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LIVE MASTERS

山中さわお(the pillows)

2017.12 GUEST山中さわお(the pillows)

テーマこれから目指すLIVE

菅野:菅野結以が@FMからお送りしています『LiveFans』12月のマンスリーゲストは、この方です!

山中:the pillows 山中さわおです。よろしくお願いします。

菅野:よろしくお願いします。メリー・クリスマスです!

山中:あ、そうですね!

菅野:(この放送は)24日の深夜で、ちょうど25日になりたてです。

山中:うちの母親がキリスト教なので、わりと山中家では厳かなイベントで、楽しげなイエーイ!みたいなパーティーじゃなく育ったので。意外と本物だからこそ別にプレゼントもくれねーみたいな。

菅野:サンタさんも来ない?

山中:来ないタイプの…。

菅野:そうなんですね!どんなクリスマスを過ごしてきたんですか?

山中:でもね、ケーキは食べたかな。あと鶏の足とか。

菅野:七面鳥?

山中:七面鳥で思い出すのは、当時母親が1回だけ七面鳥のでっかいのを買ってきたことがあって、だけど山中家の冷蔵庫が小さくて入らないんですよ。で、北海道なので、12月はもう雪が積もってるわけですよね。そこで、雪に埋めておこうというのを、親父が「いや、野良犬がやってきて掘るからだめだ!」「いや、埋めよう」…何の喧嘩だこれっ?ていう(笑)。来ねぇよ、犬なんて。そんな雪掘って。来んのかな?

菅野:そんなバトルが?

山中:すごい思い出すね。独特な思い出。

菅野:もっと甘い感じのじゃないんですね。皆さん、よいクリスマスを!そして、この『NOOK IN THE BRAIN』は、the pillows 21枚目のアルバムなんですけど、このツアーの最終公演の模様を完全収録したLIVEブルーレイ&DVDが発売されています。特典映像もある?

山中:そうなんですよ。the pillowsは特典映像にこだわりたいので。今回はですね、「いい齢してお茶の違いくらいわかるだろがい!選手権!!」というのをね…。

菅野:(笑)。どういうことですか?

山中:利き酒みたいなのを…利き茶っていう、コンビニに並んでいるペットボトルのお茶を自分が飲んだのがどれかを当てられるかっていうやつを、the pillowsとサポートベーシスト有江くんとゲストに「ふくろうず」のベース安西くん。その安西くんがすごい違いのわかる男らしいんですね…、を呼んでやったんですけど、これね、最高に面白いんです。俺たちがタレント的な能力で面白いんじゃなくて、色々偶然とラッキーと奇跡がはたらいて、めちゃめちゃ面白いです!

菅野:気になる〜(笑)。

山中:もうLIVE見なくていいからこれを見てほしい。まじで、名作だからこれ(笑)。

菅野:すごいですね。これ誰が企画するんですか?いつもこの特典映像…。

山中:基本的に何かを考えるのは全部僕です。the pillowsの脳みそが僕で、メンバーは足の指ぐらいの感じなんで(笑)。

菅野:(笑)。そんなお茶の違い選手権も収録されておりますLIVEブルーレイ&DVD発売中なのでぜひチェックしてください。そして、今日は最終週ということで、毎週LIVEをテーマにお話してきました。今週、最終週のテーマは「これから目指すLIVE」。

山中:あー、ないよ。そんなもの。

菅野:ちょっと!

山中:ないないない。

菅野:終わっちゃう(笑)。最終回だから。

山中:いや、目指すLIVEとかないねぇ。LIVEはまずは遅刻しないでライブハウスに行くっていう。

菅野:大事!大事ですね。

山中:あとはステージに出るということだね。

菅野:(笑)。ちょっと待ってください。基本の「き」。

山中:もうね、俺たちクラスになるとステージに出ればなんとかなるから(笑)。

菅野:すごいなあ。それはすごいことですね。いつもLIVEのステージに立つ上で大切にしていることとかは?

山中:大切にしていること…わかんないなあ、もう。

菅野:ライフワークなんですかね。

山中:だってもう29年目だからね。同じことをずーっとやってるからね。28年間、新曲書いてレコーディングしてLIVEをやる。ツアーの本数も減ってないので。

菅野:飽きちゃったことないですか?

山中:LIVE自体に飽きることはないけど、ツアー中ホテルで目が覚めて、二日酔いで起きて、シャワー入ったりするのが、うわぁ面倒くせぇと思うことは何回もあるけど、でもそれはLIVEが面倒くさいんじゃなくて、そのときに面倒くさがっているのは、ベッドにいて、ここから起き上がって、ライブハウスに行って、リハーサルやるのがつまんないと思う。リハーサルなんか全然つまんないもん。何回もやるからさ。

菅野:わかります。私もリハ嫌い。

山中:でもやらないと、自分のモニター環境もベストにできないし、外のPAさんに対してもベストにできないので、やるしかないから。面倒くさいと思うけど実際始まるときに、お客さんが集まってきて、僕が選んだ会場BGMが流れていて、いつもの登場のSE、SALON MUSICの“Kelly’s Duck”という曲が流れて僕らは登場するんですけど、そこから飽きたことはないね。色々と失敗したことは何回もあるけど、やらなきゃよかったなっていうLIVEは一個もない。

菅野:へぇー。

山中:何かしらいつも価値はあるかな。そのときにしかない二度とないものを必ずやっているので。

菅野:素晴らしい。一番印象的な失敗はなんですか?

山中:印象的なのは、皆んなにはバレないようにタオルにちっちゃいゲロを吐いたことはあるけど。

菅野:(笑)。そんなことできます?

山中:すぐ簡単に、口からピンポン玉を出すみたいにポロリんとね。普段から打ち上げでも何も気持ち悪いと思ってないんだけど、飲んでてトイレに行って、用を済まそうと思ったら、ポロリんとちっちゃいリバースをして、また戻って飲むっていうことが普通にあるんですよね(笑)。

菅野:あの、今日クリスマスの夜なんですけど(笑)。聖なる夜になんて話をしてるんだっていう。

山中:あー、そっか(笑)。じゃあそれは置いといて、自分が嫌なのはやはり大事な曲の大事なところで歌詞が飛ぶことがあって、それは本当に落ち込むし、お客に申し訳ないなって思うかな。楽しいロックンロールなら別に歌詞を間違えても気にしないんだけど、歌詞が大事だっていう曲で、しかもレアな曲でひさしぶりにやったみたいなときに間違えるとすごいヘコむけど。でも一応言い訳もあるんだよね、こっちにも。

菅野:言い訳あるんですか?!

山中:すごくお客さんをガッチリ見ながら俺歌うほうなのね。なんなら目もガンガン合わせながら。だから歌詞を間違えない目的で、目は開いていても意識を(お客さんに)向けないでやったらたぶん間違えないんだろうけど、すごくグッとみながら歌うのが好きで、そこで自分と気持ちがシンクロして泣きそうな若者とか見るとつられてこっちも泣きそうになるし、とてもそれは大事な瞬間なんだけど、よくあるのが、激しいロックンロールのブロックが終わって、MCを終えて、そこからロックバラードをやるみたいなときに倒れる人が多いの、酸欠で。ノッてるときじゃなくて。

菅野:へぇー。

山中:急に倒れて、周りが警備の人を呼んでたりする。ずっと曲は進んでいるわけですよ。気が散って気が散って、どうしようと思って…そういうときにちょっと歌詞間違えたりするかな。

菅野:なるほど。お客さんをちゃんと見てるからこその…。

山中:最近はそういうことが起きたら悪いけど見ないようにしている。100点のやり方っていうのがないので、それに関しては。自己責任で倒れた人は周りの人がなんとかしておいてねって。俺はそっちじゃないほうに気を集中して、他の95%のお客さんのためにちゃんと音楽をやるっていうふうに今はしてますけど。

菅野:見ると引っ張られちゃうんですね。

山中:引っ張られるね。

菅野:いつもLIVE出る前に何かするルーティーンとか決め事みたいなのあります?

山中:当然ストレッチはするんだけど、ストレッチは肉体的に必要だからやってるつもりなのに、気付いたのは、弾き語りのLIVEでもやりたくなっちゃう。弾き語りのLIVEはただ静かに歌うだけなのに本番前にそれをやってないと落ち着かないから、ちょっとストレッチしちゃうんだよね。だからきっとそれはもう組み込まれたルーティーンなんだろうなって気付きました。

菅野:へぇー。これをやったらLIVEをするっていう流れが入ってるんだ。完全再現LIVEをされたりとか色々と挑戦をずっと続けているthe pillowsですけど、今後、こんなLIVEしてみたいとかあります?

山中:いやあ、全然ないんだよね。

菅野:全然ないってすぐ言う(笑)。

山中:だってもう、ありとあらゆることをやったからね。海外のツアーもやってるし、いろんな素敵な人と一緒にツアーも回ったし、ただ、2019年が30周年なんですね。30周年の9月16日の結成日に本当はまた10年ぶりに武道館をやろうかなって思ってたんだけれども、オリンピックの準備があるのでもう貸してもらえないんですね。

菅野:あ、そっかー!

山中:なので武道館はできないってもう決まっていて、なのでどこか大きいところでやろうっていうのは決めていて、そこを最終目標くらいの気持ちで向かおうかなとは思ってる。そこで燃え尽きるくらいの感じで。今年、The ピーズの武道館が6月にあって、それは30周年だったのかな。そのときにはるくん(大木温之)が言ってたことをなるほどなって思って。たぶん40周年っていうのはないんだよね。あったとしても30周年はギリ現役で普通にやってるアニバーサリーで、40周年はただやめてないっていうだけの感じで、音楽をベストで鳴らせてるかというと、30周年ですでに僕が50ということは、真鍋くんはもう…アイツは56なんだから、40周年は66になってるんだね。66というと色々と変化が起きてるだろうから、しかも3人ともお酒飲んでだらしない感じの人間なので、ストイックさが全くないからね。

菅野:健康とか気遣ってなさそうですね。

山中:遣ってないね。だから30周年がたぶんアニバーサリーというものに関しては、これを最終目標とするのが正しいんだというのがなんとなくわかってきて、そこにかける情熱はあるかな。

菅野:そうなんですね。

山中:別にそれで解散するわけじゃないんだけど、アニバーサリーというお祭りはこれが最後なんだと思って。そこからはたぶんのんびりすると思う、俺たちは。

菅野:のんびりでもいいんで続けてください。

山中:まあ、続けはすると思うよ。the pillowsやるのが自分の人生だから。

菅野:はい。あらためて、アルバムの完全再現LIVE『RETURN TO THIRD MOVEMENT! Vol.2』、そしてTHE PREDATORS 再始動!来年からは「Arabian Dance Tour」も始まります。LIVEほんとに盛りだくさんですけど、ぜひ倒れないようにみんな、自己責任でLIVE会場に足を運んでください。ということで、1ヶ月色々とお話を聞いてきたんですが、そろそろお別れの時間になってしまいます。寂しい…。

山中:はい、ありがとうございます。

菅野:本当にさわおさんの隣で“ストレンジ カメレオン”を聴くっていうすごいスペシャルな時間を過ごせて私はもう、今年はもうやり残したことはありません!本当にありがとうございました!

山中:(笑)。ありがとうございました。

菅野:最後にもう1曲、the pillowsの曲をオンエアしてお別れにしたいと思うんですけど、どの曲にしましょうか?

山中:冬のツアーの会場で売っていた新曲“ぼくのともだち”というとっても気持ち悪いタイトルの、気持ち悪い曲があるんで。これは僕が中学生の頃に、幼馴染で今でも親友なんですけど、その友達と一緒にロックを好きになって…というそのストーリーを思い浮かべながら作った曲です。“ぼくのともだち”聞いてください。

菅野:LiveFans、12月のマンスリーゲストはthe pillowsの山中さわおさんでした!1ヶ月間ありがとうございました!

山中:ありがとうございました!

ARTIST INFORMATION

山中さわお(the pillows)

山中さわお(Vo, G) 真鍋吉明(G) 佐藤シンイチロウ(Dr)

1989年9月結成。1991年シングル『雨にうたえば』(ポニーキャニオン)でデビュー。

1992年初代メンバーであるベーシストの上田ケンジが脱退。

2004年には結成15周年を記念してMr. Children・BUMP OF CHICKENらが参加したトリビュートアルバム『シンクロナイズド・ロッカーズ』を発表。

2005年には海外での活動を本格的に始動させ、現在までに6度のUS TOURを行い、ヘッドライナーを務めたツアーでは全箇所ソールドアウト公演となるなど、海外での人気も高い。

2009年結成20周年記念日となる9月16日には、初の武道館ライブを大成功に収めた。

2014年に、結成25周年を記念してUNISON SQUARE GARDEN・a flood of circleらが参加した自身2枚目となるトリビュートアルバム『ROCK AND SYMPATHY』を発表。

2017年3月には21st ALBUM『NOOK IN THE BRAIN』を発売。11月からは、自身初となる旧作の再現ライブツアー“RETURN TO THIRD MOVEMENT! Vol.1”を開催。結成28年を超えてなお、コンスタントに楽曲制作とツアーを行う。

RELEASE

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近年、ライブ動員数は増加傾向にあり2016年は過去最高の4,768万人を記録。ライブやフェスといったリアルの場での音楽体験を求めるユーザーが増えています。本番組では、そんなライブに徹底的にこだわり、あらゆる角度からライブの魅力を紹介していきます。