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富澤一誠のライブ・カルテ! 第5回 : 「サザンオールスターズからサマ&オー・デ・モンドまで見て「やっぱりライブはいいな」と改めて思った今日この頃!」

第5回

サザンオールスターズからサマ&オー・デ・モンドまで見て「やっぱりライブはいいな」と改めて思った今日この頃!

2015/06/11

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 5月26日、東京ドームで〈サザンオールスターズ LIVE TOUR 2015 「おいしい葡萄の旅」〉を見た。さすがサザンというステージだった。とにかく、バラエティーに富んでいて奥行きの深さと幅の広さが群を抜いている。前半はニュー・アルバム「葡萄」を中心に今のサザンのメッセージをこれでもか、と繰り出した。耳に馴染みのない曲がほとんどなのでふつうは盛りさがってしまうものだが、そこはサザンのこと、しっかり聴かせてしまう。そしてその後は知っている曲をもってきたり、後半になるとヒット曲のオンパレードにしたり、と、とにかくあきさせない工夫がしてあるので、3時間半余りのライブを終えた後、お客さんはみんなが満足しているという状態である。その意味では、サザンは究極の“エンタテイナー”と言っていい。それにしても、今の世情にきちんと歌で“物を言う”という姿勢は素晴らしい。その“志”があるかぎり、サザンは時代のトップランナーとして走り続けることができるだろう。とにかく、メッセージとエンタテインメントのバランスが絶妙である。

 5月28日、東京国際フォーラム ホールAで〈松山千春コンサート・ツアー2015「伝えなけりゃ」〉を見た。千春のコンサートは本編とアンコールに上手くわかれている。本編は2時間程あるが、歌う曲は少なめ。今回も「夜を飛び越えて」から「伝えなけりゃ」まで10曲だった。残りの時間はというと、恒例の〈千春の辻説法〉である。政治社会的問題から恋愛話まで何でもござれで、これはもう立派な“話芸”である。いや、政治社会問題を深く語る“物言うシンガー・ソングライター”と言っていい。このあたりが好き嫌いでわかれるところだが、私ははっきり言って、好き、である。だいたい日本のアーティストは政治的な話題を出さない。これは、いかがなものか、と思う。欧米のアーティストは自分の考えをはっきり述べる。これは当然のことだが、日本の場合は、アーティストが政治的発言をすることはタブー視されている。はっきり言って、今、この危ない時代において、そんな泣き言を言っている場合か、と問いたい。もちろん、エンタテインメントだから、お客さんを喜ばせることはきちんとやる、そんなことは言うまでもなく“義務”である。
 
千春はこの義務をしっかりとはたしている。というのは、千春のアンコールは、ヒット曲の連発で、こちらはもう“歌謡ショー”のノリなのだ。つまり、本編は千春の主義主張を説く〈辻説法〉で、アンコールは“歌謡ショー”という〈エンタテインメント〉の2本立てなのだ。これはこれで筋が通っている。千春の〈辻説法〉を聴きたいという人がたくさんいるところが、すごい、と言わざるをえない。

 5月29日、渋谷のギルティで〈永田英二〉のライブを見た。私たちの世代にとって永田は“横綱”だった。アイドルの走りともいうべき〈フォーリーブス〉のメンバーとしてデビューしたのが1967年6月のこと。当時まだ12歳。その後、すぐにソロ・シンガーとなりアイドルとして超人気者となった。しかし、77年の「青春挽歌」を最後に惜しまれながら引退。それ以来、30数年間にわたって、音楽プロデューサー、作曲家、芸能プロダクションの社長として、裏方として第一線で活躍し続けてきた。その意味では、引退して〈親方〉としても一流だったということだ。そんな永田が〈親方〉から現役に復帰して、去年アルバム「58」をリリースした。永田の闘志に火をつけたのは何か?「今の若いロックをやってる人たちに、このアルバムを聴かせたいですよ。カッコつけて言うならば、ちょっと大人ティックに、軽く力を抜いた大人のロックを聴かせてやるぜ、と」
 
 ひと味違う、深い〈大人のロック〉に酔いしれた夜だった。還暦を迎えなけりゃできないロックってあるんだ、ということを証明してくれたすごいライブだった。

 5月30日、渋谷区文化総合センター大和田 さくらホールで〈永井龍雲LIVE 「春草の夢」〉を見た。「道標ない旅」のヒットで知られる永井龍雲はひたすら〈オンリーワン〉の道を歩んできた。今回は河合徹三(ベース)、エルトン永田(キーボード)と3人の弾き語りできっちりと歌を聴かせてくれた。龍雲の歌を聴いていつも思うことは純文学作品を読んだ後に残る“読後感”と同じテイストが龍雲の歌を聴いた後には残るということだ。その意味では、龍雲の歌は“文芸フォーク”と言っていいかもしれない。とにかく、これだけ味わいながら、その作品の世界に入っていけるということは、まさに〈オンリーワンの世界〉である。

 龍雲コンサートを見て、NHKホールへ行きTHE ALFEEの〈BEST HIT ALFEE 2015〉を見た。アルフィーは不思議なバンドだ。フォーク・グループからスタートして、いつの間にかロック・バンドとなり、今では押しも押されもしない〈エンタテイナー〉としてミュージック・シーンに君臨している。アルフィーのコンサートはとにかく楽しめるので面白い。話も面白いし、知っている曲も多いし、また、マニアックな曲でもきちんと見せてから聴かせてしまう。これはもう“芸人”の域と言っていい。それとアンコールが秀逸だ。グッズの紹介コーナーなどを組み入れて思わずその楽しい世界に引きずりこんでしまう、その才能は、バンドという概念を越えてしまっている。そんな柔軟さがあるからこそ、彼らはポップ・センスにあふれているのだろう。

 6月4日、赤坂のノーベンバーイレブンス1111でSamA & Eau DE MOND(サマ&オー・デ・モンド)の〈サマンドLIVE「ジャズ・アニメーションズ」#4〉を見た。サマ&オー・デ・モンドはsamA(Vo)、ひび則彦(Sound produce & S.Sax)、中村力哉(Pf)、カイドーユタカ(B)、赤迫翔太(Ds)からなるバンドだが、アニメ・ソングをジャズ・テイストのアレンジで聴かせる〈ジャズ・アニメーションズ〉という新しい地平を切り開いたことで注目されている。それぞれがミュージシャンとして一流なうえに、ひび則彦の卓越したアレンジ能力は群を抜いているし、またsamAのボーカルは自由自在、恋幻自在で豊かな表情を見せてくれるので聴きごたえは十分である。今、良質な〈大人の音楽〉が必要とされているが、サマ&オー・デ・モンドこそ、時代が必要としている大人のアーティストではないか、と私は思う。

 サザンオールスターズからサマ&オー・デ・モンドまで見て「やっぱりライブっていいな」と改めて思った今日この頃だった。

(文/富澤一誠)

【関連リンク】

  • サザンオールスターズ 『LIVE TOUR 2015 「おいしい葡萄の旅」』@ 東京ドーム (東京都) 2015/05/26 (火)
  • 松山千春 『松山千春コンサート・ツアー2015春「伝えなけりゃ」』@ 東京国際フォーラム ホールA (東京都) 2015/05/28 (木)
  • 永井龍雲 『』@ 渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール (東京都) 2015/05/30 (土)
  • THE ALFEE 『BEST HIT ALFEE 2015』@ NHKホール (東京都) 2015/05/30 (土)
  • SamA & Eau DE MOND 『サマンドLIVE「ジャズ・アニメーションズ」#4』@ November Eleventh1111 Part2 (東京都) 2015/06/04 (木)
  • 永田英二 『永田英二 "還暦"記念LIVE』@ 渋谷GUILTY (東京都) 2015/05/29 (金)

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プロフィール

COLUMNIST
富澤一誠
富澤一誠

わかりやすいキャッチコピーを駆使して音楽を語る音楽評論家。
1951年、長野県須坂市生まれ。東京大学中退。71年、音楽雑誌への投稿を機に音楽評論活動を始め、以降、44年間に及ぶ評論・執筆活動において、一貫して追い求めているテーマは<音楽を熱く語る>こと。
音楽に対する理念は「いい曲は売れてあたりまえ」「いい曲、いいアーティストにチャンスを与えたい」。現在、レコード大賞常任実行委員、尚美ミュージックカレッジ専門学校客員教授も務めている。
著書に、ベストセラーになった「俺の井上陽水」「松山千春・さすらいの青春」「さだまさし・終りなき夢」を始めとして「あの素晴しい曲をもう一度」(新潮新書)「フォーク名曲事典300曲」「J-POP名曲事典300曲」「Age Free Music・大人の音楽」(共にヤマハミュージックメディア)「『大人の歌謡曲』公式ガイドブック」(言視舎)「ユーミン・陽水からみゆきまで」(廣済堂新書)など全62冊。現在<Age Free Music!>(FM NACK5)、<Age Free Music~大人の音楽>(TOKYO FM系列JFN36局ネット)、<昭和ちゃんねる・富澤一誠の青春のバイブル>(USEN I-51)、<あの年この歌>(BSジャパン)などのパーソナリティーとしても活躍中。レコード会社15社合同キャンペーン<Age Free Music~大人の音楽>総合プロデューサーとして、良質な<大人の音楽>を推奨している。

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