム「夜にしがみついて、朝で溶かして」をひっさげ、全14公演の全国ホールツアー(タイトル未定)を4月16日の石川・金沢市文化ホールからスタートする。
(Text: Ayano Nishimura)
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