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LIVE MASTERS

大木伸夫(ACIDMAN)

2017.07 GUEST大木伸夫(ACIDMAN)

テーマACIDMANの歴史に残る最高のLIVE

菅野:お送りしたのは、ACIDMAN 7月26日リリース20thアニバーサリー第3弾シングル「ミレニアム」でした。
菅野結以が@FMからお届けしています新番組『LiveFans』
今月のマンスリーゲスト ACIDMAN大木伸夫さんです!よろしくお願いします。

大木:よろしくお願いします。

菅野:すごい曲ができちゃいましたね、これはニューアンセムですね。

大木:ありがとうございます。

菅野:力強さと繊細さと、相反するものが一緒になっている感じというか、日常と宇宙だったり、静と動だったり、そういう真逆のものがひとつになっているのってすごく「生きる」という事と同義だなという気がして、そういうムードを私は感じたんですけど....。「ミレニアム」=「千年期」。歌詞にも“千年先”という言葉がたくさん出てきますけど、どんなふうに生まれた曲なんですか?

大木:実は曲自体はかなり前に作っていたんですね、違う感じで曲を作っていて…7年位前に。だけどいまいちピンと来てなくて、でもサビだけはずっといいと思っていたのでそこから試行錯誤して、今回のタイミングで色んな意味合いを持っていきたかったので、たとえば最初は静かな繊細なところから入って激しくしたかったり、サビでポップにいきたくて…というのがやっとこのタイミングで自分の中で納得いくものが作れて。さらに「ミレニアム」というのは「千年期」と訳すんですけど、日本人が感じる「千」って美しい響きだなと思っているんですよ。十でも百でも万でも億でもなくて「千」ってすごく詩的な表現で。遙か昔は千年前を悠久の昔と呼んでたんですね。そういう意味ですごく昔、そしてすごく先の未来という意味の、遠い昔、遠い先を「千」というキーワードとしてよく使うんですけど、今回それをモチーフにして自分の今生きている「千年先」の世界をいちど想像してみよう。そのときにはもちろん自分の形はないけれど、形を変えて違う形としてまた新たな生命になっているかもしれない。そして目の前にいる人も、大事な人がまた形を変えてどんどん生まれ変わっているであろうというACIDMAN、僕のずっとテーマであるんですけど、それをまた相も変わらず同じようなテーマなんですが、より研ぎ澄ますことができたのかなと思っています。

菅野:“君の最後の息もいつかは鮮やかな花をさかすだろう” っていう…

大木:いやぁ、もう詩人ですね、客観視すると(笑)。作っている自分とこういうときの自分って違うんですよ。自分で作っているような感覚がなくて。今はもうオフモードなので、いかに曲を罵倒しようかっていうことを考えています(笑)。

菅野:いやいやいや…(笑)。「ミレニアム」は7月26日リリースということですので楽しみにしていましょう。そしてこの番組ではLIVEについて色々とお話を伺っていくのですが、第2週のテーマは《ACIDMANの歴史に残る最高のLIVE》。色々な所で色々なLIVEをしていると思うんですけどひとつ選ぶとすればどのLIVEですか?

大木:実はこれ昔からずっと変わらないんですけど、今から15年前にやった下北沢GARAGEでの初ワンマンが一番感動していますね。

菅野:GARAGEってキャパ200くらいですよね?

大木:(GARAGEに)行ったことあるって言ってましたよね?

菅野:はい。下北沢のあの辺のライブハウスは大体行ってます。そして大体ひとりで行ってますね(笑)。

大木:すごい。すばらしい(笑)。

菅野:初ワンマンっていうのは…。

大木:それまで対バンというのが常識だったので。GARAGEって2階が楽屋になってるんですね。1階にお店があって地下がライブハウスなんですよ。それで2階の楽屋からライブハウスの地下に入るお客さんが見えるんですよ。並んでいるお客さんが。だからLIVEの対バンのときに見て、「今日は結構並んでるな」とか「僕らのファンはどれ位かな」とかいつも気にしていたのが、ワンマンとなるとそこに並んでいる人たち全員が僕たちを見るというのが初めての経験で、200人位のキャパではあるけれどGARAGEの前に200人並んだ様というのはもう想像を遙かに越えていて… 。

菅野:自分たちの為だけに集まっている….。

大木:「この見たことのない人たちは俺たちのことを見にきてくれているんだ。今まで友達ばっかりだったのに。こんな幸せなことはない」と、本当に感動して。それ以降もちろん自分のなかで過去最高のLIVEだったり、LIVEはどんどん更新してるんだけど、その景色も含めるとやっぱりそれを永遠に越えられないんだと思うんですよね。一生に一度しかそれは味わえない感動なので。

菅野:LIVEが始まる前から大木さんのなかでは始まっていたんですね。

大木:信じられなかったんですよ。今でもそうなんですけど日本のロックバンドのなかで一番自分をロックスターだと思っていないタイプなんですよ。本当に普通の赤提灯の居酒屋が好きなオッサンだと思っていて、それで普通に生きているんだけど、でもよく考えたら「待てよ、俺、一応ロックスターというふうに云われてるんだ。やばい、ちゃんとしなきゃ。たまにはワインとか飲まなきゃ」って(笑)。だからそのときも「嘘だろ、俺らのバンドにこんなに人が集まるんだ!信じられない!想像がつかない!でも目の前に起きていることは事実だ!」っていうのは覚えています。

菅野:その景色を見てすごく高まるわけじゃないですか。始まる前から。ステージに立ってからの記憶はちゃんと覚えてますか?

大木:それはもう覚えていて、ビデオもとっているんですよ。資料用で。非常に浮ついた奴がいましてね…ボーカルが。まぁ僕なんですけど(笑)。もう典型的な浮ついたタイプでして….こいつ売れないなぁという空気感がにじみ出ているような(笑)。

菅野:その映像がなんと残っていて収録されてるんですよね、最近。

大木:この間出したシングル「愛を両手に」のおまけという。このご時世はCDが売れないのでおまけを付けようという謎の流れになってくるんですよ。

菅野:大事です。

大木:そう。僕らも大事です。だとしたら何か特別なものはないかと(レコード会社のディレクターから)訊かれて…「あるといえばあるけど出せないよ。とにかく俺がひどい様の初めてのワンマンとかあるけどね」って言ったらそのディレクターが乗ってくれて、やろうよって。

菅野:はい。

大木:でも僕そんなのやるわけないじゃないですかって言ったんですけどね。でも一度見てみて、その柿澤さんというディレクターさんから「大木くん、このタイミングでしかこの大木くんの恥ずかしさを出す機会はないよ」と。それで「あぁたしかに。試されてるなぁ」と思って。だとしたらとことん恥ずかしいことを晒してみようと思って。それで収録してこれは究極のプレミアになるなぁと思ったけどCDの売り上げはそこそこだったという。こんなに身を切ったのに(笑)。

菅野:(笑)。でもファンの皆さんは嬉しかったと思います。

大木:そうですね。

菅野:あらためてそのときの映像を見てみてどうでした?

大木:いまだにこんな地獄のような時間があるんだなと思いつつ(笑)、でも恥ずかしかったけどちゃんとそこで自分も生きていたんだなという実感が湧きましたね。

菅野:初心を思い返しました?

大木:はい。本当によく売れたなと…(笑)。

菅野:その映像は今年の2月にリリースされた「愛を両手に」の初回限定版のDVDになっていて…じゃあもう買えないのかな?

大木:どこかの店舗に行けば手に入れられるかもしれないので…。

菅野:頑張れば手に入れられるかもしれないので、皆さま各自手に入れてください。

ACIDMANの歴史に残る最高のLIVE

oriental tag match tour

oriental tag match tour

2002/05/25 (土) @ 下北沢GARAGE (東京都)
[出演者]ACIDMAN

詳細をみる

Setlist

  1. 1.8 to 1 Completed
  2. 2.造花が笑う
  3. 3.Free White
  4. 4.バックグラウンド
  5. 5.SILENCE
  6. 6.to live
  7. 7.オーバーフロウ
  8. 8.赤橙
  1. 9.公園
  2. 10.spaced out
  3. 11.静かなる嘘と調和
  4. 12.酸化空
  5. 13.今、透明か
  6. 14.アレグロ
  7. 15.揺れる球体

Encore 1

  1. 1.培養スマッシュパーティ
  1. 2.Your Song

ARTIST INFORMATION

大木伸夫(ACIDMAN)

1997年結成、大木伸夫 (Vo&G)、 佐藤雅俊 (b)、 浦山一悟 (dr)からなる3ピースロックバンド。2002年メジャーデビュー。
“宇宙”を感じる壮大な詩の世界、様々なジャンルの音楽を取り込み、“静”と”動”を行き来する幅広いサウンドで支持を集める。
今年2017年は、バンド結成20周年を記念し、地元さいたまスーパーアリーナで、11月23日にACIDMAN初主催となるロックフェスティバル、SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI” を開催する。

■7/26 20th Anniversary第3弾シングル「ミレニアム」を発売
■11/23 SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI”@ さいたまスーパーアリーナ

RELEASE

NEW SINGLEミレニアム(初回限定盤)

ミレニアム(初回限定盤)

2017.07.26 Release
ユニバーサル ミュージック

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近年、ライブ動員数は増加傾向にあり2016年は過去最高の4,768万人を記録。ライブやフェスといったリアルの場での音楽体験を求めるユーザーが増えています。本番組では、そんなライブに徹底的にこだわり、あらゆる角度からライブの魅力を紹介していきます。