TOC、これまでの道のりを感じさせるツアーファイナル終了
2017/03/06TOCがシングル「過呼吸」のリリースライブのアンコール公演として開催した『TOC LIVE TOUR 2017 過呼吸~アンコール~』のツアーファイナル公演を3月3日、東京・恵比寿LIQUID ROOMにて行なった。
このツアーでオープニング・アクトを務めているのが、DRESS RECORDSの第二弾アーティストとして発表されたヴォーカリストの弘Jr.。ソウルフルで太く、安心感を感じる「新・昭和風」と評される歌声で、この日も会場をしっかりと暖かく包み込んでいく。新曲4曲を披露すると共に、MCでは5月31日(本人のMCによると「ゴー・サイン」の日)にミニアルバムを発表し、リリース・デビューすることが発表され、客席からは大きな拍手が起こる。
そして、舞台が暗転すると、メイン・アクトであるTOCが登場。赤い花束を抱え、マイク・スタンドを立てて“過呼吸”を披露するという、スタイリッシュなスタイルでライヴの幕を開ける。しかし、そのまま“Bird”、“JIMOTO”とロッキッシュなサウンドに乗せて熱いラップを披露し、会場の温度を一気に高めていく。
「今日は俺だけでいいですか。じゃあ始めよう、TOCにだけの宴を」というMCどおり、この日のライヴは、ノー・ゲストで貫かれ、登場するアクトはTOCのみ(女性の観客をステージに上げる“2Face”はあるが)。またライヴ全体を通しても、過剰な演出や大げさなアプローチはなく、非常にシンプルなステージ構成でライヴを形作り、そこからは「生身のTOC」という、タフなスタンスを感じさせられた。そういったアプローチの効果によって、彼のソロの原点である、デビュー・シングルとなる“BirthDay"にも、非常に深い意味が生まれていた。
続いて、前ツアーまでライブDJを務めたDJ松永(Creepy Nuts)の作品に客演参加した“ミスターキャッチー”や、ダイアナ・ロス“I'm coming out”のカヴァーなど、ソロ以外の楽曲もエクスルーシヴで披露。また、今回のライブDJとして参加したDJ AGETETSUとのビート・セッションである“CUT'S IN THE KITCHEN”のようなスキルフルな楽曲から、希望を歌い彼のメッセンジャーとしての才能を提示する“RAY”、世代論的な感触もある“X9X”など、その楽曲性の幅広さを提示していく。
「このソロ・プロジェクトを楽しんで貰えてるかな? 俺は滅茶苦茶楽しいです。いい感じです。2013年10月4日からソロとして活動を始めて、非常に濃い3年半だと思ってます。そこまで針を戻しましょう」という言葉から両A面のソロ・デビュー・シングル“Atonement”を披露し、そのままソロMCとしてのキャリアを形作った1stアルバム『IN PHASE』収録の“PEEKABOO”、ラッパーとして新たな側面を見せた2ndアルバム『SAFARI PARK』に収録された“JENGA”など、彼のソロとしての道のりを感じるような構成でライヴは展開。そして、ライヴはバウンシーなビートで客席にダンスを促す“HATE”で一旦幕を閉じる。
アンコールの声に促されて登場したTOCの、「もう一人呼んでいい?」という言葉に続いて弘Jr.が登場し“SIZE feat. 弘Jr.”を披露。「メジャー進出やレーベルの立ち上げ、事務所の移籍など、新しい体制で作りだしたこのツアーは、自分にとってスゴく大事なツアーになりました。だから、今日が『始まりの日』として見て欲しい」という言葉から、彼の新しい一歩となった“過呼吸”でライヴは終了。生身の姿でオーディエンスに立ち向かったTOCはこれからどんな姿をリスナーに見せてくれるのか、強い期待を感じさせるライヴとなった。
【セットリスト】
01.過呼吸
02.Bird
03.JIMOTO
04.BirthDay
05.2FACE
06.Daydream
07.ミスターキャッチー
08.I'm coming out
09.X9X
10.CUT'S IN THE KITCHEN
11.DISOBEY
12.Ray
13.Atonement
14.TSUMETAI-NICHIYOBI
15.PEEKABOO
16.JENGA
17.HATE
〜アンコール〜
SIZE feat. 弘Jr.
Shepherd
過呼吸
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