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富澤一誠のライブ・カルテ! 第54回 : 「3組のアーティストの一期一会が織りなす極上のコラボレーションが〈フォーエバーヤング〉!」

第54回

3組のアーティストの一期一会が織りなす極上のコラボレーションが〈フォーエバーヤング〉!

2017/06/22

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 私がプロデュースする〈フォーエバーヤング2017 ~歌とトーク満載のフォークコンサート~〉が、6月18日(日)、長野県須坂市文化会館メセナホール大ホールで行なわれた。

今年で12回目を迎えるこのイベントは今年もまた満席(1124席)の盛況だった。今回の出演者は加藤登紀子、きたやまおさむ、白井貴子で素晴らしいコラボレーションを見せてくれた。

 当日のパンフレットに私は今回の趣旨をこんなふうに書いている

 *  *  *  *  *  *  

3組の一期一会が織りなす“今”を堪能あれ!

 〈フォーエバーヤング〉は須坂市文化会館メセナホールでしか見ることのできない〈歌とトーク満載のフォーク・コンサート〉です。なぜならば、3組のアーティストによる初めての組み合わせからなる独創的なコラボレーションで、〈フォーエバーヤング〉は須坂発のオリジナルなイベントで全国的にも類を見ないものだからです。12回目を迎える今年もまた加藤登紀子さん、きたやまおさむさん、白井貴子さんからなるオリジナルなコラボレーションをお届けします。もちろん3組による共演は本邦初となります。

 加藤登紀子さんほど間口が広く奥行きの深いアーティストはいません。「ひとり寝の子守唄」「知床旅情」「灰色の瞳」「リリー・マルレーン」「百万本のバラ」などは単なるヒット曲を超えています。“いい曲”が彼女の新しい解釈で歌われると加藤登紀子という〈文化〉に昇華されてしまうからで、これはすごいことです。

 きたやまおさむさんは私にとって特別な存在です。1971年、20歳のときに私は、きたやまさんが作詞した「戦争を知らない子供たち」(歌・ジローズ)と彼が書いた同名の単行本を知りました。「戦争を知らない子供たち」というキャッチコピーが戦後生まれを的確に表現していたことで、この歌はたくさんの若者たちの心をとらえました。つまり、きたやまさんのメッセージがたくさんの人々の共感を呼び、彼は“オピニオンリーダー”になったのです。「彼のようになりたい」と思った私は音楽評論を書き始めたというわけです。

 白井貴子さんは1981年11月に「内気なマイ・ボーイ」でデビュー。84年後半には「Chance!」がヒットして“ロックの女王”の地位を不動のものにしました。あれから32年という年月が経ち、彼女は人間としても成長し“大人の歌”を生み出しています。私が提唱しているエイジフリー・ミュージックと共通するものがあります。

 3組の一期一会が織りなす“今”を堪能あれ!


  *  *  *  *  *  *  

「さくまひできのロビーコンサートからテーマソング「どこで暮らしていても」からスタート!」

 ベルが鳴り幕があがり、私の挨拶から公演はスタート。まずはゲストの3人を紹介してから、恒例のオープニングはさくまひできの「どこで暮らしていても」。これは93歳で亡くなった母のことをテーマにして私が書いた詞に岸田敏志が作曲をして、それをさくまが歌うという〈フォーエバーヤング〉のテーマソング。今や恒例となっていてこの歌がないと始まらないと言っていいほどだ。
 
加えて、本編開演前にさくまは〈ロビーコンサート〉という30分ほどのミニライブを行っているが、今ではこれもすっかり定着してさくまの人気は大変なもの。アーティストのお宝や秘蔵資料を展示した〈フォーク資料展〉と共に〈ロビーコンサート〉はもはや〈フォーエバーヤング〉の必修アイテムになっているほどだ。


「フォークのレジェンド・北山修とロックの女王・白井貴子とのコラボレーション!」

 トップバッターは白井貴子。彼女は1981年11月に「内気なマイ・ボーイ」でデビューして、84年後半には「Chance!」がヒットして“ロックの女王”の地位を不動のものとした伝説の〈ロックの歌姫〉だ。その彼女が去年の6月にアルバム「涙河」をリリースした。白井貴子が「北山修/きらやまおさむ」を歌う、というコンセプトのもとにコラボレーションしたのだ。
 
その評判が良かったので、今回は特別に、白井ときたやまで新曲「返信をください」とザ・フォーク・クルセダーズの隠れた名曲「コブのないラクダ」をコラボしてもらったところ大盛況だった。これぞ須坂市メセナホールならではの〈須坂マジック〉だった。


「歌手・きたやまおさむがすごかった!」

 コラボの後はきたやまのソロ・ステージだった。これまできたやまはステージはやったとしても自分で歌うことはあまりしなかった。どちらかというと、作詞家、プロデューサーの立場としてふるまうことが多かったが、今度のステージにおいてはアーティストというか“歌手”としての部分が全面に出ていた。

はしだのりひことシューベルツの「風」、ジローズの「戦争を知らない子供たち」などをメインボーカリストとして歌い、独特の個性ある歌声を聴かせてくれた。正直言って、きたやまがこれほどまでオリジナリティーが豊かで個性がきわだった歌が歌えるとは驚きだった。

そして圧巻はきたやまと加藤登紀子のコラボレーションだった。きたやまが選曲したのはあの「帰って来たヨッパライ」だった。加藤とのコラボのために、数ある名曲をさしおいて「ヨッパライ」とは?想像ができないほどだったが、これが「すごかった」。こんな「ヨッパライ」聴いたことがないと思うほどファンキーで、「ヨッパライ」の新しい一面が感じられて素晴らしかった。きたやまと加藤のコラボから「ヨッパライ」の持つ本質である強さや熱い想いが凝縮されてはじけ出たようだ。いずれにしても、こんなすごいコラボレーションは見たことがない。


「加藤登紀子が歌うと“歌”が“文化”になる!」

 きたやまと「ヨッパライ」のコラボの後は加藤のソロ・ステージで、告井延隆と2人だけのアコースティック・ライブだった。「ひとり寝の子守歌」「知床旅情」など名曲を淡々と歌うが聴き手のハートに忍び込んでくる浸食度はすごかった。

 また、「百万本のバラ」「愛の讃歌」などを独自の解釈で再生し、命を与えているのかひと味違う深さが感じられる。その意味では、彼女の歌には全て背景があり、だからこそ〈時代の歌〉になりえるのだ。“いい曲”が彼女の新しい解釈で歌われると加藤登紀子という〈文化〉になるのはすごいことである。


「出演者、お客さん全員による恒例のコラボレーションは「上を向いて歩こう」「あの素晴しい愛をもう一度」「故郷」だった!」

 本編が終わった後は、出演者とお客さん全員によるコラボレーションで、これは〈フォーエバーヤング〉の“売り”になっていて、お客さんの最大の楽しみでもある。今回は作詞家本人とのぜいたくなコラボレーションの「あの素晴しい愛をもう一度」にお客さんは格別に満足だったようだ。そんな光景を見ながら、プロデューサーとして私は「来年もやろう」と決意するのだった。

 これまでは5回、10回と目標を立てて頑張ってきたが、この年(66歳)になると、今を頑張った結果が“目的”にたどり着くと思っている。という訳で、今を頑張ろうと思う。その結果が〈第13回フォーエバーヤング〉につながるのではないでしょうか……。お互い“今”を頑張りましょう。

(文/富澤一誠)

【関連リンク】

  • 『フォーエバーヤング2017 ~歌とトーク満載のフォークコンサート~』@ 須坂市文化会館メセナホール 大ホール (長野県) 2017/06/18 (日)

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プロフィール

COLUMNIST
富澤一誠
富澤一誠

わかりやすいキャッチコピーを駆使して音楽を語る音楽評論家。
1951年、長野県須坂市生まれ。東京大学中退。71年、音楽雑誌への投稿を機に音楽評論活動を始め、以降、44年間に及ぶ評論・執筆活動において、一貫して追い求めているテーマは<音楽を熱く語る>こと。
音楽に対する理念は「いい曲は売れてあたりまえ」「いい曲、いいアーティストにチャンスを与えたい」。現在、レコード大賞常任実行委員、尚美ミュージックカレッジ専門学校客員教授も務めている。
著書に、ベストセラーになった「俺の井上陽水」「松山千春・さすらいの青春」「さだまさし・終りなき夢」を始めとして「あの素晴しい曲をもう一度」(新潮新書)「フォーク名曲事典300曲」「J-POP名曲事典300曲」「Age Free Music・大人の音楽」(共にヤマハミュージックメディア)「『大人の歌謡曲』公式ガイドブック」(言視舎)「ユーミン・陽水からみゆきまで」(廣済堂新書)など全62冊。現在<Age Free Music!>(FM NACK5)、<Age Free Music~大人の音楽>(TOKYO FM系列JFN36局ネット)、<昭和ちゃんねる・富澤一誠の青春のバイブル>(USEN I-51)、<あの年この歌>(BSジャパン)などのパーソナリティーとしても活躍中。レコード会社15社合同キャンペーン<Age Free Music~大人の音楽>総合プロデューサーとして、良質な<大人の音楽>を推奨している。

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