LIVE MASTERS

2018.06 GUESTSKY-HI
テーマ転機となったLIVE
菅野 :菅野結以が@FMからお送りしています『LiveFans』6月のマンスリーゲストは、この方です。
SKY-HI :どうも。SKY-HIです。よろしくお願いします。
菅野 :お願いします。もうすぐリリースが迫ってます。あと10日です。ダブルAサイドシングル「Snatchaway / Diver's High」。まもなくですけど、“Diver’s High”のほうは、「ガンダムビルドダイバーズ」のオープニングテーマにもなっていて、亀田誠治さんのプロデュース、SKY-HI作詞作曲、そしてなんとUNISON SQUARE GARDENの斎藤さんが参加されているという。
SKY-HI :そう。奇跡!
菅野 :学生時代の先輩?
SKY-HI :そう。ちょうど、アニメソングを書いたことがないからどうしようかなと思って悩んでた正月…1月2日くらいに今オランダに住んでいる親友が帰国してきて、遊んで、そのときにやっぱUNISONの話になって、「そういえば斎藤さんと田淵さんがさぁ、今バンドでこんな感じで」みたいな。で、電話をしたわけ。田淵さんと普通にお話しして、斎藤さんはちょっと出られなかったの、そのとき。で、次の日に折り返しがかえってきて、これこれこんなんでみたいな話をしてるときに、「あっ!」と思って、あらためてアニメソングで俺の曲でどんなのを作ったらいいか、ちょっとアドバイス欲しいなと思って相談したわけ。斎藤さん、俺の曲も聴いてくれてて、アニメの曲とかいっぱいやってるから。で、聞いたら、斎藤さんが「それはさぁ、俺はどのぐらい参加していいの?」って(笑)。「え?!参加?」ってなって。
菅野 :わお!誘う前に!
SKY-HI :逆に「いいの?!」みたいになって。「ちょっと今度亀田さんのスタジオに行くんですけど、よかったら一緒に…」って言ったら来てくれて「大丈夫。その日ちょうど正月休みのタイミングで」って。休みじゃないの?いいの?って(笑)。それで(UNISONは)1月にツアーをやってるから自分たちのツアーの前でもあるのに来てくれて。で、ビデオまで出てもらって。俺は(UNISONが所属している)SMAとトイズファクトリーにいつ怒られるのか気が気じゃない(笑)。
菅野 :(笑)。すごい。めちゃめちゃプライベートなところから始まったことだったんだ。そんなことあるんだなぁ。このダブルAサイドシングル、ここ聴けポイントはどこですか?
SKY-HI :うーん…全部かなぁ(笑)。
菅野 :(笑)。私すごいこの曲聞いて思ったのが、“Diver’s High”の最後、<さぁ兄弟 一緒に行こうぜ>で終わるじゃないですか。SKY-HIが言うと兄弟って身内とかじゃなくて全世界の人っていう感じがするのがすごいな。説明が要らないというか。
SKY-HI :嬉しいな。人類皆兄弟だからね。
菅野 :その感じがすごくにじむ曲だなぁっていう気がしましたね。
SKY-HI :特に“Diver’s High”のほうは、アニメの脚本読んでなんだよね。まだ出来上がってないから。時間も平日の夕方っていう俺がそれこそサッカー終わって急いで帰ってきて◯◯ットモンスターとか見てた時間帯だったりするからさ、子どもが見た時のこと…今まで想定していた子どもってたぶん中学生ぐらいなんだけど、小学生が、しかも低学年の子とかが見た時のことをすごい考えながら書いたのはあるなぁ。そのぶんゲームはそれなりの年齢の人が多いだろうと思ってたから、自分と照らし合わせて。“Snatchaway“はするっと作ったのかな、そう考えると。
菅野 :順位をあまりつけない時代みたいな、この時代にナンバーワンを愛せって言い切れる感じが、すごいらしいし、みんなが夢見れて素敵だなぁと。
SKY-HI :アニメで、しかもバトルアニメで、ナンバーワンを目指してるんだけど、それ以上に現在ナンバーワンにいる者に対しての憧憬の念とかもあるし、それを美しいものとしたいですよね。そういうのが子ども心の美しさだと思うし。ナンバーワンを愛せっていうのはわりとスタッフのなかでも協議の的になってたけど。
菅野 :へぇー!そこを飛び越えて…。
SKY-HI :でも、<さあ兄弟 一緒に行こうぜ>は誰も何も言わなかった。ここまで吹っ切れてると気持ちがいいって。
菅野 :たしかに。あと10日ほどでリリースです。
SKY-HI :そう。買ってください。
菅野 :でもいつも忙しいじゃないですか。いつ書いてるんだろうっていう…。
SKY-HI :ずっと(笑)。
菅野 :ずっと?!生まれやすいタイミングとかあるんですか?
SKY-HI :捻り出したらなんとかなるって感じ。
菅野 :うわぁ、そうなんだ。ツアー中とかでも?
SKY-HI :ツアー中とかでも全然書けるけど。曲はいいんだけど、歌詞のテーマによっては、内面性の強いもの…世の中に対してとかそういうものだと逆にたぶんスルっとできるんだけど、内面性、精神的なものを触れるやつをしっかり書くのはちょっと危ないときはあるかも。けど、曲はたぶんいつでも大丈夫だし、歌詞も大体の歌詞は大丈夫。何も考えないでも書ける歌詞っていっぱいあって。
菅野 :深く自分のなかに潜って書かなきゃいけない歌詞はどういう時に書くんですか?
SKY-HI :曲を色々書いてると、こういうものを今書くのが正解だって神の啓示が(笑)。
菅野 :お告げ結構よく来る?
SKY-HI :あいつ寂しがり屋なのよ。
菅野 :マブダチ感(笑)。
SKY-HI :そう(笑)。で、お告げが来て書かないとなっていうときもあるし。世の中に流れに触れてて、「書かなきゃ」「書きたいな」っていうのはある。「書かなきゃ」「書きたいな」っていうのがわかんないんだよね。トントンくらい。書きたくて書いてるのか、書かなきゃと思ってるのかよくわかんないっていうのはよくあります。
菅野 :へぇー。使命感がある?
SKY-HI :何なのかなぁ?ほんとは使命感あるって思いたくないんだけど、ひょっとしたら何かしら使命感に近いものを感じている可能性は無きにしも非ず的なものなのかも…。
菅野 :(笑)。はい、LIVEの話をしましょうか、そろそろ。3週目の今週は「SKY-HIの転機となったLIVE」を聞きたいと思います。LIVEめちゃめちゃたくさんしてると思うけど…そのなかで選べないと思うけど選んでください。
SKY-HI :先に言っておくと10年後ぐらいにはたぶん今年回った「Marble the World」が転機って言ってる気がするんだけど。そんくらい色んな意味でデカいLIVEだったんだけど、現段階では近すぎるのでもうちょっと前に転機があって、それは「Ms. Libertyを探せ」っていう2016年3月のLIVEですね。
菅野 :お!私行ったやつだ。
SKY-HI :そう。何が転機って結以ちゃんが来てくれたっていうのが転機!
菅野 :そういうのいいから(笑)。TOKYO DOME CITY HALLでSKY-HIを初めて観たLIVEだったんですよね。どのへんが転機になった…?
SKY-HI :ずっとやれるっていう実感と証明みたいなところかもしれない。アルバムを出してツアーを回り、1DJで回ったりとか、DJとダンサーと回ったりとかをして、フルバンドでLIVEをやったのはツアーは2015年が初めてで、2015年の暮れにツアーという形で全国フルバンドをやったからかな。それで2016年に初めてゼロ段階からフルバンドでやることを想定しながら音像とか、あとアルバムも結構想定しながら作ってたし、だから答え合わせに近いというか…。これが完成するかどうかでフルバンドでエンターテインすることとか、ラップミュージックがエンターテインメントになることとか、色んなものの答え合わせ。
菅野 :私この日に観に行って、ものすごい、感じたことのない感動をしたのをすごい覚えてて、それをツイッターにすごい熱意を持って書いたのを覚えてたんですよ。
SKY-HI :おぉ。嬉しい。
菅野 :それで今(ツイッターを)探したら、私は日高くん(SKY-HI)のことを聖徳太子と言ってますね。
SKY-HI :そう。末裔だからね。
菅野 :(笑)。私が思った感想をちょっと読ませてもらうと…<外側と内側のひとりひとり、そのさらにもっと奥や先にまで意識が行き届いている真摯な聖徳太子だなあと思ったり、一寸の無駄もないパフォーマンスとその完成度の高さ、愛あるエンターテイナーぶりはマイケルジャクソンのようだなあとも思ったけど、唯一無二。SKY-HIツアーファイナル、圧巻でした>っていう。
SKY-HI :おぉ、嬉しい!
菅野 :ほんと140字にまとめるのが大変だったくらいものすごい色んなことを感じて、こんな人いるんだぁと思って。終わった後、色んな人にSKY-HIのLIVEヤバいから観た方がいいよって言ったのを覚えてるんですけど…。
SKY-HI :ありがたい!
菅野 :ほんとに暗闇から光へ繋がるストーリーというか、ちゃんとどっちも深いところを見てきた人なんだぁという生き様みたいなのをめちゃめちゃ感じて。
SKY-HI :今セットリストを観ると色々思い出すけど、問答無用でエンターテインする場面とか、ものすごく深いところのどっぷりしたものをほじくり返す瞬間とか、色々ありました。
菅野 :1つのステージのなかでほんとに色んなシーンがあって、ショーとしての完成度が素晴らしいなっていう。
SKY-HI :アルバムツアーはアルバムを作ってる時にストーリーとか流れがもうあるから、あとはどう具現化するかみたいな。アルバムに入ってない曲は今まで俺の人生に何してくれてたかとか、考えるとわりとすんなりできる。
菅野 :この日のLIVEはその後のSKY-HIとしての活動にどう影響していってますか?
SKY-HI :1個は自信かな。大丈夫だっていうのがあったから加速させるようにした。それまでにやってきてた暗中模索を、ここ大丈夫っぽい、掘っていこうみたいな。「ここ温泉あるっぽい。掘っていこう」って。「何も出ねえよ、こんなとこ」みたいな感じだったやつが「あ、ここ温泉あるっぽい」っていう感じなったかな。
菅野 :たしかにあの辺りの時期からすごくSKY-HIというのが広くなっていったというか、当たり前にロックフェスとかにいる存在みたいな感じになっていったタイミングだったような気がしますね。
SKY-HI :2016年でしょ、これが。2015年は1個も夏フェス呼ばれてないんじゃないかな。「a-nation」を除いたら。芸能系のイベントものとかはやっぱり夏で多いから呼んでもらうときあったけど、いわゆる音楽フェス、ロックフェスみたいなのは2015年は1個もないんじゃないかな。
菅野 :たしかにそういう意味でも転機となったLIVEだったんですね。
SKY-HI :そう。2016年の夏ぐらいから急に呼んでもらえるようになってね、嬉しい。
菅野 :じゃあこのSKY-HI、転機となったLIVE。TOKYO DOME CITY HALLのセットリストのなかから1曲お届けしたいと思うんですけど、どの曲にしますか?
SKY-HI :はい、大事な曲で、このアルバムもこのツアーも、そしてなんと今年やった「Marble the World」も、この曲をちゃんとやりたくてやったみたいなところがあるんでお届けします。SKY-HIで、“フリージア ~Epilogue~”。
転機となったLIVE
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HALL TOUR 2016 ~Ms. Libertyを探せ~
2016/03/13 (日) 18:00 開演 @ TOKYO DOME CITY HALL (東京都)
[出演者]SKY-HI
Setlist
- 1. フリージア~Prologue~
- 2. トリックスター
- 3. One By One
- 4. 愛ブルーム
- 5. スマイルドロップ
- 6. Limo
- 7. Count Down
- 8. マインドコントロール
- 9. TOKYO SPOTLIGHT
- 10. Tumbler
- 11. LUCE
- 12. Young,Gifted and Yellow
- 13. As a Sugar
- 14. Tyrant Island
- 15. F-3
- 16. Enter the Dungeon
- 17. RULE
- 18. Ms.Liberty
- 19. VERY BERRY town Funk
- 20. 朝が来るまで
- 21. Blanket
- 22. 逆転ファンファーレ
- 23. Seaside Bound
- 24. フリージア~Epilogue~
- 25. アイリスライト
- 26. クロノグラフ
- 27. カミツレベルベット
- 28. またね
ARTIST INFORMATION

SKY-HI
2005年AAAのメンバーとしてデビューし、同時期からソロ名義「SKY-HI」として都内クラブ等でマイクを握り、活動を始める。
レーベル非公認でMCバトルやクラブに出入りする日々が続く。
2012年に自身主宰のコラボレーション楽曲制作企画「FLOATIN’LAB」が話題となり、CD化してリリース。
KREVA等多数アーティストの楽曲への客演や各地でのライブも経て、同年「WOOFI’N AWARD 2012」のベストオブラッパー部門を受賞。
2013年、満を持してメジャーデビューを果たし、2014年3月には1st. AL『TRICKSTER』をリリース。
同年6月、MTV VMAJ 2014 BEST HIP HOP VIDEO受賞。
その卓越したスキルと豊かな音楽性によりHIP HOPシーンのみならずROCKやサブカルシーンにおいても注目を集めた。
2015年、全国9公演1万人動員の全国ツアー「Ride my Limo」を完遂。
12月には追加公演として3大都市ZEPPツアーを行い、自らがバンド音源や演出、照明に至るまでプロデュースし、フルバンドにダンサーを入れたSUPER FLYERSと称する総勢13名とステージに立ち、エンターテイナーとしての力量を見せつけた。
2016年1月、2nd. AL『カタルシス』をリリース。
1枚のアルバムの中に緻密に計算されたストーリーと広い振れ幅の楽曲と、メッセージが詰まったこのアルバムはリリシストとしての力量が遺憾なく発揮された。
2016年2月から全国7箇所7公演で行われた初の全国ホールツアー「SKY-HI HALL TOUR 2016 ~Ms. Libertyを探せ~」は新たにコーラスも参加し、ソールドアウトとともに成功。音楽業界にSKY-HIの名を知らしめるツアーとなった。
ツアー以降は他に類を見ないエンタテイメント性が評判となり、様々な大型フェスにも出演し、ジャンルを超えた存在感を発揮。2017年1月に3rd Album「OLIVE」をリリース。
音楽業界はもちろん、業界外からも注目を浴び、シンガーソングライターとしてのポジションを確立。
同年3月からは全国13都市15公演の「SKY-HI HALL TOUR 2017-WELIVE-」を開催し、5月2日・3日に東京日本武道館2Daysでファイナルを迎えた。
同年10月からは国内はもちろん、上海、台湾、香港、Los Angels、New York、Paris、Londonと世界ツアーとなる規模でLIVEハウスツアーを開催。
2018年は幕張メッセ2Daysを含む、15箇所19公演のホールツアー「SKY-HI TOUR 2018-Marble the World-」を開催した。