第41回
すごい!世界一口笛奏者・加藤万里奈に注目!
2016/12/08
12月1日(木)、東京新宿の「ハイアットリージェンシー東京」センチュリールームで〈2016年ミュージック!'スター大忘年会〉が開催された。歌を楽しむためのカラオケ情報誌「ミュージック!'スター」が毎年行っている忘年会で、読者の他にゲストも盛りだくさんで、私もレギュラー執筆者ということで毎年招待いただいている。
雑誌主催の忘年会はいくつかあるが、「ミュージック!✡スター」は大忘年会と名のるだけあって、スケールも内容もびっくりするほど独創性に富んでいる。今回もスペシャル・ゲストの美川憲一の他に、恒例の高木ブーのハワイアンの他にサプライズ・ゲストもたくさん。
口笛は正直言って、誰でも吹くことができる。だからこそ、簡単に吹けると思ってしまうが、世界一とはどんなものだろうか?そう思うと興味が自然と湧いてしまう。客席から彼女が登場してきたとき、ドレスアップしていたためか高校生とは思えなかった。
「何だ、これは?」といえば、これまでに同じような衝撃を受けたことが2度ほどある。ハンドフルートのCHILDHOOD(チャイルドフッド)とクロマチック・ハーモニカの南里沙だ。
「手でフルートのような音色を出すCHILDHOOD!」
ハンドフルート(森光弘)とピアノ(白井圭介)のユニット「CHILDHOOD」は唯一無二のすごいアーティストだ。
ハンドフルート(手笛)とは手でフルートのような音色を出す奏法で、両手を祈るように組み合わせて息を吹き込むことでフルートに似た美しい音色が生まれる。
この奏法を開発したのが森で、幼少の頃に父から教えられたフクロウの鳴きまねをもとに独自に編み出したという。現在では3オクターブの音楽を自在に操ることができる。ハンドフルートという呼称は森本人が名付けたもので、彼独自の奏法でありハンドフルート奏者は世界で彼ただひとりだ。
「クロマチック・ハーモニカの第一人者・南里沙!」
ハーモニカといえば学校で習ったシンプルな楽器というイメージが強いが、南里沙が奏でる〈クロマチック・ハーモニカ〉は全く違う楽器と言っていい。いうならば、ハーモニカでオーケストラを奏でてしまうといっても過言ではない程の壮大な音楽を生み出すことができるのだ。
彼女は大学在学中にクロマチック・ハーモニカと出会い、その音楽に魅せられて研鑚を積む。そして2009年にFIHドイツ世界大会オープンカテゴリーで準優勝、10月、第30回FIH日本ハーモニカコンクール部門で優勝など輝かしい受賞歴を誇るクロマチック・ハーモニカの第一人者である。
〈世界一口笛奏者〉の加藤万里奈、〈ハンドフルート〉のCHILDHOOD、〈クロマチック・ハーモニカ〉の南里沙、3人はいずれも「何だ、これは?」と思わせてくれる唯一無二の存在である。この3組を私はくしくもライブで見つけた。その意味ではライブは未知なるアーティストの宝庫と言っていい。ぜひ自分の目で見、耳で聴き、そして心で感じて欲しいものである。それこそがライブの醍醐味というものである。
(文/富澤一誠)
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